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【考察】「助けて…ママが」と泣き叫ぶ娘、救いを求めているのは誰か 『夫に間違いありません』第11話

By - 渡辺裕子  公開:  更新:

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『夫に間違いありません』に出演する松下奈緒さんと宮沢氷魚さんが写る場面写真
渡辺裕子の写真

渡辺裕子

テレビが大好きなイラストレーター。

SNSを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している、イラストレーターの渡辺裕子(@satohi11)さん。

2026年1月スタートのテレビドラマ『夫に間違いありません』(フジテレビ系)の見どころを連載していきます。以下、ネタバレが含まれます。

渡辺裕子さんがこれまでに書いたコラムは、こちらから読めます。

栄大(山﨑真斗)は、聖子(松下奈緒)のスマホを使って一樹(安田顕)を呼び出した。とうとう再会した2人だが、自首するよう迫る栄大を突き飛ばし、一樹は逃げてしまった。

2人のやりとりを撮影した紗春(桜井ユキ)は、その映像を見せて、保険金5000万を払えと聖子を脅してきた。

隠していることを全部話してほしいと懇願する栄大に聖子は何も答えようとせず、そのことで栄大は荒れ、部屋に鍵をかけて閉じこもる。

追い詰められた聖子は、家族を守るために家とおでん店を売って金を作ろうと考えるが、天童(宮沢氷魚)から呼び出され…。

『夫に間違いありません』に出演する宮沢氷魚さんが写る場面写真

聖子が進む道はハッピーエンドなのか

栄大が一樹を呼び出すために持ち出して、そのままなくした聖子の携帯電話。その番号に聖子が家から電話をかけてみると、女の声で「ちょうどお届けに上がったんですけども」と言葉が返ってくると同時に、ガシャガシャとガラス戸を叩く音が響く。

その向こうに立っているのは、ニンマリと笑う紗春…このシーンがあまりに恐ろしくて、最終回前にいきなりホラー作品になったのかと思った。

ドラマが始まった頃は、紗春の人懐っこい笑顔には何か裏がありそうで怖いなと思ってはいたのだが、もう裏とかの段階じゃなく、笑った顔が本当に怖い。

『夫に間違いありません』に出演する桜井ユキさんが写る場面写真

アパートを出て行けと迫られ、ポストには借金の督促状の山。聖子のおでん店ではもちろん働けないから、収入も乏しい。

切羽詰まった今の紗春は、聖子から金を奪うことしか考えられなくなっている。

そんな紗春の激しい攻撃で、聖子は言われるままに、家族を守ろうと家とおでん店を売ることまで考え始めた。

『夫に間違いありません』に出演する松下奈緒さんが写る場面写真

でもそうなったら、住むところも収入もなくなって、家族の生活が成り立たなくなってしまう。

家を売るしかないとしても、その5000万は紗春よりも保険会社に返す方が、家族の未来はずっとマシになると思うのだが。

聖子も紗春も、「頼むから落ち着いて考えてくれー」と、テレビのこちらではハラハラ…。

犯罪になってしまう前に、どうして二人とも他の誰かに相談しないのか。そうしたらここまで問題がもつれることはなかったのに。

『夫に間違いありません』に出演する桜井ユキさんと磯村アメリさんが写る場面写真

特に聖子はこれまでの分岐点で、ことごとく「そっちに行ったらだめー!」という方に向かって角を曲がってきた。

生きていた夫にそそのかされて、受け取ってしまった死亡保険金を返さず、家を出た夫を許し、人を殺した夫の逃亡を助け…。

このどこかひとつで「あ、この道は違う」と引き返していたら、今みたいに袋小路で身動きがとれないような事態にはならなかったはず。

「自分ひとりで家族を守らなければいけない」という幼い頃からの呪いが、正しい道を選ばせないように、彼女の目をふさいでしまっている。

『夫に間違いありません』に出演する松下奈緒さんが写る場面写真

聖子と紗春が迷路に入り込んで狂いつつあるのとは正反対に、いつのまにかひとりだけ正しい道を歩んでいるように見えるのが、天童だ。

強引な取材でスクープを狙う雑誌記者だったはずが、一樹による殺人事件の記事を書くことで、彼の子どもたちの人生が変わるのを恐れ、ためらっている。

『夫に間違いありません』に出演する前川泰之さんと宮沢氷魚さんが写る場面写真

それよりも今は紗春の罪を暴く記事を書き、紗春に虐待されている希美(磯村アメリ)を救おうとしている。こんなにも子どもを大切にする人だったとは。

そのために、紗春について聖子に証言をさせようと呼び出して説得する言葉も、視聴者の心を代弁しているかのように、とてもまとも。

「あなたが犯した罪も、最初は家族を守るためだったかもしれません。でも今はどうです?守るどころか、家族を巻き込んで…悲しい思いをさせてると思いませんか?」

「家族だって被害者なんですよ」

『夫に間違いありません』に出演する松下奈緒さんと宮沢氷魚さんが写る場面写真

本当に彼の言う通りなのに、聖子は証言を拒む。どうしてまた間違った道を進んでしまうのか、聖子は。

しかし、一見正しい道を進んでいるように見える天童も、希美の虐待についての考えだけは間違っているのではないか。

「助けて…ママが、ママが」と、泣きながら聖子に助けを求めてきた希美。

「ママから助けて」と言っているように見えて実は、「ママを助けて」と言いたいのでは。紗春は、希美を虐待していない。

それどころか虐待から希美を救うために夫を殺した、それが真相だと、あの時聖子も気付いたとしたら。

「保険金目的で旦那さんを殺して、連れ子だった娘に虐待してるの。最低な母親なのよ」と紗春について一樹に語ったのも、「紗春さんを殺して」と冷たく言い放ったのも、聖子の嘘ということになる。

嘘をついた彼女は「紗春を殺す」という理由で一樹をあの橋に呼び出して、本当は何をするつもりなのか。

次週予告で川に落ちていったのは誰なのか。

一樹のスマホに連絡をしているのは、聖子なのか

一樹のスマホの画面に映る、発信者『S』。これはもちろん『聖子』の『S』なのだが、『紗春』も『S』だ。

ふたりの『S』がお互いを攻撃するのをやめて手を結び、彼女たちの真の敵・すなわちクズ夫を成敗する。

『夫に間違いありません』に出演する安田 顕さんが写る場面写真

春になる頃浮かんでくる水死体は紗春の夫の免許証を所持していて、紗春が「夫に間違いありません」と証言して保険金をゲット。

そんな最終回を予想しているのだが、それは彼女たちにとって、そして子どもたちにとって、ハッピーエンドなのかバッドエンドなのだろうか…。


[文/渡辺裕子 構成/grape編集部]

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