【恋です!〜ヤンキー君と白杖ガール〜 第4話】失敗続きのアルバイトの果てに、生まれた一体感・ネタバレあり By - grape編集部 公開:2021-11-02 更新:2022-01-12 ドラマコラム奈緒恋です!〜ヤンキー君と白杖ガール〜杉咲花杉野遥亮生見愛瑠 Share Post LINE はてな コメント ※写真はイメージ ブログ『現実逃避は前向きに。』で注目ドラマの感想をつづる、malcoさんによる新連載。2021年秋ドラマの見どころを紹介していきます。 姉妹喧嘩の末、イズミ(奈緒)から認めてもらえたユキコ(杉咲花)と森生(杉野遥亮)。ユキコとイズミの関係は、以前よりも仲睦まじく感じられました。良い姉妹ですね。 2021年10月27日に放送された第4話では、働き始めた森生と対等でいたいと思ったユキコが、アルバイトを始めます。 森生に甘えないために「アルバイトで認められるまでは会わない」と宣言し、やる気満々のユキコ。しかし、いざ仕事を始めると失敗を連発してしまいます。 ユキコのアルバイトを通して、障がい者が健常者の中で働くのがいかに大変かを、痛感させられるストーリーとなりました。 障がい者が健常者の中で働くということ 最初に行ったスーパーマーケットの面接で「メリットがなければ雇えない」と断られたユキコ。 忙しい業務の中で、健常者と同じ働き方ができない障がい者にとって、雇うメリットを問われてしまうのは過酷です。 森生にとっては、ユキコと働けること自体がメリットになるようで、職場のスタッフがみんな森生だったらいいのにと思えてしまいます。 盲学校の先生からは「これがやりたい」というパワーが大切なのだと助言してもらい、ユキコは大好きな『BBバーガー』の面接へ。 店長の茶尾(古川雄大)は、即座に採用を決定。喜ぶユキコでしたが、周囲のスタッフはあからさまな迷惑顔。しかしスタッフたちの表情は、ユキコには見えません。 アルバイト初日。店内の様子がぼんやりとしか見えないユキコは、歩くこともままならず、厨房の隅で立っているしかできませんでした。忙しいスタッフたちは、ユキコを邪魔者扱いするばかり。 スタッフたちは皆、ユキコと一緒に働くことにメリットを感じていなかったのでしょう。 しかしユキコを採用した茶尾だけは、彼女に「新しい風」を期待していたのでした。 指導係になった紅林(吉住)のポテト作りの説明も、弱視のユキコには解りにくいものでした。 手本を見せながら「ボタンを押す」「スイッチを入れる」と説明するので、健常者であれば何の問題もなく伝わりますが、ユキコにはそのスイッチやボタンを見つけるのも困難です。 いかに私たちが、普段の生活で視力を頼りにしているのかに気付かされます。 ユキコがどのくらい見えないのか。それを知らなければ、ユキコがなぜ出来ないのか、どうすれば出来るのかが解らないのですね。知るということは本当に大切です。 どんなに嫌な思いをしても、店のマニュアルを持ち帰って拡大読書機を使って熟読したり、早く出勤して店の中の配置を覚えたり、ユキコは努力を惜しみません。 その姿を見た紅林は、一生懸命な彼女を応援したいと思うようになっていくのでした。 ユキコが生んだ一体感 一方、第3話のラストでハチ子(生見愛瑠)にキスをされた森生。 なんと、あの出来事をハプニングだと思っていたようです。ピュ…ピュアにもほどがある…! ハチ子の中の嫉妬心や憎悪など、想像もしていないのでしょう。どこまでも心が綺麗なヤンキーです。 そんな『ピュアヤンキー』こと森生は、ユキコと会えない期間にハチ子から正式に告白され、それ以降ハチ子のことが頭から離れず、「俺は浮気者なのか」と自責の念に駆られていました。 そんな時に偶然、森生は青野(細田佳央太)と出会います。 森生はユキコと行動を共にしてきただけあって、青野のことも当然のように誘導していました。 さすがです。誰とでも分け隔てなく接することができる、森生の能力にも感心させられます。 森生の恋愛相談を受けた青野は、「信号とポストの赤が違うように、好きにもいろんな種類があるのではないか」とアドバイス。 結局、森生はハチ子を妹のようにしか思えず、ハチ子は森生にフラれてしまうのでした。 そんなある日。BBバーガーのスタッフの一人が急遽休むことになり、ユキコがポテトを作る係になります。 このシーンは本当に緊張しました。 注文はどんどん入るのに、何もできず失敗を重ねるユキコ。とうとう紅林がポテトを作り始めて、何もできないまま終わるのかと思いましたが。 そこへ聞こえてきたのは、「フレー!フレー!」とユキコにエールを送る森生の声。 離れていても、会えなくても、応援してくれていると感じられる森生の存在が、この時のユキコには、どんなに有り難かったか。 森生に力をもらったユキコは、もう一度ポテト作りに挑戦します。油を使う作業ですから、見ているこちらまで、火傷をしやしないかとハラハラさせられました。 スイッチを探すユキコに、先輩スタッフがマグネットを貼って教えてくれて、揚げたての熱々ポテトをケースに入れて…。 気がつけば筆者だけでなく、テレビの中のBBバーガーのスタッフたちも、ユキコの作業に釘付けになっていました。 きっとみんな同じ気持ちで、ユキコを見守っていたに違いありません。 ついにユキコがポテトを完成させた時には、筆者だけでなく、あんなに迷惑そうだったスタッフたちにも笑顔が。そこにはテレビの画面を超えた、一体感が生まれていました。 茶尾が望んでいた『新しい風』とは、これだったのです。 ユキコが働くことで、スタッフの多くが障がい者に対して配慮できるようになるでしょう。彼女を通して障がい者について知ることができるからです。 それは、お店に様々なお客様を迎えるための配慮にも、繋がるかもしれません。 または、お互いに配慮し合うことで、チームワークが良くなるかもしれません。 意識が変わっていくのは、ユキコと関わったからこそ。 この作品を通してユキコを知ってきた視聴者も、BBバーガーのスタッフも、同じ体験をしているようです。 イズミと獅子王が…? 第4話では、ユキコと森生の恋のドキドキは抑え気味でしたが、ユキコの努力と成長に心が温まるストーリーでした。 ドキドキといえば、イズミと獅子王(鈴木伸之)の距離感にもドキドキさせられます。 ヤンキーなんてダメだと、あれだけユキコに言っていたイズミが、獅子王を好きになってしまうなんて…! 想い人がいるのかと尋ねて「はい」と返された時の、あまりにも小さな「そう、ですか」が切なかったです。でも諦めないで欲しい! それにしても、獅子王の想い人とは一体誰なのか。筆者には森生しか思い浮かびませんが、いつか明かされる日が来るのでしょうか。 そして今回のラストも、嫉妬心に燃えるハチ子が登場。森生にフラれてしまったハチ子は、ユキコに何をするつもりなのか…。 次回、第5話が待ちきれません。 ドラマコラムの一覧はこちら [文・構成/grape編集部] Share Post LINE はてな コメント
ブログ『現実逃避は前向きに。』で注目ドラマの感想をつづる、malcoさんによる新連載。2021年秋ドラマの見どころを紹介していきます。
姉妹喧嘩の末、イズミ(奈緒)から認めてもらえたユキコ(杉咲花)と森生(杉野遥亮)。ユキコとイズミの関係は、以前よりも仲睦まじく感じられました。良い姉妹ですね。
2021年10月27日に放送された第4話では、働き始めた森生と対等でいたいと思ったユキコが、アルバイトを始めます。
森生に甘えないために「アルバイトで認められるまでは会わない」と宣言し、やる気満々のユキコ。しかし、いざ仕事を始めると失敗を連発してしまいます。
ユキコのアルバイトを通して、障がい者が健常者の中で働くのがいかに大変かを、痛感させられるストーリーとなりました。
障がい者が健常者の中で働くということ
最初に行ったスーパーマーケットの面接で「メリットがなければ雇えない」と断られたユキコ。
忙しい業務の中で、健常者と同じ働き方ができない障がい者にとって、雇うメリットを問われてしまうのは過酷です。
森生にとっては、ユキコと働けること自体がメリットになるようで、職場のスタッフがみんな森生だったらいいのにと思えてしまいます。
盲学校の先生からは「これがやりたい」というパワーが大切なのだと助言してもらい、ユキコは大好きな『BBバーガー』の面接へ。
店長の茶尾(古川雄大)は、即座に採用を決定。喜ぶユキコでしたが、周囲のスタッフはあからさまな迷惑顔。しかしスタッフたちの表情は、ユキコには見えません。
アルバイト初日。店内の様子がぼんやりとしか見えないユキコは、歩くこともままならず、厨房の隅で立っているしかできませんでした。忙しいスタッフたちは、ユキコを邪魔者扱いするばかり。
スタッフたちは皆、ユキコと一緒に働くことにメリットを感じていなかったのでしょう。
しかしユキコを採用した茶尾だけは、彼女に「新しい風」を期待していたのでした。
指導係になった紅林(吉住)のポテト作りの説明も、弱視のユキコには解りにくいものでした。
手本を見せながら「ボタンを押す」「スイッチを入れる」と説明するので、健常者であれば何の問題もなく伝わりますが、ユキコにはそのスイッチやボタンを見つけるのも困難です。
いかに私たちが、普段の生活で視力を頼りにしているのかに気付かされます。
ユキコがどのくらい見えないのか。それを知らなければ、ユキコがなぜ出来ないのか、どうすれば出来るのかが解らないのですね。知るということは本当に大切です。
どんなに嫌な思いをしても、店のマニュアルを持ち帰って拡大読書機を使って熟読したり、早く出勤して店の中の配置を覚えたり、ユキコは努力を惜しみません。
その姿を見た紅林は、一生懸命な彼女を応援したいと思うようになっていくのでした。
ユキコが生んだ一体感
一方、第3話のラストでハチ子(生見愛瑠)にキスをされた森生。
なんと、あの出来事をハプニングだと思っていたようです。ピュ…ピュアにもほどがある…!
ハチ子の中の嫉妬心や憎悪など、想像もしていないのでしょう。どこまでも心が綺麗なヤンキーです。
そんな『ピュアヤンキー』こと森生は、ユキコと会えない期間にハチ子から正式に告白され、それ以降ハチ子のことが頭から離れず、「俺は浮気者なのか」と自責の念に駆られていました。
そんな時に偶然、森生は青野(細田佳央太)と出会います。
森生はユキコと行動を共にしてきただけあって、青野のことも当然のように誘導していました。
さすがです。誰とでも分け隔てなく接することができる、森生の能力にも感心させられます。
森生の恋愛相談を受けた青野は、「信号とポストの赤が違うように、好きにもいろんな種類があるのではないか」とアドバイス。
結局、森生はハチ子を妹のようにしか思えず、ハチ子は森生にフラれてしまうのでした。
そんなある日。BBバーガーのスタッフの一人が急遽休むことになり、ユキコがポテトを作る係になります。
このシーンは本当に緊張しました。
注文はどんどん入るのに、何もできず失敗を重ねるユキコ。とうとう紅林がポテトを作り始めて、何もできないまま終わるのかと思いましたが。
そこへ聞こえてきたのは、「フレー!フレー!」とユキコにエールを送る森生の声。
離れていても、会えなくても、応援してくれていると感じられる森生の存在が、この時のユキコには、どんなに有り難かったか。
森生に力をもらったユキコは、もう一度ポテト作りに挑戦します。油を使う作業ですから、見ているこちらまで、火傷をしやしないかとハラハラさせられました。
スイッチを探すユキコに、先輩スタッフがマグネットを貼って教えてくれて、揚げたての熱々ポテトをケースに入れて…。
気がつけば筆者だけでなく、テレビの中のBBバーガーのスタッフたちも、ユキコの作業に釘付けになっていました。
きっとみんな同じ気持ちで、ユキコを見守っていたに違いありません。
ついにユキコがポテトを完成させた時には、筆者だけでなく、あんなに迷惑そうだったスタッフたちにも笑顔が。そこにはテレビの画面を超えた、一体感が生まれていました。
茶尾が望んでいた『新しい風』とは、これだったのです。
ユキコが働くことで、スタッフの多くが障がい者に対して配慮できるようになるでしょう。彼女を通して障がい者について知ることができるからです。
それは、お店に様々なお客様を迎えるための配慮にも、繋がるかもしれません。
または、お互いに配慮し合うことで、チームワークが良くなるかもしれません。
意識が変わっていくのは、ユキコと関わったからこそ。
この作品を通してユキコを知ってきた視聴者も、BBバーガーのスタッフも、同じ体験をしているようです。
イズミと獅子王が…?
第4話では、ユキコと森生の恋のドキドキは抑え気味でしたが、ユキコの努力と成長に心が温まるストーリーでした。
ドキドキといえば、イズミと獅子王(鈴木伸之)の距離感にもドキドキさせられます。
ヤンキーなんてダメだと、あれだけユキコに言っていたイズミが、獅子王を好きになってしまうなんて…!
想い人がいるのかと尋ねて「はい」と返された時の、あまりにも小さな「そう、ですか」が切なかったです。でも諦めないで欲しい!
それにしても、獅子王の想い人とは一体誰なのか。筆者には森生しか思い浮かびませんが、いつか明かされる日が来るのでしょうか。
そして今回のラストも、嫉妬心に燃えるハチ子が登場。森生にフラれてしまったハチ子は、ユキコに何をするつもりなのか…。
次回、第5話が待ちきれません。
ドラマコラムの一覧はこちら
[文・構成/grape編集部]