桐谷健太を、木曜ドラマの主役に選んだ理由をプロデューサーが明かす By - 芳雪 公開:2023-05-25 更新:2023-05-25 インタビューケイジとケンジ、時々ハンジ。ドラマ桐谷健太 Share Post LINE はてな コメント 2023年4月から放送している、テレビドラマ『ケイジとケンジ、時々ハンジ。』(テレビ朝日系)。 grapeでは、ドラマ好きなイラストレーター、ゆう。(@yamapyou)さんが、見どころを紹介する記事を配信しています。 『ケイジとケンジ、時々ハンジ。』のドラマコラムはこちら grapeでは、『ケイジとケンジ、時々ハンジ。』のゼネラルプロデューサーを務める、服部宣之さんにインタビューを実施。 『ケイジとケンジ、時々ハンジ。』にかける思いや、ドラマの裏話をうかがいました。 ドラマが生まれるきっかけは『密造事件』 2020年放送のテレビドラマ『ケイジとケンジ 所轄と地検の24時』(テレビ朝日系)にも携わっていた服部さん。 2018年頃から企画を作り始め、さまざまな人に取材をし、どのような事件を取り上げるかなどを検討していたといいます。 服部さん 最初の頃にすごく記憶に残っているのがあって、「こういう事件をうまく扱える刑事ドラマにしたら面白いかも」って思ったのが、ある食品の『密造事件』でした。 服部さんのいう『密造事件』とは、ドラマの放送が始まる少し前に、ある宿泊施設が無許可で自家製の食肉を製造・販売したという事件。 本来は、食肉製品製造業許可が必要ですが、宿泊施設側はこの許可を取っていませんでした。 ※写真はイメージ 服部さん 今までこのような切り口の刑事ドラマがなかったから、面白いかなって思いました。『チャーシュー』に『密造』という言葉の組み合わせがすごく意外で…。 ですが、いわゆる強行犯係が扱う事件をベースに考えているので、結果同様の事件は扱いませんでした。でも、それはすごく覚えてます。 刑事・検事・判事が絡むからこその苦難 服部さんいわく、『1つの事件にまつわるすべての人々を描く』をコンセプトに、『ケイジとケンジ 所轄と地検の24時』からパワーアップさせた企画が『ケイジとケンジ、時々ハンジ。』。 「福田さんの脚本の力で想像以上に群像劇として、すごく面白く成立している気がします」と、自信をにじませます。 一方、刑事・検事・判事のそれぞれの立場から見る事件は複雑で、脚本の監修をしている関係者同士でも話の折り合いがつかないことも。 服部さん ドラマと同じで、監修者同士の意見が合わないんですよ。最終回の脚本でも、お互いそれぞれの立場から、監修としてお話をされるので、まったく相いれなくて…。 だからこそ、ドラマになるんだなと思いましたけどね。 服部さん 判事は、「被疑者は推定無罪である」と考えるべきだし、刑事・検察は捜査する側なので、「ここに犯罪が起こってる以上、必ず犯人がいる」って。 事件を起こした犯人を捕まえることを第一に考えている刑事・検察側と、まずは推定無罪と考える判事側。 脚本作りの段階で、「このいい回しだと、犯人側の人権が守られてないんじゃないか」など、各視点からせめぎ合いがあるといいます。 服部さん 「1番いい形はなんなんだろう」と、毎日僕らも勉強させてもらって。もちろん、ドラマなのでフィクションとして大きなウソは絶対についているんですよね。 でも、大きなウソをつくために、小さなリアリティをどれくらいいっぱい詰めるかで、このドラマの面白さって、まったく変わってくると思います。 服部さん 許せるリアリティはどれかとか、それぞれの立場で話し合っています。「これは勘弁してくれ」っていうところもあるし、なんか面白いです。 普通のドラマより制作に倍かかりますし、倍疲れます…(笑)。 セリフ1つとっても、監修の立場によって意見が異なるといいます。 8話のラストで処分が下るシーンでは、処分内容で意見が分かれたこともありました。 服部さん 処分内容が訓告だったり、厳重注意だったり、減俸だったりっていう考え方がお互い違うので、なかなか面白いですね。 『ただ処分の名前を変えればいい』というよりは、「この人はなんで怒られてるんだ」「何をやったから怒られてるんだ」っていうことの根本の考え方が全然違うんですよね。 服部さん 逆に、1つの事件なのに、意見とか物事に対する見方が違うっていうことは、そこにドラマの要素があるので、やっぱりドラマの作り方としては間違ってないんだなって思いました。 仲井戸豪太を元教師にした理由 主演の桐谷健太さんが演じる刑事・仲井戸豪太は、元体育教師。 『高校生をワルの道へと誘う悪人たちを根絶したいと思い、警察官に転職した』という設定があります。 異色の経歴のように見えますが、なぜ刑事を元教師にしたのでしょうか。 服部さん もともと中途採用の刑事っていうのが面白いと思っていました。 実際、中途採用の刑事は多いんですよ。お会いした人も何人かそうでした。「桐谷くんに似合う商売ってなんなんだろう」っていったら、どこかで人情派の熱い刑事でいてほしかったので…。 服部さん そうすると、思わず犯人に語りかけちゃって、先生の目線で何か事件とかを語れるほうが面白いのかなって思って教師にしました。 桐谷くんのキャラクターに合わせて、「じゃあ何を演ったら合うんだろう」「なんだったら面白いんだろう」っていうことがベースかもしれないですね。 服部さんに、豪太の人間くさいキャラクターを作り上げていく上で、意識していることを聞きました。 服部さん 学校の先生に怒られてる時は「くだらねえ話だな」「ピントがずれてることで怒ってんな」とか思うけど、何年か経ったら、「あの先生いいこといってたんじゃないか」みたいなことがあるじゃないですか。 元教師が取り調べをするとこうなるっていうことを、僕らも福田さんも考えながら本を作ってるので。だから絶妙にウザくて、絶妙にピントがずれていて、でもどこかでちょっと腑に落ちるんですよね。 教師に怒られて、のちのち言葉が響いてくる体験をしたことがある人もいるのではないでしょうか。 豪太の取り調べには、そんな一面が見え、それぞれの視聴者が原体験と合わせて見やすいのかもしれません。 次のページ新しく加わったキャスト陣 実はこういう背景があった 1 2 GACKT「キミは誰かから嫌われてない」 続く言葉に「腑に落ちた」「心が軽くなった」の声GACKTさんが、心のバランスを崩しそうな人へ送った言葉は?ネット上で反響が上がっています。 DAIGO、娘にハロウィン仕様のおにぎりを作ったら… 娘の発言に「#笑」DAIGOさんが、4歳長女のためにハロウィン用おにぎりを作ったら?切ない言葉が返ってきたようです。 Share Post LINE はてな コメント
2023年4月から放送している、テレビドラマ『ケイジとケンジ、時々ハンジ。』(テレビ朝日系)。
grapeでは、ドラマ好きなイラストレーター、ゆう。(@yamapyou)さんが、見どころを紹介する記事を配信しています。
『ケイジとケンジ、時々ハンジ。』のドラマコラムはこちら
grapeでは、『ケイジとケンジ、時々ハンジ。』のゼネラルプロデューサーを務める、服部宣之さんにインタビューを実施。
『ケイジとケンジ、時々ハンジ。』にかける思いや、ドラマの裏話をうかがいました。
ドラマが生まれるきっかけは『密造事件』
2020年放送のテレビドラマ『ケイジとケンジ 所轄と地検の24時』(テレビ朝日系)にも携わっていた服部さん。
2018年頃から企画を作り始め、さまざまな人に取材をし、どのような事件を取り上げるかなどを検討していたといいます。
最初の頃にすごく記憶に残っているのがあって、「こういう事件をうまく扱える刑事ドラマにしたら面白いかも」って思ったのが、ある食品の『密造事件』でした。
服部さんのいう『密造事件』とは、ドラマの放送が始まる少し前に、ある宿泊施設が無許可で自家製の食肉を製造・販売したという事件。
本来は、食肉製品製造業許可が必要ですが、宿泊施設側はこの許可を取っていませんでした。
※写真はイメージ
今までこのような切り口の刑事ドラマがなかったから、面白いかなって思いました。『チャーシュー』に『密造』という言葉の組み合わせがすごく意外で…。
ですが、いわゆる強行犯係が扱う事件をベースに考えているので、結果同様の事件は扱いませんでした。でも、それはすごく覚えてます。
刑事・検事・判事が絡むからこその苦難
服部さんいわく、『1つの事件にまつわるすべての人々を描く』をコンセプトに、『ケイジとケンジ 所轄と地検の24時』からパワーアップさせた企画が『ケイジとケンジ、時々ハンジ。』。
「福田さんの脚本の力で想像以上に群像劇として、すごく面白く成立している気がします」と、自信をにじませます。
一方、刑事・検事・判事のそれぞれの立場から見る事件は複雑で、脚本の監修をしている関係者同士でも話の折り合いがつかないことも。
ドラマと同じで、監修者同士の意見が合わないんですよ。最終回の脚本でも、お互いそれぞれの立場から、監修としてお話をされるので、まったく相いれなくて…。
だからこそ、ドラマになるんだなと思いましたけどね。
判事は、「被疑者は推定無罪である」と考えるべきだし、刑事・検察は捜査する側なので、「ここに犯罪が起こってる以上、必ず犯人がいる」って。
事件を起こした犯人を捕まえることを第一に考えている刑事・検察側と、まずは推定無罪と考える判事側。
脚本作りの段階で、「このいい回しだと、犯人側の人権が守られてないんじゃないか」など、各視点からせめぎ合いがあるといいます。
「1番いい形はなんなんだろう」と、毎日僕らも勉強させてもらって。もちろん、ドラマなのでフィクションとして大きなウソは絶対についているんですよね。
でも、大きなウソをつくために、小さなリアリティをどれくらいいっぱい詰めるかで、このドラマの面白さって、まったく変わってくると思います。
許せるリアリティはどれかとか、それぞれの立場で話し合っています。「これは勘弁してくれ」っていうところもあるし、なんか面白いです。
普通のドラマより制作に倍かかりますし、倍疲れます…(笑)。
セリフ1つとっても、監修の立場によって意見が異なるといいます。
8話のラストで処分が下るシーンでは、処分内容で意見が分かれたこともありました。
処分内容が訓告だったり、厳重注意だったり、減俸だったりっていう考え方がお互い違うので、なかなか面白いですね。
『ただ処分の名前を変えればいい』というよりは、「この人はなんで怒られてるんだ」「何をやったから怒られてるんだ」っていうことの根本の考え方が全然違うんですよね。
逆に、1つの事件なのに、意見とか物事に対する見方が違うっていうことは、そこにドラマの要素があるので、やっぱりドラマの作り方としては間違ってないんだなって思いました。
仲井戸豪太を元教師にした理由
主演の桐谷健太さんが演じる刑事・仲井戸豪太は、元体育教師。
『高校生をワルの道へと誘う悪人たちを根絶したいと思い、警察官に転職した』という設定があります。
異色の経歴のように見えますが、なぜ刑事を元教師にしたのでしょうか。
もともと中途採用の刑事っていうのが面白いと思っていました。
実際、中途採用の刑事は多いんですよ。お会いした人も何人かそうでした。「桐谷くんに似合う商売ってなんなんだろう」っていったら、どこかで人情派の熱い刑事でいてほしかったので…。
そうすると、思わず犯人に語りかけちゃって、先生の目線で何か事件とかを語れるほうが面白いのかなって思って教師にしました。
桐谷くんのキャラクターに合わせて、「じゃあ何を演ったら合うんだろう」「なんだったら面白いんだろう」っていうことがベースかもしれないですね。
服部さんに、豪太の人間くさいキャラクターを作り上げていく上で、意識していることを聞きました。
学校の先生に怒られてる時は「くだらねえ話だな」「ピントがずれてることで怒ってんな」とか思うけど、何年か経ったら、「あの先生いいこといってたんじゃないか」みたいなことがあるじゃないですか。
元教師が取り調べをするとこうなるっていうことを、僕らも福田さんも考えながら本を作ってるので。だから絶妙にウザくて、絶妙にピントがずれていて、でもどこかでちょっと腑に落ちるんですよね。
教師に怒られて、のちのち言葉が響いてくる体験をしたことがある人もいるのではないでしょうか。
豪太の取り調べには、そんな一面が見え、それぞれの視聴者が原体験と合わせて見やすいのかもしれません。