『フライト』だけじゃない! デンゼル・ワシントン出演おすすめ映画
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そのブレぬ眼差しで観客の心を掴む、ハリウッド屈指の名優デンゼル・ワシントン。
息子のジョン・デイヴィッド・ワシントンが映画『TENET テネット』で主演を務め、その名を目にする機会も増えました。
そんな、高潔かつ熱い魂を映画の中、そして外でも炸裂させる俳優デンゼル・ワシントンのエピソードを振り返ります。
デンゼル・ワシントン おすすめ出演作品
2020年10月現在、65歳のデンゼル・ワシントン。後にいぶし銀の表情と、圧倒的な説得力で観客を釘付けにする名俳優は、キリスト教ペンテコステ派の牧師であった父と、ゴスペル歌手で美容師の母との間に生まれました。
23歳で入学したフォーダム大学で参加したサマーキャンプで、偶然演劇の舞台に立ったデンゼル・ワシントンは、演技のおもしろさに気付き、俳優の道を目指すことを決意します。
おすすめ出演作品①:転機となった作品『St. Elsewhere』
デンゼル・ワシントンが俳優デビューを果たしたのは、1977年公開のテレビ映画『ウィルマ』。陸上で金メダルを獲得した黒人女性の伝記映画で、デンゼル・ワシントンは主人公の恋人役を演じました。
その後、舞台俳優としてキャリアを積みながら、1982年に『St. Elsewhere』という医療ドラマにレギュラー出演したことで知名度をあげ、1981年公開のコメディ映画『ハロー、ダディ!』で劇場デビューを飾ります。
おすすめ出演作品②:デンゼル・ワシントンを有名にした映画『遠い夜明け』
彼の名を一躍有名にしたのが1987年公開の映画『遠い夜明け』。
アパルトヘイト政策下の南アフリカで、自由を叫ぶ黒人男性役を熱演して、1988年の『アカデミー賞』助演男優賞にノミネートされたのです。
この頃のデンゼル・ワシントンは、黒人の虐げられた歴史を扱う作品に多く出演しており、1989年公開の映画『グローリー』では、黒人奴隷制度の終焉をかけた南北戦争で、解放を掲げる北軍初の黒人部隊に所属する兵士を熱演。
念願の『アカデミー賞』助演男優賞を受賞します。
おすすめ出演作品③:キャリアの転換点となった映画『マルコムX』
キャリアの大きな転換点となったのが1992年公開の映画『マルコムX』です。
刑務所で猛勉強をして、アメリカ史に残る黒人解放運動の指導者となったマルコムXを演じ、1993年の『アカデミー賞』主演男優賞にノミネートされました。
そんなデンゼル・ワシントンは、この当時、映画の中で白人女性とのキスシーンを遠慮していたことをアメリカの雑誌『ニューズウィーク』のインタビューで明かしています。
これは共演した女優たちと不仲だったから…などではなく、彼のファンである黒人女性たちを傷つけないためだったそう。
それほどまでに、黒人にとっての精神的ヒーローとしてのイメージを担うようになっていたのです。
おすすめ出演作品④:英雄のイメージを印象付けた『タイタンズを忘れない』
2000年代に入る頃には、デンゼル・ワシントンは黒人差別問題という枠組みを超えた英雄像を広く演じるようになります。
2000年公開の映画『タイタンズを忘れない』では、黒人と白人が混ざったフットボールチームで、人種の垣根を超えて結束するのを導くコーチ役を熱く演じ、観客の涙を誘いました。
おすすめ出演作品⑤:ダコタ・ファニングと共演した『マイ・ボディガード』
2004年公開の映画『マイ・ボディガード』では、当時の天才子役、ダコタ・ファニングと共演。
やさぐれた元CIAの特殊工作員のボディガードが、無垢な9歳の白人少女を命がけで守る様を好演して話題を呼びました。
おすすめ出演作品⑥:イメージチェンジを果たした『トレーニングデイ』
高潔な役どころというパブリックイメージが強かったデンゼル・ワシントンですが、2001年には犯罪映画『トレーニングデイ』で、暴力やゆすりも辞さない極悪刑事を怪演。
見事、念願であり自身の目標であった名優シドニー・ポワチエに続く、黒人史上2人目の『アカデミー賞』主演男優賞を獲得しました。
おすすめ出演作品⑦:アクション映画への出演が目立つ2010年代の『ザ・ウォーカー』
2010年代になると、ポップで痛快なアクション映画に果敢にチャレンジするようになっていきます。
2010年公開の映画『ザ・ウォーカー』では、荒廃した近未来を舞台に、世界にひとつ残った書物を守り、旅を続ける盲目の戦士を演じました。
また、2013年公開の映画『2ガンズ』では、ひょんなことからギャングの大金を手にしてしまった麻薬取締局の捜査官を軽快に演じ、W主演のマーク・ウォールバーグと共に華麗なガンアクションを披露しました。
おすすめ出演作品⑧:新たなヒーロー像を作った『イコライザー』
キャリアで唯一続編を演じた2014年公開の映画『イコライザー』では、地域住民に寄り添い、彼らを虐げる悪党に無慈悲な鉄槌を下す元CIAエージェントのホームセンター店員を熱演。
自身の持つ圧倒的高潔さと、悪を許さぬ虚無の目で、アクション映画界に新たなヒーロー像を打ち立てました。
デンゼル・ワシントンと妻は、ハリウッドきってのおしどり夫婦
そんなデンゼル・ワシントンは、プライベートではキャリア初期の『ウィルマ』で共演した女優のポーレッタ・ピアソンと1983年に結婚。
2020年で結婚生活37年目を迎えますが、今でも変わらぬアツアツぶりを見せています。
2013年には不仲説の報道が出ましたが、これは離婚も別居もしていないまったくの誤報だったようで、現在も自身のインスタグラムで夫婦仲よく並んだ写真を投稿しています。
デンゼル・ワシントンの息子がブレイクの兆し!
デンゼル・ワシントンとポーレッタ・ピアソンには4人の子供がおり、長男のジョン・デイヴィッド・ワシントンは、映画『TENET テネット』で主演を演じるなど俳優としてブレイク。
若い時はアメフトの選手として活躍しており俳優は目指していなかったそうですが、アキレス腱のケガで選手を引退した後、母にだけ俳優を目指すことを打ち明け、彼女から毎日猛特訓を受けて見事俳優デビューを果たしました。
デビュー後にそのことを知ったデンゼル・ワシントンは大変驚いたそうです。
私生活でも高潔な正義を貫く、デンゼル・ワシントンの聖人エピソード
そんなデンゼル・ワシントンは、プライベートでも、多くのいい人エピソードの持ち主。
2017年にシカゴを訪れていた際、道に迷ってしまい道ゆく人に話しかけていたデンゼル・ワシントンは、近所に自身の大ファンという86歳のおばあさんがいることを聞かされました。
すると、デンゼル・ワシントンはなんとアポなしでおばあさんの家を訪問。扉を開けたら憧れのスターがいた彼女は仰天し、デンゼル・ワシントンは笑顔でツーショットを撮影していました。
また2020年には、ハリウッドの路上で取り乱しているホームレスの男性が、通報で駆けつけた警官と緊迫の口論をしているのを目撃したデンゼル・ワシントンが、仲裁するという出来事も。
最悪の事態も起こりかねないこの状況で、デンゼル・ワシントンは冷静に間に割って入り、男性、警察双方をなだめながら事態が鎮まるまで男性のそばを離れず話しかけ、彼にマスクをそっと差し出したそうです。
BLM運動で揺れる今、デンゼル・ワシントンの行いはまさに映画『イコライザー』そのものですね。
2020年に急逝してしまった、ブラックパンサー役で知られる、俳優チャドウィック・ボーズマン。
デンゼル・ワシントンは、彼が貧しい大学生だった頃に大学のサマープログラムの費用を全額支援したことがあったそうです。
チャドウィック・ボーズマンは、後に受け取った領収書にデンゼル・ワシントンの名前を見つけて、この名優の無言のエールに大変な感謝と勇気をもらったそうです。
映画、そしてリアルでも人々を勇気付ける稀代の名優デンゼル・ワシントン。その圧倒的存在感は、これからもスクリーンを彩っていくに違いありません。
[文・構成/grape編集部]