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京マチ子、逝く… 代表作は『羅生門』『雨月物語』

By - grape編集部  公開:  更新:

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京マチ子

2019年5月12日に亡くなった俳優の京マチ子(きょうまちこ)さん。ずば抜けた演技力と美しい容姿で、日本だけでなく海外の多くの人から支持されました。

そんな京マチ子さんの出演作や映画祭といった、さまざまな情報をご紹介します。

京マチ子の出演作

京マチ子さんは、1924(大正13)年に生まれました。同年は、当時皇太子だった昭和天皇がご結婚された年です。名前が似ている漫才師の京唄子さんは1927年生まれです。

1936年に京マチ子さんは大阪松竹少女歌劇団に入り、ダンサーとなりました。映画会社・大映に入ったのは第二次世界大戦後、1949年のことです。

京マチ子さんの代表作であり、出世作でもある映画『羅生門』は、1950年に発表されました。監督は世界に知られる黒澤明さんです。

同作は外国で高く評価され、1951年に『ヴェネチア国際映画祭』でグランプリ、さらに『アカデミー賞』では名誉賞を受賞。京マチ子さんの演技力も海外に知られることとなりました。

一気に人気俳優となった京マチ子さんは、1953年には立て続けに3作の映画に出演。『あに・いもうと』『地獄門』『雨月物語』の3作です。

『地獄門』は、『第7回カンヌ国際映画祭』グランプリ、『第28回米アカデミー賞』最優秀外国語映画賞と素晴らしい成績に輝きました。

京マチ子さんが同作で演じたのは袈裟役。源平合戦を舞台にし、大映が総力をかけて制作したカラー映画で、京マチ子さんの美しさが存分に生かされた作品となっています。

『雨月物語』は、映画界にその人ありと知られた名監督・溝口健二さんが手がけた作品です。京マチ子さんは主役の若狭を務めました。同作は『ヴェネチア国際映画祭』銀獅子賞の栄冠を勝ち取っています。

次々と輝かしい賞を得た作品に出演していた京マチ子さんは、『グランプリ俳優』と呼ばれるようになりました。

その後も映画での活躍は続き、小説『白い巨塔』『大地の子』などで知られる作家・山崎豊子さんの作品『女系家族』を映画化した同名作に出演。圧巻の演技力で遺産に固執する女を表現しています。

海外に知られるようになった京マチ子さんは、ハリウッド映画『八月十五日の茶屋』にキャスティングされました。同作では『第14回ゴールデングローブ主演女優賞』候補に選ばれています。美しい着物姿が評判になりました。

映画『八月十五夜の茶屋』に出演した京マチ子(写真左) 1956年

映画『八月十五夜の茶屋』に出演した京マチ子(写真左) 1956年

知られている作品への出演としては、映画『第18作 男はつらいよ 寅次郎純情詩集』への出演があります。マドンナ・柳生綾役として、純粋培養のお嬢様を演じています。

ドラマへも京マチ子さんは出演し、NHK大河ドラマでは『花の乱』や『元禄繚乱』といった大作に顔を出しています。

私生活では独身を貫いた京マチ子さんは、2006年、82歳となっても舞台『女たちの忠臣蔵』に出演。名優としての生きざまを見せています。

京マチ子とピーターの交流

ピーターの愛称で知られるタレントの池畑慎之介さんが、自身のブログに京マチ子さんとの交流を投稿して話題となりました。

池畑慎之介さんを京マチ子さんへ引き合わせたのは、TVプロデューサーとして知られる石井ふく子さんです。石井ふく子さんは、ドラマ『渡る世間は鬼ばかり』(TBS系)で知られる名プロデューサー。

池畑慎之介さんは京マチ子さんと出会ったことを自身のブログに次のように語っています。

な、な、な、な、
何と、
大好きな、京 マチ子さん
お隣に座れて、
映画のお話や、ゆっくり話せました~(o^-‘)b !
かなり興奮ました

池畑慎之介 オフィシャルブログ ーより引用

京マチ子映画祭とスタンプ発売

2019年2月23日から、京マチ子さんのデビュー70周年を記念して『京マチ子映画祭』が開催されることとなりました。

角川シネマ有楽町を始めとして、恵比寿ガーデンプレイスなどで京マチ子さんの名画が上映されています。

映画祭の開催を記念して、『京マチ子スタンプ』がLINEで販売されることに。『昭和の大女優京マチ子の京ことば風スタンプ』と題されたスタンプは、若い世代にも京マチ子さんが知られるきっかけとなるようです。

京マチ子亡くなる 残された人々の言葉

令和が始まってすぐの2019年5月12日、京マチ子さんは心不全で亡くなりました。享年95歳です。

偉大な名優の死を、多くの著名人が悼みました。俳優の藤田朋子さんは、自身のブログに次のように悲しみをつづっています。

『女たちの忠臣蔵』でご一緒しました。
京マチ子さん。
後ろ姿は、まるで女学生のようでした。
今日は楽屋に、お写真を持ってきました。
石井ふく子先生と日舞の発表をされた時。
頑張らなくちゃ。
私も。

藤田朋子オフィシャルブログ ーより引用

藤田朋子さんは、自身のインスタグラムに京マチ子さんが踊る写真を投稿しています。

また、京マチ子さんとは大河ドラマ『花の乱』で共演した俳優の三田佳子さんも、ブログで京マチ子さんの思い出を書いています。

初めて京さんとご一緒できた事がほんとうに嬉しかった・・・・。
以来、私の舞台の楽屋を訪ねてくださったり、細やかなお心づかいの差し入れを届けてくださったり。もちろん私も京さんの舞台を観にいきました。
これだけ多くの実績を積み重ねながら、いつも自然体で優しいお人柄の京さんが大好きでした。私の目標。
やんわりと関西弁が混じった、あの語り口がもう聞けないのは寂しいです・・・。ご冥福を心よりお祈りいたします。

三田佳子オフィシャルブログ ーより引用

京マチ子さんは、日本映画を海外に広めた功労者の一人として輝かしい功績を残しました。出演した作品は映画史に残り、京マチ子さんと日本映画の素晴らしさの証となることでしょう。京マチ子さんのご冥福をお祈りいたします。

京マチ子 プロフィール

本名:矢野元子(やのもとこ)
生年月日:1924年3月25日
出身地:大阪府大阪市港区八幡屋町
没年月日:2019年5月12日(享年95歳)

1924(大正13)年生まれ。1936年に大阪松竹少女歌劇団に入りダンサーとなった。第二次世界大戦後、1949年に映画会社・大映入社、翌年に発表された黒澤映画『羅生門』で海外にも知られる俳優となる。『地獄門』『雨月物語』と、立て続けに海外の映画賞に輝いた作品に出演したことから『グランプリ俳優』と呼ばれるようになった。1957年にはハリウッド映画『八月十五日の茶屋』に出演。1987年には紫綬褒章受章。生涯独身を通し、2019年5月12日に没。


[文・構成/grape編集部]

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出典
大映創立70周年記念特集上映「映画は大映」予告編第18作 男はつらいよ 寅次郎純情詩集 予告篇池畑慎之介 オフィシャルブログ藤田朋子オフィシャルブログchiendormant三田佳子オフィシャルブログ

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