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「ずっと、言いたかった」独身で生涯をとじた、ある男性の物語が心を揺さぶる

By - grape編集部  公開:  更新:

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たった1日だけ、過去に戻れる日があるとしたら――。

そう聞かれた時、あなたならどの1日を選ぶでしょうか。

これは、愛を貫いた男性の、はかなくも不思議な1日を描いた物語です。

夢か、現実か

不思議な森の中を歩く男性、守(まもる)。彼は、歩くたびに、身体が軽くなっていく自分に気付きます。

俺は、死んだのか?

自分の死を感じながらも、地を踏みしめながら現実と夢の狭間でさまよい続ける守。ただひたすら、目の前に続く道を辿っていくと…。

いらっしゃい。若返りましたね。

目の前に立っていたのは、1人の老人。彼は、あの世との境界を守る住人だったのです。

「あなたは老衰によって87歳で死んだ」と、老人から告げられた守。そして、彼は守に不思議なことをたずねます。

過去で1日戻れる日があるなら、行きますか?朝から、日が沈むまで。

『その1日』のことを頭に思い浮かべる守。ふと気が付くと、彼は生まれ故郷である南島原の地に立っていました。

すると後ろから、忘れもしない『あの足音』が、聞こえてきたのです――。

2つの想いが、時を超えて動き出す

守が戻ってきた『過去』は、生涯想い続けた最愛の女性・結衣(ゆい)と過ごした1日。若くして死に別れた結衣と再会するのは、50年ぶりでした。

泣いてもありえないから。遅れるなら連絡してよね!

この時はまだ、自分の運命を知らない結衣。気が強くて美しい、あのころのまま変わらない彼女が、目の前にいる…。思わず守は涙ぐみます。

一緒にイルカの群れを見た漁船、卒業した小学校、守の実家である酒蔵…。2人は、お互いにとって大切な故郷、南島原の地をめぐります。

しかし、刻一刻と近づいてくる、日の入りの時間。一緒にいられる時間は後わずかです。

ずっと、本当に長かった。ずっと、いいたかった。

これまで『ある後悔』を抱えてきた守。50年の時を超えて、最期に彼が結衣へ伝えたこととは…。

南島原市の人々と作り上げた、壮大なストーリー

こちらの映像は、長崎県の南島原市が観光誘致のために制作したもの。

死者を弔うために行われる、長崎県の伝統行事『精霊流し』をテーマに、幻想的な世界観を作りあげています。

映像に出てくる酒蔵のご主人や柴犬をはじめ、エキストラはみな、地元の人たち。

ちなみに、主人公の守は、若い時に死に別れた恋人を想い続け、独身のまま生涯をとじたという、この地に実在した男性がモデルになっているそうです。

南島原の美しい景色と、あたたかい地元の人たちの協力があったからこそ完成できた、壮大な感動作。

死後、もう一度大切な人に会える不思議な1日…あなたなら、誰に会いにいくでしょうか。


[文・構成/grape編集部]

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