これがリアル教場? 警察学校で「忘れ物」をした新入生、放った一言に爆笑!
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最近、歌手で俳優の木村拓哉さん主演の映画『教場』の影響もあり、「警察学校ってどんなところなの?」と興味を持つ人が増えているようです。
元警察官である筆者もかつて、警察学校で生活を送りました。テレビで描かれる世界と重なる部分もあれば、意外と知られていない実情もあります。
今回は、警察学校の生活と、そこで起きたちょっとした笑える出来事を紹介します。
警察学校はどんなところなのか
警察学校は、警察官になるための職業訓練校です。学びながら給料をもらう形で、警察官として必要な知識や技能を身につけていきます。
期間は、高校卒業で採用された人は約10か月、大学卒業で採用された人は約6か月が一般的です。
生活は基本的に全寮制で、同期と寝食をともにしながら訓練を受けます。
授業では、刑法や刑事訴訟法などの法律を学ぶほか、刑事部門や生活安全部門など実際の警察業務についての知識も身につけます。
さらに、剣道や柔道といった武道、逮捕術の訓練、部隊行動の基礎となる『点検』なども行います。
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生活の規律はかなり厳格です。寮の外に出る際は必ず隊列を組んで行動し、布団の畳み方や教科書の並べ方、物の置き方まで細かく決められています。ルールを守れなければ反省文を書くことも…。
ただし、その厳しさは理不尽なものではありません。自分や仲間、そして市民の命を守る警察官になるために必要な訓練でもあります。
入校式の前にある『集中指導期間』
あくまで筆者の入校当時の話ですが、実は警察学校では、入寮してすぐ入校式が行われるわけではありません。
入寮後、約2週間の『集中指導期間』という期間が設けられています。
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この期間は、先に入校している先輩警察官が新入生につき、学校のルールや警察官としての心構えを徹底的に教えます。
指導する側には「甘えさせないこと」「笑顔を見せないこと」といった指示が出されることもあり、真剣な空気の中で指導が続きます。
ただ、最後には少し印象的な場面があります。入校式の前夜、これまで厳しく指導してきた先輩たちが新入生に寄り添い、「よく耐えた」と声をかけるのです。
そこで初めて指導する側とされる側が互いに気持ちを打ち明け、涙を流す人も少なくありません。
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笑ってはいけない指導中に起きた出来事
ただ、不思議なもので、そんな笑ってはいけない厳しい期間中だからこそ、奇跡的な笑いが生まれることも。
筆者が警察学校にいた頃、新入生の指導を担当する立場になったことがあります。
警察官には、常に持ち歩くべき必需品があり、通称『5点セット』と呼ばれています。
ボールペン、手帳、ハンカチ、時計、そして、株式会社モリヤマの『ポン・ペタ』という印鑑を手軽に押印できる製品。
現場でメモを取ったり、時間を確認したり、書類に押印したりと、どれも仕事をする上で欠かせないものです。
そこで、ある日少しいじわるな訓練として、寮でくつろいでいる新入生に緊急招集をかけ、5点セットを持っているか確認することにしました。
案の定、何かを忘れている新入生が何人かいます。
「ボールペンを忘れたら、現場でメモはどうするんだ」
「時計がなければ、時間の管理はどうする」
そう叱りながら確認を進めていると、1人の新入生が『ポン・ペタ』を忘れていました。
「お前は何を忘れたんだ」
そう問い詰めると、その新入生は真っ直ぐな目でこう言ったのです。
「ぺ、ぺ…ペケポンです!!」
『ペケポン』は以前、フジテレビで放送されていたクイズ系バラエティ番組です。
まさかの天然ボケというボディーブローに「ハァァ〜」と口を開け、必死に笑いを堪えた筆者。
その後、「名前が違うだろ」と言うと、彼はさらに真剣な顔で言い直しました。
「すみません!そうか、ポンペンです!」
またしても間違える新入生。絶対に笑ってはいけない場面のため、筆者は慌てて後ろを向き、背中で「ポン・ペタを忘れるとかあり得ないだろう」と叱りましたが、肩が揺れていたのは自分でも分かっていました。
数か月後に知った「バレていた事実」
それから月日が経ち、筆者が警察学校を卒業する際、指導していた学級から寄せ書きをもらいました。
その中に、『ポン・ペタ』を間違えた新入生から、こんなメッセージが…。
「あの時、笑ってないふりをしていましたけど、笑っていたのバレていました」
厳しい訓練の中だからこそ、クスッと笑える小さな出来事は忘れられません。
警察学校は確かに厳しい場所です。しかし、同時に人と人との関わりの中で、笑ったり涙を流したりしながら、成長していく場所でもあるのだと、今でも思っています。
[文・構成/りょうせい]