【『アトムの童(こ)』第6話感想・考察】華麗なタイトル回収に!わずかな表情に宿る、松下洸平の演技の魅力
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ドラマ好きなイラストレーター、ゆう。(@yamapyou)さんによるドラマコラム。
2022年10月スタートのテレビドラマ『アトムの童(こ)』(TBS系)の見どころや考察を連載していきます。
今、秋ドラマの中でも特に注目を集めているといっても過言ではない『アトムの童(こ)』。めげずに悪に立ち向かう姿とテンポの良さは毎回、1時間をあっという間に感じさせる。
第6話は、SAGASに買収され、アトム玩具がバラバラになってしまった日から一年が経ったところからスタートする。
何もかもを失い、全てリセットされ、物語は振り出しに戻ってしまっていた。これが『アトムの童(こ)』第二章の始まりである。
わずかな表情に宿る、松下洸平の演技の魅力
銀行に戻った海(岸井ゆきの)の姿には悔しさと失望感が漂っていたのだが、それぞれ描かれる那由他(山﨑賢人)と隼人(松下洸平)は、何かを成し遂げるため一心に目の前のことをこなしているように見えた。
那由他は自動車修理と学童のアルバイトを掛け持ちし、生活していた。昼休みも取らず、早上がりをして学童へ向かう。
働きすぎが心配になるが、きっと彼を動かしているのは「ゲームを作りたい」という強い思いだろう。学童では那由他が作ったゲームを楽しそうに遊ぶ子供たちの笑顔が見れた。
一方で、隼人は相変わらず持ち前のスキルでレベルの高い仕事をこなしていた。
会社としても喉から手が出るほど欲しい人材のはずなのだが、正社員採用はすべて断っている。
彼ははっきりと「自分にはまだやりたいことがありまして」と告げていた。
SAGASに買収されたところで、彼らはめげてなんていない。その表情からは「俺たちはまたゲームを作るんだ」という内に秘めた強い想いを感じる。
松下洸平の演技が光った『アトムの童(こ)』名シーン
また、その想いをより強く感じたのは松下洸平演じる隼人の表情からだった。
松下洸平という俳優が持ち合わせるクールでスマートな表情と、内に秘めた情熱が溢れる時の表情はこのドラマにさらなる深みを与えていることを確信した。
松下洸平といえば、ドラマやバラエティで大ブレイク中の俳優である。
朝ドラ『スカーレット』(NHK)に出演後、『#リモラブ ~普通の恋は邪道~』(日本テレビ系)、『知ってるワイフ』(フジテレビ系)『最愛』(TBS系)など話題作でも、その高い演技力と抜群のルックスで並々ならぬ存在感を放っている。
彼は多くを語らずして、表情で表現する力が素晴らしい。それは『スカーレット』や『最愛』でも大いに発揮されていたのだが、今回も同じく彼の演技がドラマにさらなる深みを与えていた。
感情が全面に出ないシンプルな表現だからこそ、一つ一つの仕草やちょっとした表情に心情の変化が宿る。
至難の技に違いないが、松下洸平はそんな役をいつも器用にこなして見せる。
それを特に感じたのは那由他との電話のシーン。
「ちょっと思いついたことあって、手伝ってくんない?」という那由他に表情一つ変えず、クールな顔をして話の続きを聞く隼人。
しかし「新しいゲーム作るんだよ」という言葉を聞いた瞬間、ほんのわずかに広角が上がり、「詳しい話聞かせてくれ」と返した。
わずかな一瞬の笑みが「その言葉、待ってました」という隼人のゲーム作りへの想いと那由他への期待のすべてを物語っていた。
「ああ、視聴者も待っていたんだ、この瞬間を…!」と、彼の演技で気付かされた。再始動する彼らへのワクワクは、この瞬間から始まったのである。
ついに『アトムの童』誕生でタイトル回収!
そういえば、タイトルの『アトムの童(こ)』に対して、疑問を持っていた人も多いのではないだろうか。
もともと那由他たちがいた会社名もアトム玩具だったし、まだタイトルについては触れられていなかった。
しかし第6話ラスト、那由他と隼人が新しく作ったゲームはなんと5千万円で買い取られた。彼らはそれを元手にアトム玩具の土地を購入したのである。
二人が作ったものに5千万円の価値がつくこと、自らの手でアトム玩具を取り返したこと、これだけでも胸が熱くなる展開である。
そして最後に海が名付けた新生アトムの社名。それが『アトムの童(こ)』だったのである。
『童』の左上の一部が赤く色付けてあり、『コ』と読むことができるのも粋でグッときてしまう。
ついに再スタートを切ったアトムの童。どんな巻き返しを見せてくれるのか、後半戦も楽しみである。
『アトムの童(こ)』/TBS系で毎週日曜・夜9時~放送
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[文・構成/grape編集部]