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【妻、小学生になる。第7話 感想】大切な人を幸せにするきっかけを見逃さないこと・ネタバレあり

By - grape編集部  公開:  更新:

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Twitterで人気ドラマの感想をつづり注目を集める、まっち棒(@ma_dr__817125)さんのドラマコラム。

2022年1月スタートのテレビドラマ『妻、小学生になる。』(TBS系)の見どころや考察を連載していきます。

人間は生涯の中で沢山の大切なものに出会い、そして失っていく。その絶望に生きる私たちが、大切な人のために今できることは、何なのだろうか。

母親に会うのを拒む貴恵 その理由は…

圭介(堤真一)は、守屋(森田望智)から告白されたところを妻・貴恵(石田ゆり子)の生まれ変わりである万理華(毎田暖乃)に目撃され、行きつけのカフェで落ち込んでいた。

すると、想い人の蓮司(杉野遥亮)に留学中の彼女がいると知り、落ち込む娘の麻衣(蒔田彩珠)と友利(神木隆之介)に偶然でくわす。

そんな圭介と麻衣に、友利は一緒に実家に帰ってほしいと頼む。夫の入院で一人になってしまった母・礼子(由紀さおり)の面倒を見るためだ。

圭介はそのことを貴恵にも伝えるが、母親に会いに行くのを拒んでしまう。

そんな中、会話を聞いていた千嘉は、貴恵を夜のお供に誘い、自分の母親との過去を打ち明ける。

こんな親にはならないと誓って生きてきたが、結局同じ姿になってしまった自分を悔いていた。貴恵は、そんな千嘉に優しく声をかける。

「わかるよ、これまで千嘉さんが頑張ってきたこと」

千嘉に必要だった、頼れる誰か。貴恵も千嘉も、お互いが大切な存在になったのだ。

「悩むのは、会いたいからでしょ」

長すぎる10年という『別れ』

圭介、麻衣、友利は、万理華を親戚の子ということにして4人で実家に向かった。

出迎えてくれた従姉妹・萌子が話す貴恵との思い出は全て『過去形』。自分の心は今確かにここにあるはずなのに、自分はもうこの世界にはいない存在。

仏壇の前で「本当に私死んじゃったのね」とつぶやいた貴恵を思い出す。

暫くするとデイサービスから礼子が帰ってくる。現れたのはあの頃とは別人のような母親の姿。礼子は認知症を患っていた。

自分の死後の家族の現実。加えて、母親は自分のお葬式にも来なかったことを今初めて知ったのである。10年は、あまりにも長い別れなのだ。

友利が抱えていた葛藤 姉と弟の10年ぶりのケンカは…

それは友利も同じだった。

貴恵が亡くなってからというもの、一人息子の友利は圧をかけられ続けたのだろう。今日も、夢を追いかけ定職につかないことを責められる友利。

「スマホでググる」とか「ババア!」なんていうコミカルな台詞や、神木さんのお芝居あって、重くならずに済んでいるのだろうが、この独特な親戚の雰囲気は正直鬱陶しくもある。

「俺の味方なんて、この世に誰一人いないんだから!」

友利は小学生のごとく家を飛び出していく。

しかし貴恵には全てお見通し。秘密基地には背中を丸めた友利がいた。

貴恵はまた友利に優しく声をかけると思ったのだが、始まる姉弟喧嘩。しかし、友利の中で確かに、目の前にいる小学生と、大好きな姉の記憶が重なっていくのだ。

鼻を握られ叱られたあの日のことを、そして勝手にいなくなったあの日のことを…。

「生きてる価値なんてない」

そんな友利を貴恵はこう叱る。

「死んじゃった私よりずっとマシよ!」

涙を堪えるように友利が伝える。

「なに勝手にいなくなってんだよ」

「いなくなりたくなかったわよ…」
「なんなんだよ……姉ちゃんじゃん」

10年間、抜け殻だったのは友利も同じだった。貴恵は、友利にとって太陽で、そして生きる価値だったのだ。独りを感じたこの場所で、安心して涙を流せる大切な相手、それは貴恵だけなのだ。

漫画家の夢と実家の世話…逃げ続けた現実に一歩踏み出すと決めた友利は、笑顔だ。

あれほど暗かった実家が一気に明るくなる。貴恵が持っていたものは、確かに友利の中にもあるのだ。

万理華として、そして貴恵としての「ごめんなさい」

別れ際、万理華は萌子の息子とボール遊びをしていた。そしてそのボールはいたずらにも、万理華を礼子のもとへ導くのだった。

「ごめんなさい」

きっと万理華として、ボールを拾わせてしまったこと。

そんな万理華の目を見つめ、礼子は穏やかに呟く。

「元気が一番」

「ごめんね」と、手を握る。この「ごめんね」はきっと貴恵として、娘として。

「ごめんなさい…本当にごめんね、『お母さん…』」

色々な思いが溢れる。先に死んでしまってごめん、一人にしてごめん。涙を流す万理華に、礼子は頭を撫でながら穏やかな顔で言う。

「よくきたね、遠い所から」

遠い所から会いにきてくれた親戚の万理華への言葉なのか、もう二度と会えない場所から来た『貴恵』への言葉なのか…それは誰にもわからない。

でもそれで良い。二人の涙が、笑顔が、その答えだから。

『妻、小学生になる。』第7話から伝わるメッセージ

麻衣と蓮司の恋も動く。誰かを好きになること、それはとてつもないパワーが生まれるもの、それは奇跡…貴恵に背中を押された麻衣は、蓮司の元へ走り出す。

麻衣と無事会えた蓮司は大切な存在について語る。

実は、初恋相手の幼なじみが、海の事故で亡くなり遺体も見つからないままだという。

だがそんな大切な存在に、「そばにいたい人を見つけた」と伝えに海に来たのだ。麻衣と蓮司は、無事、想いを伝え合った。

突然、大切な存在を失う辛さ。失ってからその大切さに気づくこともある。でもその前に、想いを伝えたい相手が、そばにいるのなら今この時伝えたい。

それは間違っても良い、失敗してもいい。貴恵も、友利も、麻衣も、蓮司も皆、遠回りしながら『思いを伝える』という答えに辿り着いたのだ。まだ何も始まってないのに、諦める必要はないのである。

今この瞬間を、たった一度の奇跡で終わらせない。続く未来の、もっともっと新しい幸せのために、一歩踏み出す力…。

『妻、小学生になる。』の第7話から感じたのは『大切な人を幸せにするきっかけを見逃さないこと』というメッセージ。

これはこの物語が私たちに伝えてくれるテーマなのではないだろうか。

最終回を目前に、物語が大きく動く

圭介と麻衣、万理華と千嘉も加え4人で新年を迎える。皆が幸せを感じながらその時を待っていた。

しかし新年が明けた瞬間、万理華は、突然意識を失った。すぐ、目を覚ましたものの、最初の一言目は衝撃的なものだった。

「ママ?」

母を見つめる目も、知らない人間を見つめる目も、貴恵ではない。確かにそこにいるのは『白石万理華』だった。

次回はついに、貴恵が生まれ変わった理由がついに明かされる。貴恵はどこへ行ってしまったのか。万理華の記憶は…。物語のはじまりに迫る、重要な回に注目だ。

妻、小学生になる。/TBS系で毎週金曜・夜10時~放送

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[文・構成/grape編集部]

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