『ご自愛ください』とは？正しい使い方と意味を解説

大人になると『ご自愛ください』という言葉を聞く機会が増えますよね。体調を気遣ってくれている言葉だとなんとなく理解しているものの、実は正しい意味を知らない人も多いのではないかと思います。

『ご自愛ください』は意味を理解していると、ビジネスから日常生活に幅広く使えて非常に便利な言葉です。本記事では使い方、注意点、返事の方法までご紹介していきます。ぜひ、参考にしてみてください。

『ご自愛ください』の意味

『ご自愛ください』とは「心も身体も健康に過ごせるように、自分自身を大切にしてください」という意味です。尊敬語の「ご○○ください」と「自愛」を組み合わせた表現になります。

『ご自愛ください』は、送る相手の心と身体の健康を願うもので、目上の人から友人まで幅広く使えます。季節を問わない言葉なので、ワンパターンになりがちなメールや手紙の結びにも安心して使えますね。

『ご自愛ください』の使い方

『ご自愛ください』の意味を解説したところで、実際の使い方を例文と共に説明していきます。

ビジネスシーン

目上の人や取引先へ送るメールに『ご自愛ください』と使う場合を見ていきましょう。季節の変わり目や繁忙期など、相手の健康を気遣う時に『ご自愛ください』を使います。

『ご自愛ください』を受け取った相手も自分のことを気にかけてくれているのだと分かって嬉しいものです。好感度が上がり、印象に残る可能性があります。

暑中見舞い、寒中見舞い

暑中見舞いは７月初旬から８月上旬に、寒中見舞いはお正月明けから２月初旬の立春に、相手の体調を気遣い送る便りです。気温と体調の変化を気遣う文章に『ご自愛ください』を添えて使います。

年賀状

年賀状は年に一回の大切な挨拶。年末が忙しくなる相手の体調を気遣ったり、新年の健康を願ったりするのに『ご自愛ください』を使ってみましょう。

『ご自愛ください』の注意点

『ご自愛ください』は、目上の人や友人などの体調を気遣う場面でさりげなく使える言葉です。相手にも自分が気にかけている印象が伝わりやすく、おすすめ。しかし注意点もあるのでしっかりと押さえておきましょう。

体調が悪い人には使わない

『ご自愛ください』は相手の体調を気遣う言葉のため、体調が悪くなってしまった人には使いません。すでに体調が悪くなってしまった人には「お大事になさってください」や「養生なさってください」を使うとよいでしょう。

二重表現ならないように気を付ける

『自愛』は「お身体を大事にしてください」という意味も含んでいるため、『お身体、ご自愛ください』のように使ってしまうと、「頭痛が痛い」のように二重表現となるので気を付けましょう。

漢字の間違えに注意

『ご自愛ください』と同じ読み方で『ご慈愛ください』という言葉があります。読みが同じで一文字違いのため、間違いに気を付けましょう。慈愛は親が子どもを慈しみ、かわいがるような、深い愛情を意味します。

『ご慈愛ください』は「深い愛情をください」を意味するので、パソコンで入力する際は変換に気を付けたいですね。

『ご自愛ください』の言い換え表現

注意点で説明したように、すでに体調を崩している人に言葉をかける場合や、もう少し表現を柔らかくしたい場合などには言い換え表現を使ってみましょう。

『ご自愛ください』にプラスして言い換え表現を覚えると、言葉のバリエーションが増えて相手を気遣う文章がスムースに作れます。

お身体にお気を付けください

『お身体にお気を付けください』は『ご自愛ください』とほとんど同じ意味の言葉です。『お身体にお気を付けください』と相手の健康を願う意味になります。

『ご自愛ください』と同じで、体調をすでに崩している人には使えないので注意しましょう。

目上の人にも使える言葉ですが、「どうぞ」などを添えて使うと丁寧な表現になり好印象です。

お労りください

『お労りください』は身体を労ることを願う言葉です。「休息に専念して身体を労ってほしい」というメッセージで、『ご自愛ください』よりもさらに相手の健康を気遣えます。目上の人や同僚が体調不良の時、退職する上司への労いにも使えますよ。

ご健康を心よりお祈り申し上げます

『ご健康を心よりお祈り申し上げます』は相手の健康を願う言葉です。『ご自愛ください』より相手に直接気持ちが伝わります。

少しかたい印象になるので、同僚や友人には『お身体にお気を付けください』や『ご自愛ください』と表現した方が和らいだ印象になりおすすめです。

目上の人や、取引先とのやり取り、メールの結びに使用する場面が多い言葉です。

お大事になさってください

『お大事になさってください』は相手の健康状態を心配する言葉です。聞き馴染みのある言葉ですね。早く治ってほしいというメッセージなので、症状が軽めの時に使われる言葉です。

ほかの言い換え表現より身近で使いやすい言葉ですが、少しカジュアルな印象になります。目上の人や取引先にはどうぞや何卒、と組み合わせて使うのがおすすめです。

言葉を送る相手が重症の場合は、『お労りください』を使う方がよいでしょう。

お身体をおいといください

『お身体をおいといください』は『ご自愛ください』と同じ意味ですが、あまり聞き馴染みのない言葉ですね。

いとうは大事にするや、かばうを意味し、『ご自愛ください』と同じように使えます。漢字で『厭う』と書きますが、ひらがなで表記するのが一般的です。

『ご自愛ください』を正しく理解して使おう

『ご自愛ください』について説明しました。相手を気遣いたい時や、季節の挨拶や結びの言葉のバリエーションを増やしたい時に、活用していきたい言葉ですね。

自分が『ご自愛ください』のメッセージを受け取った場合は、下記のように感謝の気持ちに加え『ご自愛ください』以外の表現で相手を気遣うメッセージを送りましょう。

相手への気遣いの気持ちが伝わる『ご自愛ください』は、日本語らしい素適な言葉です。正しく意味を理解し、生活の一部としてぜひ言葉のレパートリーに加えてみてください。

---

[文・構成／grape編集部]