【『正直不動産』第1話感想・考察】山下智久演じる不動産営業マンから学ぶ、仕事をする上で大切なこととは
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- 出典
- 正直不動産
grape [グレイプ] entertainment
ドラマ好きなイラストレーター、ゆう。(@yamapyou)さんによるドラマコラム。
2022年4月スタートのテレビドラマ『正直不動産』(NHK)の見どころや考察を連載していきます。
仕事はお金のためにするのか、喜んでくれるお客様のためにするのか。気持ちの持ちようで仕事に対する姿勢は大きく変わるだろう。
2022年4月5日の夜10時から始まった新ドラマ『正直不動産』。
山下智久演じる主人公・永瀬財地は不動産仲介でトップの成績を誇る営業マンだが、契約を取るために息を吐くように嘘をつく。
そんな彼がある日、お客様の土地にあった謎の祠(ほこら)を破壊したことで『嘘がつけなくなってしまう祟(たた)り』にあうのだ。
嘘をつけないとなると契約上、客の不利になる事実まですべてを明かすことになってしまう。
これでは契約が取れなくなってしまうと焦る永瀬だが、この『正直者になる』祟りは吉と出るのか凶と出るのか。
普段心の中でつぶやいていた皮肉も溢れ出す主人公に職場の人間関係はどうなるのか?
クスッと笑いながら楽しめるお仕事ドラマの見どころをピックアップ。
3年ぶりの主演ドラマ、山下智久のコミカルな演技が光る
山下智久と言えば、過去には『コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』(フジテレビ系)や『プロポーズ大作戦』(フジテレビ系)など数々のヒット作を生み出してきた。
そんな山下が『インハンド』(TBS系)以来、3年ぶりとなる主演を務める。
いつもは感情表現の少ないクールな演技が特徴的だが、今回演じる永瀬も淡々と不動産契約を進める姿がなんともスマートでかっこいい。
医師やお坊さんの役も似合うがサラリーマン役の山下智久も貴重である。
そして、祟りのせいで嘘をつこうとすると心の声が口から溢れるように出てしまう難しいコミカルな演技も見事に演じて見せた。
第1話冒頭から、プレイボーイな一面と共に鍛え上げられた裸体に女性とのキスシーンにはSNSでも動揺が広がり、初回の掴みとしてはなかなかのものだったと思う。
10年ぶりの山﨑努との共演が熱い
そして第1話でさらに話題となったのは、スペシャルゲストである、山﨑努との共演。
山﨑と山下は過去に、『クロサギ』(TBS系)、『最高の人生の終り方~エンディングプランナー~』(TBS系)で共演していた。
山下が「今僕が演技の仕事をできているのは努さんのおかげです」というほど、山﨑を慕っていることもあり、ドラマで再び二人の姿を見られることに目頭が熱くなるものがある。
さらに印象的だったのは、ドラマ最後の、このかけあいだ。
契約のために嘘をついて仕事をしていた永瀬が正直になり客と向き合う。
我々は何のために仕事をするのか、客を喜ばせるためではないのか、この二人の会話がこのドラマ最大のテーマなのかもしれない。
タメになる!不動産知識も盛りだくさん
ストーリーももちろん面白い上に、サブリース契約や激安賃貸物件に潜む罠など、タメになる不動産知識が織り交ぜられたこのドラマ。
サブリース契約は不動産側が相手に良い情報だけを伝え、途中解約が可能なことは伝えずに契約を結ぶ。
条件が悪くなったらいつでもオーナーを見捨てることができる仕組みになっているのだ。
そんな契約書の小さな注釈にも気をつけなければならない。
一方で劇中で登場する激安賃貸物件の理由は、住居者に嫌がらせをして短期間で追い出すオーナーが原因だった。
追い出す目的は敷金礼金。入れ替わりのたびに新しい入居者から敷金礼金を受け取ることでおいしい思いをしていたのである。
私たちが物件選びをする際にも気をつけておきたい情報を得ることができるのもこのドラマの見どころだろう。これから不動産に行く機会があれば是非とも参考にしたい知識ばかりだ。
「正直者」な営業マンが結果的に信頼を勝ち取る
契約を進めるにあたり嘘がつけないことに焦る永瀬だったが、正直に話したことにより、包み隠さない姿が逆に客の信頼を得ることができたのだ。
大きな買い物をする際、やはり信頼できる人にお任せしたいというのが人間の真理だろう。
良い情報も悪い情報も正直に伝えることで結果的に信頼され契約に至ることとなった。
これが本当の『契約』ではないだろうか。
当初は契約することしか頭になかった永瀬は祟りを機に今後、少しずつ代わり始めるかもしれない。
正直者になった永瀬の行く末、これからのストーリー展開に期待である。
[文・構成/grape編集部]