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【妻、小学生になる。第4話 感想】明かされた『万理華』としての生活・ネタバレあり

By - grape編集部  公開:  更新:

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Twitterで人気ドラマの感想をつづり注目を集める、まっち棒(@ma_dr__817125)さんのドラマコラム。

2022年1月スタートのテレビドラマ『妻、小学生になる。』(TBS系)の見どころや考察を連載していきます。

人の性格は『記憶』に基づいて形作られるとも言われている。甘えられない環境、信じていた人に裏切られた経験が人に与える影響は、人が思うよりずっと、強く遺っていく。

第4話では万理華(毎田暖乃)の母親・千嘉(吉田羊)の裏にある性格、そして過去が見えてきた。

今話は万理華を家まで送る場面を千嘉に目撃されてしまうところから始まる。

「この子を甘やかさないでもらえますか」

圭介(堤真一)と娘・麻衣(蒔田彩珠)が千嘉に最初に抱いた印象は『怖い』。

ママだった貴恵(石田ゆり子)の今の『ママ』。想像と違う様子に、万理華の生活が気にかかるようになる。

圭介達は、来週に球技大会があることを知り、千嘉も応援に訪れると考え、万理華を応援しに行くことに。

そして、球技大会当日に突然やって来た二人に驚いていたが、万理華は心から嬉しいようだった。

しかし、そこに千嘉の姿はなかった。

千嘉が抱えていたもの

ママのママ、白石千嘉。夕方になって家を出て、夜は帰らず、朝に帰ってくるような生活。その原因はお弁当屋での夜勤の仕事だった。

客からのクレームへの対応に追われる毎日。自分の食事を用意するのも、洗濯物を畳むのも、「ただいま」の一言をかけることもない。彼女には余裕がないのである。

そんな中でも球技大会当日の朝、疲れ切って帰ってきた千嘉だったが、諦めて家を出ようとする万理華に「今日、お弁当何がいいの?」と声をかけたのだった。

休日に出かけようと提案した時と同様に、万理華を気にかける姿が見えるのである。

キッズケータイの裏に貼られた笑顔の親子の写真。関係が良かった日々もあったことがわかる。

しかし、それは何かのきっかけで崩れたようだった。噂によれば、父親のDV、そして離婚。

あの頃のように思う通りにできないもどかしさを抱えながらも、自分でどうにかしなくてはならないと力が入り過ぎている結果が現状なのではないか。

千嘉が相手の男性と頻繁に連絡を取り会うのも、万理華の転校なんて「どうにでもなる」…そんな発言からも、自分の幸せしか頭にないように感じられるのだが、家庭を安定させたいという焦りがそうさせているようにも思える。

そんな千嘉に足りないのは、万理華の今を大切にしてあげる心の余裕、そして頼れる誰かなのではないだろうか。

千嘉は人に頼れない性格なのだと思う。それゆえ、ストレスを多く溜め込んでいることに本当は気づかず、無理をする。そして人に厳しく接しすぎる故に、周囲に簡単に助けを求めることができなくなっていく。

一方、万理華はそんな母親の性格や状況を、一母親だからこそ敏感に感じ取り、圭介達には家のことは自分でどうにかすると隠してきていた。

だが、「嬉しかったわ、あなたと麻衣が応援に来てくれて」という万理華の言葉。ただ応援しに来てほしかった。お弁当を作ってくれることを知ったあのとびきりの笑顔が、それを物語っているようにも思う。

頑張ってる姿を認めてあげること、そんな小さな一歩を踏み出すことができれば…。

追い打ちをかける『裏切り』

しかし追い討ちをかけるように、千嘉に突きつけられる『裏切り』。相手の男性は妻子持ちだった。

人に頼ることができない性格になってしまったのも、頼っても裏切られる経験が、人を信用できなくさせてきたのだろう。

「母親に嘘をついて!」と万理華を必要以上に責めていたのも、ここに原因があるのだろう。

そして千嘉は、万理華が圭介と電話をしているのを目撃してしまうのであった。

「すごい剣幕で万理華ちゃんを叱る声を聞いたって」…頭によぎる万理華の母親への噂。そして既読のつかないメッセージ…。圭介は万理華の家へ急ぐが、嫌な予感が的中する。

万理華に手をあげた千嘉を止めたのは圭介だった。

「あなたが彼女を大事にしないなら、彼女は僕が引き取ります」

以前の圭介ならば、「他人じゃない。夫です!」なんて言ってしまいかねなかっただろう。

しかし、妻として接していく中で他人の家庭の娘としての現実が見え、少しずつ生まれ変わりへの見方が変わってきているように思えた。

生き返った二人、そして貴恵が、千嘉と万理華の太陽になるしかないのだと思う。

『妻、小学生になる。』は新島家の再生の物語だと思っていたが、それ以上の意味を持つことを感じさせてくれた。

少しずつ明かされる『万理華』としての記憶

そして今回、気になったのが『万理華』としての記憶である。

最初、自分が『貴恵』だと気付いた時、自分に関する記憶は確かにあったように思えた。

しかし、友達であるはずのヒマリ(飯田晴音)との記憶はなく、漫画の交換ノートをしていたことも今『知った』のである。

貴恵として生きていく中で、万理華の記憶が薄れているのだろうか。

さらに貴恵の弟・古賀友利(神木隆之介)は生まれ変わりを題材とした小説を書いた謎の中学生・出雲凛音(當真あみ)と出会うが、彼女は『再び出会った人達がどんな結末を迎えるのか』という意味深な言葉を残した。

万理華の記憶が物語の結末を揺るがすのだろうか。生まれ変わりの本当の理由にも今後注目していきたい。

妻、小学生になる。/TBS系で毎週金曜・夜10時~放送

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[文・構成/grape編集部]

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