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【恋です!〜ヤンキー君と白杖ガール〜 7話】獅子王とイズミから生まれたプラスの連鎖・ネタバレあり

By - grape編集部  公開:  更新:

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ブログ『現実逃避は前向きに。』で注目ドラマの感想をつづる、malcoさんによる新連載。水曜ドラマ『恋です!〜ヤンキー君と白杖ガール〜』の見どころを紹介していきます。

ユキコ(杉咲花)がイズミ(奈緒)の誕生日を祝うため、父・誠二(岸谷五朗)の出張中に森生(杉野遥亮)と獅子王(鈴木伸之)を自宅に招いて、誕生日会を開くというストーリーが展開された第7話。

出張が延期になった誠二が帰ってきて森生と獅子王が浴槽に隠れることになったり、お泊まりセットを持ってきていた森生に誠二が意地悪をしたりと、序盤から爆笑とニヤニヤが止まらないドタバタコメディが繰り広げられました。

しかしコメディだけで終わらず、深く考えさせられ、気付きを与えてくれるエピソードも紡がれるのが、このドラマの醍醐味。

今回は、これまで秘められていた獅子王の内面が描かれました。

森生の顔に傷をつけたのは…

ドタバタコメディの空気が一変したのは、誕生日会も終わりに近づいた頃。

皆さんはお気づきになったでしょうか。誠二と森生が『ユキコクイズ』をしている間、獅子王は酒の一升瓶を抱え込んで直飲みしていたのです。

そして唐突に「森生クイズ行きまーす」と陽気に振る舞い始めました。

相当酔っ払っていたのでしょう。酔わなければ出来なかった話なのかもしれません。

クイズの第3問(実際には4問目)で森生の顔の傷について触れ、「誰が付けた傷でしょう」という問題を出したかと思えば、自ら「正解は自分でーす」と告白。

そこから一気にトーンダウンし、森生の顔に傷を残してしまったのに、自分には傷跡ひとつ残っておらず、どんなに森生に殴られても一生チャラにはならないのだと、神妙な面持ちで訴える獅子王。

確かに獅子王のやったことは取り返しがつかないことでした。

しかし、自分が残した傷が森生の人生にどんな影響を与えてしまったのか、逃げずに見守り続けた彼は、非常に強い人だと感じます。

自分の過失に目を向け続けるのは、とてつもなく精神力のいること。森生が何かにつまずくたびに罪悪感に苛まれる。そんな罰をずっと受け続けてきたのです。

森生に幸せになってほしいと願い、それが自分の夢だとさえ言ってしまえる獅子王の強い想い。

そこにはまだ、隠し続けてきた秘密がありました。

獅子王が打ち明けた秘密

誕生日会が終わり、獅子王が忘れて帰った鍵を渡しに行ったイズミは、ついに獅子王に想いを打ち明けます。

溢れ出した想いに胸が熱くなる真っ直ぐな告白でしたが、残念ながら断られてしまうイズミ。以前からチラついていた獅子王の『思い人』の存在が、ここに来てズッシリと伸し掛かるようでした。

ここで獅子王は、「自分は普通ではない」と話し、思い人は男なのだと告げます。

そんなことはいちいち言わず、誤魔化すこともできたでしょう。

しかしそうはせず、おそらくは誰にも言ったことがないであろう真実を明かしたのは、イズミの真剣な告白に彼なりにきちんと向き合ったからこそ。獅子王の真摯さが垣間見えるシーンでした。

魅力的なキャラクターが多い本作の中で、決して出番が多かったわけではない獅子王がこんなにも存在感を放ち、回を追うごとに魅力を増したのは、森生とはまた違った強さと愚直さを持ち合わせているからなのでしょう。

獅子王の思い人が森生であるかどうか、彼の口から明かされることはありませんでしたが、森生の写真を持ち歩いていることや、これまでの態度、誕生日会で語られた森生への想いから、そのことは明白です。

そしてそれは、程なくイズミに気づかれてしまうのかもしれません。

その後、獅子王にフラれたイズミは、彼を『推し』だと思って見守っていくことにしたようです。

「推しの幸せは夢ですから」と、笑顔を見せるイズミ。

イズミから「最高のファンサ」だと言われた獅子王の笑顔は、心から救われたような、安堵感に満ちていました。

森生のことを見守って幸せを願い続けてきた獅子王が、今度はイズミから見守られて幸せを願われるという、このプラスの連鎖。

2人とも失恋していることに違いはなく、本来は切ない展開のはずですが、そこに悲壮感はまるでなく、ただただ大切な人の幸せを願うというポジティブさに、見ているこちらまでこの連鎖に巻き込まれたかのような温かさを感じました。

それぞれの夢

第7話は、『夢』をテーマにまとめられていたことも、強く印象に残りました。

視覚障害者が寝る時に見る夢はどんな風に見えるのかという話、そして登場人物たちが各々に思い描く将来の夢や叶えたい夢の話。

前述した獅子王とイズミの夢の他にも、ユキコの「森生の顔が見たい」という夢や、誠二の「ユキコに幼い頃の写真を見せたい」という夢のエピソードもありました。

森生のホクロを見ることができないというユキコの切ない願いを、写真を拡大するという方法ですぐさま叶えてくれる誠二の大きな大きな父の愛が素敵でした。

個人的に気になったのは、ユキコが幼稚園の時に書いたという将来の夢。

本人は覚えていないとのことで、具体的には示されませんでしたが、このタイミングで幼い頃の夢について触れられたのは、次回以降のユキコの就職に向けての伏線でしょうか。

そしてもうひとつ、森生の夢について。

それぞれの夢が何かしらの形で語られる中で、森生だけが『寝ている時の夢』しか出てこず、彼自身の願いや将来の夢については言及されませんでした。

ここまで、ユキコの後ばかりを追って来た印象のある森生。

ユキコの就職活動を描く展開の中で、森生自身も将来について考える必要に迫られるのかもしれません。

2人の歩く未来に何が待ち受けているのか…願わくば、2人が同じ方向を向いて寄り添っていてほしいものですが。

次回、ユキコの幼馴染であり初恋の人・緋山(小関裕太)の登場で、波乱の幕開けになりそうな予感がします。

恋です!〜ヤンキー君と白杖ガール〜/日本テレビ系で毎週水曜・夜10時~放送


[文・構成/grape編集部]

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