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【妻、小学生になる。第2話 感想】日常の幸せをありのまま映した第2話・ネタバレあり

By - grape編集部  公開:  更新:

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Twitterで人気ドラマの感想をつづり注目を集める、まっち棒(@ma_dr__817125)さんのドラマコラム。

2022年1月スタートのテレビドラマ『妻、小学生になる。』(TBS系)の見どころや考察を連載していきます。

自分にとっての日常や普通が、他人からどう見られているかを考えたことはあるだろうか。

人は他人の目を気にしながら生きることが真っ当な生き方だとよく語られている世の中だと思う。

自分がいくら愛を持って好きなものでも、誰かにとってはそれは必要のないものであったり、当たり前に過ごす日常が、他人の人生の障壁になっていたり…。

『妻、小学生になる。』第二話の今回は、失った日々を取り戻した家族の新しい日常と普通と、その中の危うさや綻びに焦点を当てる。

『妻、小学生になる。』神木隆之介演じる、貴恵の弟が登場

第一話で小学生に求婚する圭介(堤真一)を目撃し、万理華(毎田暖々)をつけていた男性は、貴恵(石田ゆり子)の年の離れた弟・古賀友利(神木隆之介)であることがわかった。

友利に事情を説明するが、そう受け入れられるはずもなく、詐欺か宗教かと疑いの目をかけられてしまう。

しかし、圭介や麻衣(蒔田彩珠)が信じたように、またあの頃の姉の記憶が蘇る。「甘えるんじゃないよ!」と鼻を握られ叱られたあの日のことを。

そういった共通したきっかけを彼らが持っていたからこそ、家族の普通を取り戻すことができるのである。

逆を言えば、私たちは疑いの壁を乗り越える一歩手前で踏みとどまることでしか、『他人』の視点で物語を見ることができない。

圭介の態度に不信感を覚える周囲

一方、圭介は職場でも幸せが滲み出すのを隠すことができない。

この奇跡を失いたくない圭介も必死なのだと思うが、周囲はそんな様子を怪訝に思うようになる。

しかし上司の守屋(森田望智)だけは、親切で熱心な圭介に好意的に接している。

二人はお弁当友達となったが、圭介は持ってきたお弁当に対して、「どのおかずも細やかに愛情がこもっていて…」と漏らしてしまう。

見るからに綻びだらけの圭介。さらに追い討ちをかけるように万理華を待ち受けにしたスマホを落とし、疑う守屋に対してその場を流すことぐらいしかできなかったのである。

何とかなってないのよ圭介…。貴恵の言う通りの様子に笑うしかなかった。

デートに出かける圭介と万理華だったが?

圭介と万理華のピンチは、麻衣の就職祝いのために出かけたデートでも起きてしまう。

万理華からのデートのお誘い…もとい、麻衣の就職祝い選びに「お願いしますだあ〜ぜひ!!」と意気揚々とする圭介。

しかし、道中で偶然、守屋とその友人の菊池(水谷果穂)に目撃されてしまう。

「そういう嗜好の人」と疑惑を深める守屋だったが、万理華の起点の効いた『親戚の小学生』というお芝居によってとりあえず安心したようだった。

しかし10歳に求婚する中年男性に対する友利の気持ちも、親戚の小学生を待ち受けにする圭介に対する守屋の疑いも、視聴者がおそらく感じるであろう危険な香りそのものなのである。

その一面しか知らない二人のように、私たちも彼らにとっての『他人』にカテゴライズされてしまうのだ。

一方、圭介にしてみれば、隣にいるのは愛する妻であり、隣にいるのが普通で、これが10年間当たり前にできなかったそんな日常の全てなのである。

そういったきっかけや本当の愛を知る由もない私たちが、彼らにとっての当たり前を飲み込み、理解し、信じることはたしかに難しく、危うさや綻びだけが目に飛び込んできてしまうのではないだろうか。

圭介の言葉に動かされる視聴者

しかしまた圭介の言葉が、そんな『他人の私』の何かを動かしていった。

「外ではバレないようにうまく嘘をつかなきゃ」という貴恵に対して、圭介は「分かってるけどなるべく嘘はつきたくないんだ」「君と一緒にいるこの時間を、嘘やごまかしで費やしたくないんだ、一分一秒も」と口にする。

優しくて、天然で、ポンコツで、でもそれでいて馬鹿がつくほど真っ直ぐな圭介。

そんな彼と貴恵が出会い、人生を共に歩むと決めたからこそ、家族になり、愛しい娘が生まれた。

圭介はこの奇跡を無駄にしまいと必死の思いで、日常を生きようとしていただけなのだ。

だからこそどれだけ綻びがあろうと、他人からどう見られているかなんてものは、彼にとっては最重要事項にはならなかったのだと思う。

三人の家族が互いに想い合うその純粋さが、私たちが忘れかけた、愛を持って生きることを教えてくれるような気がする。

日常の幸せをありのまま映した『妻、小学生になる。』

三人にとっての新しい日常が多く描かれた第二話。

麻衣は就職が決まり、前と一歩前進する。そんな娘のために選ぶ就職祝い。

他人から見たら父と娘のささやかな休日は、二人にとってはかけがえのない夫婦の時間。

万理華の小学生としての今と、モテまくる貴恵を心配する圭介の寂しそうな帰り道…。

第一話ほどガツンと来る場面は少ないように思うが、あえて大きな山場を感じさせない構成が日常の幸せをありのまま映す大きな鍵となっているのだと思う。

しかし最後には、幸せな三人の時間を一網打尽にする万理華の母・千嘉(吉田羊)の凍りつくような怒号が響き渡った。

生まれ変わった貴恵には白石万理華としての生活が存在することが、家族の障壁となりそうな予感もするが、圭介や麻衣がどう向き合っていくか今後注目していきたい。

第3話も「お願いしますだあ〜ぜひ!!(by 圭介)」

妻、小学生になる。/TBS系で毎週金曜・夜10時~放送

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[文・構成/grape編集部]

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