【『正直不動産』第5話感想・考察】山下智久演じる永瀬の魅力を徹底解説!安心感の理由はこれだった
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- 出典
- 正直不動産
ドラマ好きなイラストレーター、ゆう。(@yamapyou)さんによるドラマコラム。
2022年4月スタートのテレビドラマ『正直不動産』(NHK)の見どころや考察を連載していきます。
2022年5月3日、山下智久が主演を務めるNHKドラマ『正直不動産』の第5話が放送された。
ライバル会社であるミネルヴァ不動産との全面対決に、スパイの正体発覚と、これまでと違って少し不穏な空気の漂う『正直不動産』。しかし、見ている間も不思議と安心感があるのはなぜだろう。
怪しい、危ない、そんな状況下でも絶対的な安心をくれる理由は、紛れもなく主人公・永瀬にあった。5話で見えてきた山下智久演じる永瀬の魅力を紐解く。
安心をくれる永瀬の魅力
ピンチの時、すぐに自分より前に出てきてくれる上司がいたら、きっと心強い。
場合によっては、自分だけでは対処できない時もあるだろう。永瀬はきっと、そんな時にすぐさま最前線へと出てきてくれるタイプだ。
開始早々、受付嬢から店の前に不審な人物がいるとの報告を受けた永瀬。
すぐさま「私が対応しましょう」と店前で怪しい行動を取る男性に声をかける。
ナチュラルなトーンで「物件をお探しですか?」と切り出し、客ではないことを察すると、単刀直入に社員が怖がっていることを伝える。
堂々とし、冷静に対処する様子はまさにスマートそのもの。
もし何かあってもこの人なら守ってくれそう、彼のたたずまいはそんな安心感をくれた。
後方から見ていた受付嬢もきっとホッとしたに違いない。
不審な男は、月下を訪ねてきたということで店内へ通し、部下である月下咲良(福原遥)と対面。
ここでも永瀬はしっかりと部下を守る。
「咲良」と言いながら近寄ろうとする男との間にすぐさま入り「近づかないでください」と一喝。そして続けて「後輩が嫌がっています。警察呼びます」と徹底防衛。
これまたイケメンすぎる対応。
月下の動揺に気付く察しの良さと、即座に部下を守る姿勢は尊敬に値する。
不安がる社員を守る真摯な対応に、心を掴まれた視聴者も多いのではないだろうか。
これは経験を積んでいるからこそ見せる冷静さ、それに加え、山下智久が持つ、クールで淡白な印象が掛け合わされ生まれているものだと思う。
頼れる男性の象徴だと言える永瀬。この何があっても動じない態度と守ってくれる姿勢が、ドラマ全体に絶対的な安心感を与えてくれていたのである。
月下が父親についた「優しい嘘」
第4話では、月下がメインのストーリーとなっており、彼女の優しさ溢れる数々の場面も今作の見どころとなった。
悪徳不動産に無謀なローンを組まされ、両親が離婚した過去を持つ月下。不審な男の正体は当時、家族を置いて蒸発した父親だった。
最初は動揺するも、月下は父親を問い詰めることもなく、「自分もずっと会いたかった」と胸の内を伝える。
その後、数年来のわだかまりも解け、月下は父親のため、物件を探すことに。
父親の「3LDKで広いキッチンがいい」という要望を聞いて、彼女はどこか嬉しそうな表情を見せていた。
いつにも増して懸命になっていたのは、また家族3人で過ごせるのではという淡い期待があったからなのかもしれない。
月下の紹介を待っている間、ミネルヴァ不動産から強引な営業を掛けられた父親はまんまと契約させられそうになる。
しかし、そこは築5年でリノベーションされているという疑わしいタワーマンションだった。
永瀬と月下の介入のおかげで、第三者によるホームインスペクション(建物状況調査)を受けることになったが、永瀬の読み通り、欠陥住宅だということが発覚する。
改めて月下が家を探そうとするも、何か言いたそうな素振りを見せる父親。それは自身の再婚についてだった。
新しい家族と住む家を娘に探させることに申し訳なさを感じていたのである。
なかなか言い出せない彼に代わって永瀬がそのことを伝えると、淡い期待を抱いていただけに月下は動揺を隠せない様子。
しかし、父親に私たちのことは気にせず幸せになってほしいという想いから目を潤ませながらも「(再婚のこと)知ってたよ」と告げた。
これが月下がついた『優しい嘘』である。
「正直」と向き合うはずのドラマが、時には相手を傷つけないための優しい嘘も必要なのだと教えてくれた瞬間だった。
月下の優しい嘘に気付いた永瀬は声を掛けるも、強がる彼女を優しい目で見つめている。
部下と上司の関係にすぎないが、確実に二人の間に強固な信頼関係が築かれていることを噛み締めるラストとなった。
信頼でき、頼れる上司がいれば、部下もきっとたくましく成長するだろう。
スパイの正体も明らかになり、ドラマに不穏な空気が立ち込める。
しかし、私たちには永瀬がついている。まだ見ぬ次回も、どんな展開になろうと永瀬がいればきっと大丈夫。
そんな約束をしてくれたような第5話に思えた。
[文・構成/grape編集部]