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【持続可能な恋ですか? 第1話 感想】自分なりの答えを見つけていく父と娘の奮闘記

By - grape編集部  公開:  更新:

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Twitterで人気ドラマの感想をつづり注目を集める、まっち棒(@ma_dr__817125)さんのドラマコラム。

2022年4月スタートのテレビドラマ『持続可能な恋ですか?〜父と娘の結婚行進曲〜』(TBS系)の見どころや考察を連載していきます。

『持続可能な開発目標』通称、SDGs。

昨今誰もがよく耳しているであろう、より良い社会と地球のために掲げられた世界的な目標だ。

この世の中、一瞬の煌めきではなく、将来に向け持続した取り組みが求められる。

そんな『持続可能』を文字った、オリジナルラブストーリーが始まった。

TBSの火曜新ドラマ『持続可能な恋ですか?〜父と娘の恋愛行進曲〜』は妻に先立たれた父と娘が持続可能な愛のカタチを見つけていく物語だ。

建前上の『穏やかな暮らし』

ヨガインストラクターとして働く沢田杏花(上野樹里)は、母・陽子(八木亜希子)が2年前に他界してから父・林太郎(松重豊)と共に、『心身ともに穏やかな暮らし』を送っていた。

さわやかな気持ちいい朝…なのは想像上の話で、朝からカレーの焦げくさい匂いが部屋を漂っていた。

穏やかな暮らしは建前上。大雑把な性格な杏花は身の回りのことも家事も雑で部屋は物だらけ。ヨガの教えも自分が一番できていないと嘆いている。

しかし杏花は仕事や目標のために力を注ぎ、頑張りすぎている結果、雑になりがちになってしまうのだ。

杏花のように、全部を自分のやりたいことのために使いたいと思っていても、現代の忙しさの中で知らぬ間に仕事や目標に身を潰されていることもある。

杏花は日常に発散するはけ口を作りながら上手く生きているとも言える。

そんな杏花の父・林太郎は辞書の編さんをしている日本語学者である。

一年中コトバのことを考え、街に出て現代っ子達のお喋りを盗み聞きするほどの日本語オタク。

陽子に先立たれてからというもの、その日常生活能力は低さ故に杏花とすぐ喧嘩になってしまう。

ある日、杏花は独立のためのノウハウを知りたいと起業セミナーに参加する。

そこで、自分と家族に優しい働き方を見つけるために参加したと話す、東村晴太(田中圭)と意気投合し、杏花は早速お茶に誘う。

両者に共通していたのは結婚願望がないということ。

「無理に今結婚したくないだけ。普通に恋をして普通に優しい人を好きになりたいよ」

そう思う杏花にとって、優しくて、結婚を望まない相手として晴太は好都合だった。

しかも、杏花にとって当たり前だと思っていたことにちゃんと「優しい」と言ってくれるし、子供みたいに雨に濡れてはしゃぐし、誰かに料理を作ってるし、名前の由来までしっかり覚えている晴太…こんなの、ときめかずにはいられない。

晴太に運命を感じた杏花は半ば強引に、「結婚を前提とせずお付き合いしていただけませんか?」と切り出す。

「結婚を前提として…」という前振りこそよく聞くものだが、数回会っただけの相手に交際プレゼンするとはかなり強気な性格だ。

しかも晴太が7歳の息子・虹郎(鈴木楽)を育てるシングルファーザーということも知らずに…。

驚く杏花だったが、晴太の自分以外の誰かを一番に考える生き方にますます惹かれた様子だ。

無駄な時間も空間も、意味のあるものに感じる…。それは杏花が感じた『なかなか巡り会えない二人』というのが結婚願望がないという点だけではなく、杏花も晴太も、お互いが自分らしくいられる場所であるという意味なのだと感じた。

遺品整理の途中で見つけた衝撃のもの

陽子の3回忌を終えた二人は、遺品整理の途中、辞書に挟まれた封筒の中の離婚届を見つける。

ショックを受けていた林太郎だったが、その翌朝、林太郎は突然、『自分と杏花の二人で婚活をする』と宣言する!

父のことが心配に思ったのか、結婚願望のない杏花も渋々婚活パーティーに参加するが、無駄話の回転寿司…。

しかも運営として働く晴太と遭遇してしまうし、突然幼馴染の不破颯(磯村勇斗)に「会いたかった!」とハグされ、杏花は混乱する。

初回からハグをかましてくる幼馴染は、火曜10時枠の恋愛ドラマの歴史上、三角関係のラブバトルには敗北する(通称:当て馬)という相場は決まっているが、颯がアメリカンスキンシップスタイルなら話は変わってくる。

晴太との出会いそして颯との再会が杏花の恋路を揺るがしていくところにも目が離せない。

手紙に記された、亡き妻の思い

結婚だけが幸せのカタチではないという今の価値観からすれば、親の心配も子どもからはただの圧力だ。

しかし、杏花の優しさを誰よりも感じているからこそ、踏み出した婚活。

幸せになってもらいたいと願う純粋な気持ちを考えれば難しい問題であるが、林太郎は二人へ残した手紙に記された陽子の思いに触れていたのだ。

「私が死んだ後まで夫でいなくていい。プロポーズをしたい人を見つけてほしい。杏花も、幸せを見つけてほしい」

杏花と共に婚活に踏み出すことは、陽子の願いでもあったのだ。

結婚が永遠の愛を保証するものでもないし、お互い気持ちが持続するとは限らない。しかし男女が夫婦になるという辞書の言葉ではない答えを、陽子は知っていた。

「結婚してからずっと幸せだった」

この物語は、多様な生き方が当たり前になった時代に、自分にとって本当の幸せとは何か、そして誰かを愛することを通して、辞書の言葉だけではない、自分なりの答えを見つけていく父と娘の奮闘記なのだ。

彼らが辿り着く持続可能な未来は、どんな形をしているのだろうか。

持続可能な恋ですか?〜父と娘の結婚行進曲〜/TBS系で毎週火曜・夜10時~放送

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[文・構成/grape編集部]

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