「神さま、どうか助けてください」 大昔の女性に起こる悲劇、まさかの展開が By - grape編集部 公開:2017-07-19 更新:2018-05-20 ニッポン放送展覧会怖い絵絵画 Share Post LINE はてな 現実の世界で、起きる恐怖のなかに『殺人事件』があります。 なぜ、こんな残忍なことを…。信じられない…。 被害者を思うと、いたたまれない気持ちになってしまうことも。 《切り裂きジャックの寝室》 ウォルター・リチャード・シッカ―ト《切り裂きジャックの寝室》 1906‐07年 油彩・カンヴァス マンチェスター美術館蔵 © Manchester Art Gallery / Bridgeman Images こちらの絵は、猟奇連続殺人鬼の元祖とされている『切り裂きジャック』を題材にしています。 世界でも有名な未解決事件で、5人の売春婦をバラバラに殺害したという恐ろしい人物。容疑者の中には弁護士、外科医といった社会的地位の高い人物もいました。そして、そのなかでも有力な容疑者とされていた画家のシッカートが描いた本作。 ベッド、窓、ドレッサー、ドア…と質素なその一室。暗闇によって、そこで生活している人物の影が静かに浮かび上がってくるようです。じっくり見入ると、恐怖に吸い込まれそうになる作品です。 『怖い絵』の現代に通ずる勧善懲悪な面白さ しかし、この展覧会は『恐怖』一色に染まっているわけではありません。 《スザンナと長老たち》 フランソワ=グザヴィエ・ファーブル《スザンナと長老たち》 1791年 油彩・カンヴァス ファーブル美術館蔵 © Musée Fabre de Montpellier Méditerranée Métropole, France-Photographie Frédéric Jaulmes-Reproduction interdite sans autorisation 裸体の女性と、異様に接近している中年の男たちが描かれています。 1人は薄い布を掴んで引きはがそうとし、もう1人は「シーっ」という人差し指を立てるジェスチャーで意味ありげです。女性は男の腕を振り払おうと手で押し戻し、胸元を隠しながら涙ぐんだ目を天へ向けています。 神さま、どうか助けてください。 助けを求めているような切ない絵のタイトルは、『スザンナと長老たち』。 権力者である2人の長老が、人妻のスザンナによこしまな気持ちを抱くことから始まります。彼らは水浴中のスザンナを襲おうとしますが、拒まれたために、なんと姦通罪(かんつうざい)をでっち上げて死刑にしようとするのです! そこへ預言者ダニエルが歩み出て、長老たちに詰問し、2人の別々の証言が矛盾することを証明して、スザンナは無実が証明されるのです。 大逆転で正義が勝つ!テレビドラマのような勧善懲悪なストーリーに、気分爽快になってしまう作品です。 まだまだ味わい深い『恐怖』を堪能できますよ 西洋美術の世界は、知れば知るほど奥が深いもの。この展覧会も『神話と聖書』、『悪魔、地獄、怪物』、『異界と幻視』、『現実』、『崇高の風景』、『歴史』と、テーマごとに分類されていて、それぞれに違った『恐怖』のかたちがあります。 絵の見た目と、その裏に隠された真実に、あなたの感受性が揺さぶられることになるでしょう。ぜひ、新しい『恐怖』の世界へ足をふみ入れてみてはいかがでしょうか。 「怖い絵」展 会場・会期 ●兵庫県立美術館 2017年7月22日(土)~ 9月18日(月・祝) ●上野の森美術館 2017年10月7日(土)~ 12月17日(日) [文・構成/grape編集部] 1 2 Share Post LINE はてな
現実の世界で、起きる恐怖のなかに『殺人事件』があります。
なぜ、こんな残忍なことを…。信じられない…。
被害者を思うと、いたたまれない気持ちになってしまうことも。
《切り裂きジャックの寝室》
ウォルター・リチャード・シッカ―ト《切り裂きジャックの寝室》
1906‐07年 油彩・カンヴァス マンチェスター美術館蔵
© Manchester Art Gallery / Bridgeman Images
こちらの絵は、猟奇連続殺人鬼の元祖とされている『切り裂きジャック』を題材にしています。
世界でも有名な未解決事件で、5人の売春婦をバラバラに殺害したという恐ろしい人物。容疑者の中には弁護士、外科医といった社会的地位の高い人物もいました。そして、そのなかでも有力な容疑者とされていた画家のシッカートが描いた本作。
ベッド、窓、ドレッサー、ドア…と質素なその一室。暗闇によって、そこで生活している人物の影が静かに浮かび上がってくるようです。じっくり見入ると、恐怖に吸い込まれそうになる作品です。
『怖い絵』の現代に通ずる勧善懲悪な面白さ
しかし、この展覧会は『恐怖』一色に染まっているわけではありません。
《スザンナと長老たち》
フランソワ=グザヴィエ・ファーブル《スザンナと長老たち》
1791年 油彩・カンヴァス ファーブル美術館蔵
© Musée Fabre de Montpellier Méditerranée Métropole,
France-Photographie Frédéric Jaulmes-Reproduction interdite sans autorisation
裸体の女性と、異様に接近している中年の男たちが描かれています。
1人は薄い布を掴んで引きはがそうとし、もう1人は「シーっ」という人差し指を立てるジェスチャーで意味ありげです。女性は男の腕を振り払おうと手で押し戻し、胸元を隠しながら涙ぐんだ目を天へ向けています。
神さま、どうか助けてください。
助けを求めているような切ない絵のタイトルは、『スザンナと長老たち』。
権力者である2人の長老が、人妻のスザンナによこしまな気持ちを抱くことから始まります。彼らは水浴中のスザンナを襲おうとしますが、拒まれたために、なんと姦通罪(かんつうざい)をでっち上げて死刑にしようとするのです!
そこへ預言者ダニエルが歩み出て、長老たちに詰問し、2人の別々の証言が矛盾することを証明して、スザンナは無実が証明されるのです。
大逆転で正義が勝つ!テレビドラマのような勧善懲悪なストーリーに、気分爽快になってしまう作品です。
まだまだ味わい深い『恐怖』を堪能できますよ
西洋美術の世界は、知れば知るほど奥が深いもの。この展覧会も『神話と聖書』、『悪魔、地獄、怪物』、『異界と幻視』、『現実』、『崇高の風景』、『歴史』と、テーマごとに分類されていて、それぞれに違った『恐怖』のかたちがあります。
絵の見た目と、その裏に隠された真実に、あなたの感受性が揺さぶられることになるでしょう。ぜひ、新しい『恐怖』の世界へ足をふみ入れてみてはいかがでしょうか。
「怖い絵」展
会場・会期
●兵庫県立美術館 2017年7月22日(土)~ 9月18日(月・祝)
●上野の森美術館 2017年10月7日(土)~ 12月17日(日)
[文・構成/grape編集部]