「全部外せと言われたので…」 警察学校の新入生がとった「行動」に思わずツッコミ
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真冬に上着を忘れた警察官 震えながらの説得に違反者が放った一言筆者が交番勤務をしていた頃、同い年で公私ともに仲のよい相棒がいました。警察官を辞めた今でも交流は続いています。 彼をひと言で表すなら『天然』。 早朝の事故対応に向かう車内で、昇る太陽を見ながら「昨日は満月だったんだね…」...






近年、ドラマ『教場』などの影響で、警察学校に関心を持つ人も増えたのではないでしょうか。
厳しい訓練や規律のある生活をイメージする人も多いかもしれません。実際の警察学校も、規律や指導が非常に厳しい場所です。
筆者は警察官時代、警察学校で新入生の指導を担当したことがありました。
今回は、その指導期間中に起きた『今でも忘れられない出来事』を紹介します。
警察学校の概要と指導期間
警察学校は、高卒の場合は約10か月、大卒の場合は約6か月の教育期間があり、全寮制で生活します。
刑法や刑事訴訟法などの法律を学ぶほか、武道や逮捕術などの訓練も行います。
また、入校式の前には『指導期間』と呼ばれる期間があり、上級生が新入生に学校生活のルールや規律をレクチャー。新入生にとっては、特に緊張感の高い時期です。
詳しい内容については、こちらの記事をご確認ください。
制服をクリーニングに出すルールを指導
ある日、筆者は新入生たちに、制服をクリーニングに出す際の手順を教えていました。
帳簿の書き方や、出す物のまとめ方など、細かなルールがあります。
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その中で、筆者はこう説明しました。
「クリーニングに出す時は、制服のボタンを外してから出すように」
これは、クリーニング店の作業を少しでも減らすためです。
顔面蒼白の新入生がまさかの解釈
新入生たちに説明した後、「数分後に回収する」と伝え、教場の後ろで待っていました。
すると、1人の新入生がソワソワと落ち着かない様子を見せ始めたかと思うと、席を立ち、こちらへ歩いてきます。
顔は青ざめ、どこか様子がおかしいのです。
体調でも悪いのかと思い、「どうした?」と声をかけると、新入生は小さな声で言いました。
「クリーニングに出す時は、ボタンを全部外せと言われたので…」
ここまでは、まったく身構えてませんでした。制服の不備か何かしら軽いトラブルなのだろうとくらいしか思っていませんでした。
続けて新入生は、覚悟を決めた表情で真っ直ぐ筆者を見つめ、こう言い放ったのです…。
「制服のボタン、全部引きちぎりました…」
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話を聞くと、上着やワイシャツなど、ズボン以外のボタンをすべて力ずくで引きちぎったというのです。
思わず吹き出しそうになりましたが、この指導期間は笑うことも許されません。
筆者は血がにじむほど唇をかみしめ、机の下で自分の足をつねりながら、必死に耐えていました。
そして、口から出た言葉は、ほとんどツッコミのようなものです。
「クリーニング店の仕事を増やさないように外せと言ったのに、縫い直す仕事を増やしてどうする!」
新入生は遠い目をしながら、「そうですよね…」とつぶやきました。
教室のあちこちでは、ほかの指導生たちも必死に笑いをこらえ、身体のどこかをつねりながら耐えていました。
今でも忘れられない『ボタン事件』
この出来事を通して、筆者は「人に物事を伝える難しさ」を改めて感じました。
こちらが当然だと思っていることでも、相手には違う意味で伝わってしまうことがあり、丁寧に説明する大切さを学んだ出来事でもあります。
とはいえ、制服のボタンを力ずくで引きちぎるとは…。「さすがに想定外だったなぁ」と今でも時々思うのです。
[文・構成/りょうせい]