新田真剣佑の繊細な表情に心が震える 津田健次郎が描く病気に向き合う人生『19番目のカルテ』第3話
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2025年7月スタートのテレビドラマ『19番目のカルテ』(TBS系)の見どころを連載していきます。以下、ネタバレが含まれます。
かなさんがこれまでに書いたコラムは、こちらから読めます。
以前、津田健次郎が自身のモットーとして語った言葉が印象的で覚えている。
諦めなければ敗者復活戦はある。
それは津田健次郎が声優だけではなく、俳優として存在感が増してきた頃に、『食えなかった』苦しい二十代を振り返っての言葉だった。
自身の来歴を語る津田の穏やかな内容の中、シンプルなその一言に、苦しかった若い日の葛藤が透けて見えた。
もう一つ印象深いのは、俳優で十分に『食える』であろう最近でも、津田はことあるごとに声の仕事も大切だと語ってきたことだ。
アニメ、ニュースやバラエティのナレーション、能の舞台での朗読。
俳優と声優の境界線を自在に往来するタレントが珍しくない昨今だが、両方に高い存在感を示し、どちらも軸足というべき津田のキャリアは唯一無二だ。
3話に散りばめられた3つの印象深い場面
「声は、わたしの宝です」
だからこそ、『19番目のカルテ』(TBS系)で、医師たちに訴えかけたセリフにはフィクションの境界線を超えたリアリティがあった。
仕事と病を単純に切り分けられない人生の痛み。
地方都市の中にある、ありふれた総合病院に新しい診療科が設置され、一人の医師が赴任する。
その医師、総合診療科の徳重晃(松本潤)は、『病ではなくて人を診る』医師として、専門医と患者の間を繋ごうとしている。
最初は拒否反応を示していた同僚の医師たちも、徳重の仕事ぶりに少しずつ態度を和らげつつある。
そして新米整形外科医の滝野みずき(小芝風花)は、徳重に感化され総合診療医を目指すことを決意。
そんな中、咽頭がんの告知を受け、手術を迷うアナウンサー・堀田義和(津田健次郎)が、セカンドオピニオンを求めて総合診療科を訪れる。
印象深い場面がいくつも散りばめられた3話だった。
一つ目は、外科医・東郷康二郎(新田真剣佑)と徳重がベンチに並んで座る、2人の医師の背中。
康二郎は背筋をピンと伸ばし、徳重は少し背中を丸めている。
かたや力強いが厳格そうな背中と、かたや猫背気味で皺の寄った優しそうな背中。
並んだ二つの白衣の背中は対照的だ。しかしどちらも医師として真摯に患者に向き合っていることが伝わる。
二つ目は、二度目の問診で、堀田が「自慢のパパもあと少しですね」と呟いた時の、康二郎の「なぜ?」という問いかけと、その自分の問いに戸惑ったような表情のグラデーション。
驚いて徳重が振り向いたその先の、目線をわずかに上げて周囲を見回す新田真剣佑の繊細な表情は何度見ても心が震える。
僅かに心の扉が開いたその瞬間に、手を添えるように「続けて」と促す徳重の間合いも、針に糸を通すような絶妙さだ。
新田真剣佑は、今回かなり原作の康二郎に人物造形を近づけているように思う。
容姿以上に、原作そのままの雰囲気に時々ハッとする。無表情で不器用な新田真剣佑、予想よりもかなり良い。
三つ目は、最後に徳重と滝野が、赤池登(田中泯)を見送って別れるシーン。
師と弟子はそれぞれに相手を案じて振り返るが、そのタイミングはズレてしまう。
街を歩いた時に「まあそれも、あとちょっとで終わりだよ」と呟いた師の言葉が、弟子の心に微かにひっかかったとしても。
相手が患者なら、どんな些細な感情の揺れも感じ取り「聞かせてください」と言える男が、師であればこそ聞けないままのことがある。
徳重と滝野は、総合診療医としてのこれからのキャリアと研鑽を暗示するように坂道を登っていく。赤池は、静かに坂道を下りていく。
心に残る、美しくて切ない一幕だった。
今回のエピソードで、手術後に堀田の声はどうなったのか、アナウンサーとして復職出来たのかは、明確には描かれない。
3話のサブタイトルは『どの道を選んでも』。
だから、声が戻っても戻らなくても、復職出来ても出来なくても、選んだ道には納得があり、その人生は喜びと悲しみを繰り返しながら続いていくのだと思う。
誰の人生も、病気や老いと全く無縁ではいられない。
それらに悩み苦しむとき、誰かが寄り添って歩いてくれる社会になれば、と思うと少し勇気がわく。
このドラマは、その可能性の光を見せてくれる。
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[文・構成/grape編集部]
かな
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