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【持続可能な恋ですか? 第6話 感想】ともに生きる上で『大事』なこと

By - grape編集部  公開:  更新:

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Twitterで人気ドラマの感想をつづり注目を集める、まっち棒(@ma_dr__817125)さんのドラマコラム。

2022年4月スタートのテレビドラマ『持続可能な恋ですか?〜父と娘の結婚行進曲〜』(TBS系)の見どころや考察を連載していきます。

ただ好きだから付き合うという、ごく当たり前だった恋愛の仕方は、大人になるにつれて一番難しくなっていく。

仕事や結婚…人生設計という様々な制限がある中で、付き合うというのもそう単純にはいかなくなる。

しかし、そこには私たちが忘れかけた大切な何かがある。第6話では、そのひとつの答えが描かれる。

キスの後、関係性が読めないでいた杏花と晴太

前回、母親を思い涙を流す杏花(上野樹里)にキスをした晴太(田中圭)だったが、結局二人はその後も何事もなく帰っていた。

杏花はキスや晴太の言葉が気になって仕方なかった。この先、どう関係を進めていけば良いのか分からず、晴太の本当の思いも読めない…。

そんな中で、杏花は颯(磯村勇斗)から紹介されたインド料理屋でのヨガレッスンを終えてカレーを食べていると、偶然晴太と息子の虹朗(鈴木楽)に出くわす。

二人はキスの後、初めて顔を合わすため、気まずい雰囲気になる。

何も知る由もない虹朗は、学童のキャンプイベントに仕事で行けない晴太の代わりに来てほしいと杏花にねだる。

キャンプで好きな子に告白するつもりの虹朗は、先生である颯の好きな人が杏花だと知り、お互いの恋を応援し合う約束をしていたのだった。

しかしそう簡単には考えられなかった。

二人の関係を表すのに、『恋人』のような確かな名前はないのである。

杏花はまだ他人である晴太の家庭に、どこまで踏み込んでいいのか悩んでいた。

杏花から事情を聞いた颯は、「雰囲気変えるか…」と、改めて杏花に一緒に行くことを提案する。

恋愛対象として見られない『家族』から関係を進めるため、この機会に本気で杏花と向き合いたいと考えたのだ。

杏花は提案を受け、キャンプに付き合うことにした。

一方の晴太は、虹朗から颯とお互いの恋を応援し合うということを聞かされる。

動揺した晴太は「告白して…そのあとどうするんだ?」と虹朗に聞くが、虹朗はこう答える。

「ただ好きだって伝えたいんだ」

虹朗、人生何周目だよ…と思ったが、これこそ大人が忘れてしまっている『本当に大切なこと』なのだ。

この真っ直ぐな言葉が晴太に響く。もう逃げるわけにはいかなかった。

急に腹痛に襲われたと言い、仕事を抜け出した晴太はキャンプ場へ急ぐ。

「仮病を使った大人が、救世主のように堂々と入場してくるなよ!」と突っ込んでしまったのだが、『これぞ波乱のキャンプの幕開け!』と思わせる演出が楽しかった。

本気で杏花と向き合おうと決めた晴太

カレー作りのチーム分けは奇しくも杏花と離れた晴太。

仲良さそうな杏花と颯を見て、更に負けじとカレー作りに没頭する。

こうした晴太が時折見せる子どものような姿がとても愛らしく思える。

しかし「好きなものは簡単に譲れないんだよ」と、ここぞというところで真剣な表情を見せるのだ。

なかなか素直になれず、少し臆病で不器用な晴太だが、本気で杏花と向き合おうと決めているのだ。

虹朗の告白が無事に成功し、別のテントに泊まることになり、気まずくなった晴太と杏花は、焚き火を囲んでお茶を飲んでいた。

皆寝静まり、薪が爆ぜる音だけが響く。そんな非日常的な空間は、不思議と人を素直にさせる。

「キスのことは全然気にしていない」と話す杏花に晴太は食い気味に「気にしてください」と言う。

今まで通りにはさせない、晴太の決心は固まっていた。

「結婚を前提とせず、僕とお付き合いしてもらえませんか?」

これは第1話で、杏花が晴太に言った言葉だ。しかしあの時と違う。

杏花は今やっと独立に向け動き出し、晴太には何より大切な虹朗の存在がある。

だから今も二人に結婚願望がないというのは同じだ。でも純粋に、大切な人と共に今を過ごしたいという気持ちがそこにはあるのだ。

「ただ好きっていうだけで付き合うのはダメですか?手を繋ぎたいんです。繋がれたくないんです、他の人に」

「私も」と杏花は晴太に手を差し出し、手を取り合う。これが二人が出した答えなのだ。

大人になるとただ好きって伝えることさえ億劫になる。

だが虹朗が言っていた「いっぱい友達がいても、すぐわかる、好きな人の声はよく聞こえる」というのは、いくら成長したって変わらないものだ。

虹郎の好きな人に対して真っ直ぐな向き合い方が、私たちに気づかせてくれてくれる。

純粋に好きだと伝える大切さに年齢は関係ないのだ。

気になる三角関係の行方は…

そして三角関係の行方。颯は虹朗の後押しで、肝試しの帰りに想いを伝えようとしていた。

勘違いではなく、本当に好きだと伝えたい…そんな雰囲気を出すも、杏花にはぐらかされてしまう。

そして想いを伝えられぬまま朝を迎え、颯が見たのは、同じテントから出てくる杏花と晴太だった。

颯はその後、いつも通りレッスンに出かける杏花を見送る。何も見てない、何も知らないふりをして。

颯にとって、杏花は近すぎて遠い存在になってしまったのだ。

自分が見ることができなかった、杏花が好きな人に向ける笑顔をただ見るだけの…。

「家族になっちゃったな」

颯は、杏花の家を出て行ってしまった。報われない気持ちを抱えた颯の背中がただ切なく見えた。

相手の『呼び方』をめぐる考え方の違い

一方、林太郎(松重豊)と明里(井川遥)はウォーキング中に、明里のお見合い相手の男性が、「結婚したらパートナーと呼びたい、うちの嫁とは呼びたくない」と言ったのに対し、違和感を感じた話をしていた。

一度は仕方がないことと割り切って、また男性と会っていた明里だったが、「美人すぎる女医」と言われてまた違和感を感じていた。

そんな時、「女性配偶者を何と呼ぶべきか」を林太郎が語っているラジオが偶然聞こえて来る。

「何でもいいんじゃないですかね?相手への敬意があって、呼ばれる方がそれでよしとするならば」

林太郎の言葉で、明里はその違和感の正体に気づき、男性に別れを告げる。そこに敬意はなかったのだ。

呼び方や肩書きだけで人を当てはめようとしているだけで、本当にその人を見ようとはしてないのである。

第6話は親子それぞれ独立したテーマになっていると思っていたが、実は奥では繋がっているのではないかと思った。

呼び方もいろんな形があっていい、ただそこに、誰かを思いやる気持ちがあれば良いのだ。

そして、想いの伝え方も付き合い方もそれと同じ。自分たちなりの答えをしっかり話し合うことで、探していくことが何より大事なのである。

持続可能な恋ですか?〜父と娘の結婚行進曲〜/TBS系で毎週火曜・夜10時~放送

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[文・構成/grape編集部]

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