比嘉愛未「私にとって『ハッピーなハプニング』」 デビュー20年目の現在地を語る【インタビュー】
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撮影:grape編集部

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2025年12月26日から動画配信サービス『FOD』と『Prime Video』で配信がスタートした、俳優の橋本愛さんと瀬戸康史さんがW主演を務める、配信ドラマ『にこたま』。
原作は、漫画家の渡辺ペコさんによる同名漫画で、恋愛や結婚、家族にまつわる『当たり前』を揺さぶりながら、『正解のない愛』と向き合うラブストーリーとして話題を集めています。
橋本さんが演じる浅尾温子と、瀬戸さんが演じる岩城晃平は、大学時代に出会い、長年同棲しているカップル。
仲もよく、順調な交際を続けていた2人でしたが、ある日、晃平が同僚である高野ゆう子と、一夜限りの関係を持ってしまい、3人の運命は大きく揺れ動くことになります…。
(C)渡辺ペコ/講談社/フジテレビ
順調にキャリアを積み重ねていた中、人生の転機を迎えることになった、高野を演じるのは、俳優の比嘉愛未さんです。
grapeは、比嘉さんにインタビューを実施し、高野を演じるうえで大切にしたことや、同年に印象に残った出来事について語ってもらいました。
比嘉愛未さんにインタビュー 「勇気が欲しい時に読みたくなる漫画」
――原作を読んでみた感想を教えてください。
登場人物たちが抱える葛藤が繊細なタッチで描かれていたので、すごく共感できましたね。
渡辺先生が描く世界観のファンになって、一気読みしちゃいました!
読者に寄り添う、とっても優しい作品だと思います。
撮影:grape編集部
一夜の浮気が起こる展開からすると、温子、晃平、高野の3人は、泥沼の関係に陥っていくことが予想できます。
そのイメージは『優しさ』とは、真逆のようにも思われますが、比嘉さんは「本当は全然違う」と『にこたま』の魅力を熱弁してくれました。
もちろん、「ドロドロしていない」とは言い切れないんですけど、作品を通して「生きていると、どうしようもないこともある」というメッセージが伝わってきます。
登場人物の一人ひとりが「どう解決していくのか」「何を選択をすべきか」を考え、行動する姿が丁寧に描かれているので、自分事のように思えてくるんですよね。
作中で温子、晃平、高野の3人は、時には悩み、傷つくこともありますが、少しずつ前を向いて、自分の生き方を考えるようになります。
比嘉さんは、そんな登場人物たちの姿に心を動かされたのだとか。
大人になって、固定観念が強くなればなるほど、「生きづらい」と感じることが増えてくると思うんです。
『にこたま』の登場人物は、自分の立場や感情と向き合いながら、少しずつ成長していきます。
「みんなが一生懸命に生きている」という当たり前のことをポジティブに描いているので、元気をもらえるんですよ。
悩んだり、勇気が欲しかったりする時に読みたいな…私にとってはそんな作品です。
比嘉愛未、瀬戸康史の演技を「実にチャーミング」
――比嘉さんが考える、高野というキャラクターの魅力について教えてもらえますか。
やっぱり自立していて、かっこいいところですかね。
高野は、晃平に恋人(温子)がいるのを分かっているので、彼を責めるようなことはしないんですよ。
基本的に他人を頼ることはなく、責任をもって物事に対処しようとするため、台本を読んでいて素敵だと思いました。
撮影:grape編集部
劇中の高野は、仕事ができる人間として、社内から一目置かれる存在です。
一方で、周囲の人間から近寄りがたい印象を持たれており、比嘉さんはそんな一面に共感できるのだとか。
高野は、ナイーブさを補うようにしてクールになったり、人との距離感を保ったりするので、本心が見えづらい時があります。
結果、無意識に周囲と壁を作ってしまう。
私が高野の友人なら、もうちょっと柔軟性をもって生きたらいいのにって、彼女にアドバイスすると思います…(笑)。
第1話で、高野は晃平に妊娠したことを告げますが、あくまで「あなたには関係ない」というスタンスを貫き、自分1人だけで対処しようとする姿勢を見せていました。
晃平に負担を掛けまいと、すべてを自分だけで抱え込もうとして、弱音を吐けないまま孤独になる姿が印象的です。
撮影:grape編集部
責任感が強く、周囲の人間を頼ることができない高野ですが、晃平はそんな彼女の様子を常に気にかけていました。
「甘えられず、生きづらくなったところで唯一、心をほぐしてくれたのが晃平だったのかな 」と、比嘉さんは考察します。
ぶっちゃけ晃平は、相当数の女性を敵に回すようなことをする役柄ではあると思うんです(笑)。 でも、どこか憎めなくて、心を許しちゃう存在。
瀬戸くんは、晃平をただのクズ男としてではなく、実にチャーミングに演じてくれました。
私の解釈ですけど、高野は晃平のことが好きなんだと思います。
決してその場の勢いで流されたわけではなく、納得した上であの一夜の出来事を受け止めたと私は思います。