【考察】冬橋の返答が印象的 このドラマが繰り返して描いていたことは『リブート』第7話
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【再び】『あんぱん』に別の役で再登場! 「声に聞き覚えが」「どこかで見た」ダブルのぶ!?『あんぱん』脚本家がモデルの役を演じた少女、実は前にも出ていて…。

【ロス続出】過去の朝ドラで、ロスが続出したキャラクターといえば? 『あんぱん』『虎に翼』…SNSで話題になった『○○ロス』。朝ドラ短期間の出演でも忘れられないキャラクターを3人紹介します。
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SNSを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している、かな(@kanadorama)さん。
2026年1月スタートのテレビドラマ『リブート』(TBS系)の見どころを連載していきます。以下、ネタバレが含まれます。
かなさんがこれまでに書いたコラムは、こちらから読めます。
汚れ仕事をこなしながら、いつかこの状態から抜け出す、いつかみんなで幸せになれると、冬橋航(永瀬廉)は信じていたのだろう。
ドラマだから描写は極端だけれども、家族を守ると決めて、いつかいつかと思いながら必死に働いて、その『いつか』の前に、望む未来がずれて家族が壊れてしまう。
世間によくある話を思い起こさせて切ない。
そして、常に無表情だった冬橋が激情を露わに慟哭し、冷静な一香(戸田恵梨香)が後悔で涙ぐむ姿を見て、この長く複雑な嘘と愛憎のドラマが終わりに近づいていると痛感した。
第2章が始まったリブート7話
商店街の片隅で、小さな洋菓子店を営む善良な男・早瀬陸(松山ケンイチ・鈴木亮平)は、行方不明になっていた妻の遺体発見をきっかけに裏社会に深く関わって生きていくことになってしまう。
裏社会と通じている悪徳刑事・儀堂歩(鈴木亮平)に整形してなり替わり、妻殺しの冤罪を晴らして息子と母の元に帰ろうと必死に画策する早瀬だが、誰も信用できない状況のまま、ただ犠牲が増えていくのだった。
今回はなんといっても、冬橋とマチ(上野鈴華)の二人の悲しい顛末だろう。
大人の社会を嫌悪しながら、闇バイトを仕切る裏社会と子供を守るNPO法人の境目で生きるマチは、野生の猫のように誇り高く美しかった。
かつて冬橋はマチとの関係を「男女のそれか」と揶揄されたとき、「そんな安いもんじゃない」と嫌悪感をあらわにしていた。
実際に永瀬廉と上野鈴華の二人が醸し出す空気感は、恋でもなければ兄妹のようでもない、友人というにもやはり少し言葉が足りないような、安易な単語ではくくれないものだったと思う。
聡明なマチは、きっと合六(北村有起哉)の食事会に呼ばれて、幹部候補だと持ち上げられた時に、すぐに理解してしまったのだろう。
冬橋が自分や子供たちを守りぬくために、実際に何に耐え、苦しみ、飲み込んでいるのかを。
そして合六が自分を組織に引き入れようとするのは冬橋に対する人質なのだと。
冬橋の印象的な返答
冬橋とマチの二人の顛末で、最も印象に残ったのは一香を追うために乗りこんだ車の中で、早瀬がマチを死なせたことを詫びた言葉に対する冬橋の返答だった。
「人のせいにして生きてねえよ、マチは。あいつは自分で決めて、家族のためにここに来ただけだ」
間髪入れずに言い切った冬橋の言葉は、これまでの上っ面な丁寧語ではなくて、熱く荒々しかった。
不用意にマチに情報を与えた早瀬に八つ当たりして当然なのに、それらを全て切り捨てて、マチの想いと本質を真っ正面から射抜いた冬橋の言葉こそ、二人の深い絆を表しているように思う。
今作がスタートした時、人が整形して全く別人に成り代わるという設定は、AIが普及してディープフェイク画像が増えるであろう、これからの時代に呼応した設定だと思っていた。
しかし、このドラマが繰り返して描いたのは、人は外見を巧妙に変えたとしても、その本質は結局大きくは変化しないということだった。
お人好しで甘い部分を捨て、悪徳刑事としてふてぶてしく振る舞えるようになったとしても、早瀬陸はケーキを焼き、人に振るまって喜ばせることを自らの喜びとしている。
逮捕され、仲間を死なせて留置場で落胆するマチに、なすすべもないのに寄り添って話を聞く。
これがもし、精巧なフェイク動画や画像は一時的に大きな混乱や衝撃を引き起こすけれども、結局は長いスパンの行動や生活の中で人間の真の姿はおのずと浮き彫りになるという示唆だとすれば、とても興味深いことだと思う。
今回、一香が早瀬洋菓子店に通って手伝いをしているシーンがあった。
早瀬はそれを一香の脅迫だと解釈していたが、早瀬の『いつか』が『いつか家族の元に帰る』ならば、一香の『いつか』は『いつか全てが露見して破滅して終わる』だろう。
その『いつか』を目前に、拓海(矢崎滉)と時間を過ごすことは、彼女の心残りの一つだったのではないかと思えてならない。
そんな幸後一香の真実は、おそらく次回明らかになるだろう。
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[文/かな 構成/grape編集部]