【『アトムの童(こ)』第4話感想・考察】山﨑賢人&松下洸平が作り出すドラマの魅力
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ドラマ好きなイラストレーター、ゆう。(@yamapyou)さんによるドラマコラム。
2022年10月スタートのテレビドラマ『アトムの童(こ)』(TBS系)の見どころや考察を連載していきます。
二人の青年がゲームづくりに奮闘するドラマ、TBSの日曜劇場『アトムの童(こ)』。
若き天才ゲーム開発者が一度はゲーム作りから遠ざかったものの、愛する玩具メーカー『アトム玩具』を救うため、再びゲーム作りを始める完全オリジナルストーリーとなる本作。
泣ける!那由他と隼人熱いの友情を再確認
第4話ではこれまで最大のピンチが到来。
アトム玩具へ投資を得るため、準備をしていた最中、完成を目前としていた那由他(山﨑賢人)と隼人(松下洸平)が作っていたゲームのデータが消える事件が発生。
「作り直すしかない」とプレゼンに間に合わせるため、那由他たちは急ピッチで復元を試みる。
復元作業はこれまで全て自分たちの手で作っていたものの、プレゼンまで時間がないため、クリエイターに外注をすることになった。
しかし、納期優先で進めようとする那由他と、それではクオリティが担保されないと考える隼人。二人の方針は異なり、意見が割れて口論になる。
ここまで順調にやってきていた二人なだけに、「ここで喧嘩はやめて…」視聴者も皆、そう思ったことだろう。
空気の悪い社内で気を遣うアトム玩具のメンバーたちも、なんだかいたたまれない様子であった。
結果的に外注していたクリエイターの制作物がどうも気に入らない那由他。
そんな那由他に隼人は「超絶わがままじゃん」と笑い、「お前の超絶わがまま、俺がとことんつきあってやるよ」と答えた。
同じ気持ちだと再認識した那由他は「やっぱお前最高だわ!」と隼人への想いをぶつける。
どうなることかとヒヤヒヤしていた二人の関係は、すぐに元に戻った。
時にぶつかることはあっても、ゲームに対する想いは一緒なんだと確信させられる。
二人の熱い友情に胸が熱くなった瞬間だった。
二人はお互いにないものを持っていて、一人では成立しない。
彼らもそれがわかっているからこその絆の固さ。それが伝わるシーンだった。
この二人が一緒なら最強だ、そう思わせてくれた。
彼らの行く末を最後まで見届けたいと心から思わせてくれたワンシーンである。
これまでの日曜劇場とはここが違う!
日曜劇場の鉄板といえば、池井戸作品である『半沢直樹』や『下町ロケット』などが有名である。
これらの共通点として挙げられるのがメガバンクの一銀行員や小さな町工場など、『弱小』とも言える立場の人々が巨大な悪に立ち向かう点である。
強力なライバルや理不尽とも言えるような危機的な状況に立ち向かう姿に視聴者は感動させられるのである。
そして最後には悪を成敗し、勝利をつかみ取るさまがスカッとして最高に気持ちがいい。
『アトムの童(こ)』も同様の共通点を持ち合わせているのだが、これまでと決定的に違うのは『若者向け』ということである。
題材がゲームという点も大きい。かわいらしいキャラクターやゲームが生み出される工程はビジュアルで見ていても楽しいからである。
しかし、なにより違うのはキャストである山﨑賢人と松下洸平が作り出すドラマの空気だ。
時には冗談を言って笑い合ったり、今回のようにぶつかることもあるが、二人の友情がこのドラマの最大の魅力であるということは間違いないだろう。
これまでの日曜劇場はやはり銀行や技術面の小難しい話が多い部分もあり、あまり若年層向けではなかったように思える。
しかし、今作は週刊少年ジャンプのような男の熱い友情と、アトム玩具の愉快な仲間たちと共に繰り広げられる物語に、親しみを感じるのである。
改めてこのドラマの魅力がわかった第4話となった。
これから理不尽な目に何度も遭うかもしれないが、二人とアトム玩具のメンバーを信じて最後まで応援したい。
『アトムの童(こ)』/TBS系で毎週日曜・夜9時~放送
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[文・構成/grape編集部]