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【妻、小学生になる。第6話 感想】『THE・無自覚モテ』の真骨頂を進む圭介・ネタバレあり

By - grape編集部  公開:  更新:

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Twitterで人気ドラマの感想をつづり注目を集める、まっち棒(@ma_dr__817125)さんのドラマコラム。

2022年1月スタートのテレビドラマ『妻、小学生になる。』(TBS系)の見どころや考察を連載していきます。

失敗した時、激しく後悔する時、落ち込む自分に手を差し伸べてくれる存在は、いかに大切か。

その存在は、きっと自分の人生に追い風をもたらしてくれる。

今回の第6話は、圭介(堤真一)や貴恵(石田ゆり子)が周りに手を差し伸べ、彼らを中心として様々な思いや日常が動き出していく。

ついに生まれ変わりを打ち明けた、万理華(貴恵)

前話では、圭介と貴恵の二人は、千嘉(吉田羊)に娘の万理華(毎田暖乃)が貴恵の生まれ変わりであるということを伝え、千嘉は今まで万理華に対しての酷い態度を取っていたことに気づき、真実を受け入れたのであった。

しかし、千嘉にとって一つ屋根の下で暮らす万理華は赤の他人。故に万理華にどう接して良いかがわからず、何ともよそよそしい千嘉が可愛く思えてくる。

まだ千嘉の心の負担や疲れは解決していないが、ご飯も準備して、お互いの顔を見ながら食事して…以前とは大きく変わっている。

それには『他所の人間』をもてなす理由もあるだろうが、本当の万理華がいつでも帰ってきていいように変わろうとしているのだと感じる。

守屋にフォーカスがあたった『妻、小学生になる』のシーンも

一方、圭介の会社では、課長の守屋好美(森田望智)が企画した新商品のPRイベントが開かれた。

当日は成功を納めたものの、発売前の商品画像が投稿されたことが発見されてしまう。

企画が白紙になると告げられた守屋はひどく落ち込む。

そんな守屋を、圭介は寺カフェに呼び出し、マスター(柳家喬太郎)と常連の中村(飯塚悟志)は励まそうとするが、上手くいかず…。

「いかにもしっかりしてそうな長女」と言われた守屋であるが、入院していた姉の代わりとして、甘える経験もないまま大人になってきたようだ。

「自分はしっかりものではない、人の上に立つ人間じゃない」と話すのも、それが当たり前になってしまったからである。

その中で唯一息抜きになる時間が、圭介と過ごすお昼だったと考えれば、守屋が圭介に好意を抱くようになっていったのもわかる。

それゆえ、圭介を巻き込んだ責任をより一層感じているのではないか。

そんな落ち込む守屋を励ましたい。マスター達も元気づけたい。千嘉とも仲良くなりたい。娘の麻衣(蒔田彩珠)の想い人も気になる…。

頭を抱える圭介に、万理華はバーベキュー大会を開くことを提案する。

色々問題が山積みになったとき、普通はショートしそうだが、問題を一気に解決しようと前向きになれるのも、圭介達の強みであり、これまでこうして様々な困難に二人で立ち向かってきたのだろう。

千嘉に訪れた新しい『日常』

ついにバーベキュー当日。最初は乗り気ではなかった千嘉や、貴恵の弟の友利(神木隆之介)、麻衣と蓮司(杉野遥亮)、遅れて守屋らも参加し大賑わい。

その中で千嘉は自分の過去を話す。

千嘉も自分の親から酷い扱いを受け、そして更に夫や交際相手に裏切られ、心中で何かがプツンと切れてしまったようだ。

千嘉は人に頼ることができない性格と第4話で考察したが、頼っても裏切られる経験が幼少期から積み重なってきたのだろう。

万理華との帰り道、千嘉はつぶやく。

「あったかいのね、あなたの家族」

貴恵に向けた言葉。だが目の前にいるのは、誰よりも会いたい娘。

貴恵は、千嘉が自分を見てそんな複雑な想いでいることや記憶を思い出せないことをずっと悩んでいたのだ。

今回のバーベキューも、一番は自分が千嘉にしてあげたかったことなのだと思う。

「万理華がいなくなっちゃったのは、私があんなこと言ったから…。『消えてくんないかな』」

後悔の表情を浮かべる千嘉に、貴恵はそっと手を繋ぐ。万理華なら寂しそうな母の顔を見て、きっと手を握るだろうと考えたのだろうか。

記憶が戻らないとしても、万理華として、今、自分にできることを。

今作では、万理華から貴恵の姿に戻る演出がよく使われる。

蓮司と話すときの麻衣の笑顔を母親として見ていたときはそれこそ貴恵の姿で圭介と微笑むシーンが印象的だった。

しかし、対話する相手が貴恵であっても、その姿に戻らないのは、貴恵が千嘉の前では万理華でいようとしてるからだと思う。

マシュマロを焼いて一緒に火を囲むときも、手を繋ぐ瞬間も、明らかに貴恵ではなく、万理華だった。

千嘉が困惑しながらも、初めて知る家族の暖かさに向き合う様子は、新しい日常の風を感じさせてくれる。

『妻、小学生になる。』圭介に対する守屋の恋心にも変化が

今話から守屋の圭介に対する恋心もついに動き出した。

守屋は、圭介が自ら頭を下げて部長に掛け合ったことを知り、想いが溢れる様子だ。

圭介こそ、失礼な部分も沢山あるのだが、些細な一言をちゃんと憶え、こうして他人のことも自分事として一生懸命悩む…圭介は『THE無自覚モテ』の真骨頂なのだ。

守屋はついに想いを伝え、別れ際に頬にキスする。

おまけにその場面を妻に見られているという、何ともドラマらしい修羅場が訪れる。

口では「誰かと一緒になってくれてもよかったのに…」と言ってる貴恵だが、嫉妬する表情も見せてきた。守屋の純粋な想いが二人の愛にどう絡んでいくのだろうか。

一方、生まれ変わりの終着点の伏線が徐々につながってきた。

友利は突然倒れた小説家の出雲莉音(當眞あみ)が目を覚ます瞬間に立ち会うも、友利のことを全く覚えていないことが判明。

さらにラストでは、『みえる』マスターがパジャマ姿の万理華が彷徨っているところを目撃する…。

生まれ変わりの真実、理由、新島家が迎える最後とは一体どのようなものなのか。物語は最終章へ向かう。

妻、小学生になる。/TBS系で毎週金曜・夜10時~放送

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[文・構成/grape編集部]

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