「ホラー漫画家はみんな怖がりだと思います」伊藤潤二が明かす”怖いもの”に、オダウエダ植田も共感
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植田紫帆
お笑いコンビ『オダウエダ』でコント師として活躍。NTV『THE W 2021』優勝。
子供の時から続けていることが漫画を読むこと。テレビ番組の企画で漫画紹介を行うほか、YouTubeやラジオを通して『マンガ愛』を熱弁している。grapeでは漫画コラムを連載。

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伊藤潤二が明かす、コンプライアンスに対する意識の変化
植田:
私、伊藤先生がコンプライアンスの壁にぶつかったことがあるのかが気になっていて。
この前たまたま怪談師の方とお話した時に、「『ここの神社が怖くて…絵馬とかにも人を呪う、みたいなことが書いてあって…』という話をしようとしたら、テレビでは放送できないと言われたことがある」とお聞きしました。厳しいですよね。
ホラー作家としても、そういうことはあるんですか?
伊藤:
先天性疾患などをホラーの題材にすることは絶対に禁忌ですね。
それから、デビューしたての頃、病気の主人公が富江と遭遇する話を描いたんですが、これについてはネームの段階で「ホラー漫画で病気を扱う時は病気を茶化すことのないように」と、最初の担当さんから口酸っぱく言われていましたね。
先天性疾患はもちろん、精神疾患も引っかかります。
『富江』に登場する高木先生というキャラクターは、精神異常者で精神病院に入れられている設定なのですが、病院の窓に鉄格子を描いたら「鉄格子はやめてくれ」と当時の担当さんから言われました。
今は普通の病院に描き換えるとか、開放的な表現になっているらしいですね。
植田:
難しいですね…。鉄格子があるだけで、おどろおどろしい感じが出ますからね。
伊藤:
あとは異形な生き物やモンスターなどを描く時、「弱者として描かず、加害者として描いてほしい」と言われたことがあります。プロの仕事をするということは、そういう部分にも気をつけなきゃいけないんだなと思いましたね。
撮影:grape編集部
伊藤潤二&オダウエダ植田がモキュメンタリーについて思うこと
――近年のモキュメンタリーブームに対して、各々意識していることや感じていることはありますか。
伊藤:
私は実際にあった事件とかを扱うドキュメンタリーが好きで、もしかしたら劇映画よりも好きかもしれないのですが…。
ドキュメンタリーは作り物じゃない面白さというものがある一方、フィクションの面白さとドキュメンタリーの面白さを合体したモキュメンタリーというのは、すごく革新的でいいことを考えたなと。
植田:
「やったな」と思われはるんですね(笑)。
伊藤:
そうですね。ただ、最近いろいろなモキュメンタリーが増えていますが、面白いと感じるかどうかは結局のところ内容かなという気がします(笑)。内容が面白ければ、モキュメンタリーしても、劇映画にしても面白いなと。
植田:
いや、かなりそうかもしれない…。本当に面白いフェイクドキュメンタリー作品とかは、ファンタジーとかいろんな形にしても面白いやろうな、というのはすごく分かります。
それをあえてこの形にしているのは、ディレクターさんごとの強い想いがあるんやろうなと思いますね。
現代のモキュメンタリーは、リアルな事実を断片的に映しますよね。軸となるストーリーを提示せず、「みなさんで余白を埋めましょう」と考察する作業そのものの面白さがあると思うんですよ。
先生は逆にテーマを描き切るといいますか、我々の想像を超えた展開を描いてくださるというか。ちょっと種類の違う恐怖だと思うんですよね。
伊藤:
モキュメンタリーの面白さは「現実にあり得るな」と思わせるリアリティーがあってこそだと思うので、リアリティーからギリギリ逸脱しないバランスが大事だと思いますが、私の漫画は現実にはあり得ないことを平気で描いてしまうところが違う点だと思います(笑)。
――最後になります。おふたりにとって、ホラーとはなんでしょうか。
伊藤:
初めて読んだ漫画が楳図先生のホラー漫画で、それ以来ほかの分野に全然興味がなくなりました。子供時代から親しんでいて、ホラーばかり見ていたので、一言で表すなら「ホラーは童心に帰るもの」です。
植田:
親からずっと「見ちゃダメだ」と言われていて、こっそり読んでいたのが先生の作品なので、むしろ子供の頃に「ちょっと大人になれたような気がする」といいますか、なんか背伸びをしてるというか。
こっそり楽しむという意味では、『秘密の快楽』かなと思います。
撮影:grape編集部
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撮影:grape編集部
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[文・構成・取材/grapeマンガ編集部 エラチヒトシ]