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廃部寸前のソフトボール部 15人の少女が挑んだ、最後の夏

By - grape編集部  公開:  更新:

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出典:YouTube

2015年5月、三重県名張市にある三重県立名張高等学校の校庭では15人の少女たちが汗を流していました。

部員15人とマネージャー数人から成る、名張高校・女子ソフトボール部です。

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来たる県大会に向け、毎日練習を重ねている彼女たち。その中心に立ち、笑顔で掛け声をしているのがキャプテンの真優さんです。

ハードな練習中の彼女たちに笑顔であふれているのには、理由がありました。

廃部寸前の部で、最高の思い出を作りたい…

部員が足りず、単独チームとして試合に挑むことができなかった女子ソフトボール部。勧誘活動を頑張った甲斐があり、この年ようやく大会に出場できるようになりました。

しかし、当時1年生だった真優さんは3年生…。初出場であるこの夏が、高校生活最後の公式大会となってしまいます。

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部員の目標は、県大会ベスト8…。倉庫に貼られた15人それぞれの目標を書いた紙に、真優さんは『一笑懸命!私らしく、やりきる!』と書きました。

人数の関係で、今まで十分な練習はできませんでしたが、部員全員で最高の思い出を作ろうと決めたのです。

いつも笑顔の真優さん。しかし、つらいこともたくさんあった

部員の前ではいつも笑顔で明るい真優さんですが、キャプテンとして彼女は心の中にたくさんの苦悩を抱えてきました。

顧問の先生と交わしている交換ノートには、彼女の悩みや恐怖、迷いがたくさん綴られています。

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皆といるのが苦痛になり、部活へ行きたくなくなってきた。
自分のことが嫌いになってしまう。

私は本当に弱い。悔しい。

下級生との壁を感じたり、自分を非力だと思ったり、チームメイトに不満を感じたり…。何度も何度も大きな壁にぶつかっては、「もう辞めてしまいたい…」と思った真優さん。

しかし「人前で泣くのはカッコ悪い」と、いつも笑顔で部員をサポートし続けました。大好きなこのチームを、最後まで見届けるために…。

ついに迎えた2回戦。勝てば念願のベスト8に

青く澄み渡った空の下、ついに大会の2回戦が開幕しました。対する三重高校に勝てば、目標のベスト8です。

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3回まで0対0…お互い点数を譲らない、緊迫した空気が続いていました。しかし4回で展開が一変、三重高校が一気に5点も先取してしまったのです。

少しずつ点を得るも、焦りのせいかミスが連発してしまった名張高校。試合は11対2という結果になり、名張高校は2回戦敗退という結果になりました。

最後の夏が終わり、悔し涙を見せる真優さん

試合後、応援してくれた人たちに挨拶をしに行った名張高校女子ソフトボール部。お辞儀をすると、真優さんの目には涙が…。

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「カッコ悪いから、人前では泣きたくない」…そう思っていたはずなのに、涙を我慢することができなかったのです。

帰宅すると、顧問との交換ノートに真由さんはこう綴りました。

最後の最後まで、私は本当にカッコ悪かった。

真優さんは、自分のミスを責め続けました。

試合の10日後、応援団が全力でエールを届ける

名張高校に現れた、プロ応援団『我武者羅應援團(がむしゃらおうえんだん)』。

2年前、廃部寸前で苦しんでいた彼女たちに応援歌を送った彼らは、今回の大会に挑む彼女たちを見守っていたのです。

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「泣けるくらい、ソフトボールを好きになれた自分を誇ってください。
この悔しさと涙を力に変えて、このまま進み続けてください」

「勝った人を讃える歌が沢山あるなら、負けた人を励ます応援歌があってもいいはず」と考え、我武者羅應援團は応援歌を作りました。

披露された歌とメッセージには、彼らの熱い思いが込められていました。

歌を聴いて、再び涙を見せた真優さん。後日、自分の気持ちをこのように綴りました。

私はとても悔しかったです。
試合に負けたことも悲しかったですが、今までのことをたくさん思い出して泣いてしまいました。
絶対に泣かないと決めていたのに、試合中も終了後も涙が止まりませんでした。

これからの人生で再び悔しい思いをすることがあっても、諦めないでやり続けたいです。

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最後の夏は、残念な形で終わってしまいました。しかし温かい仲間たちや、練習に励んだ日々は、かけがえのないものとなったはずです。

この経験を胸に抱き、彼女たちは素敵な人生を歩んでくれることでしょう。

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出典
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