原作独特の絵をどう映像に? 『レゼ篇』制作陣がイベントで明かした、意外な背景【徹底レポ】
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興行収入が100億円突破! 大ヒットの『チェンソーマン』制作陣がトークショー【秘話】大ヒット公開中の劇場版『チェンソーマン レゼ篇』の制作陣が語る名シーンや演出裏話をレポート!吉原達矢監督らが明かす、デンジの表情のこだわりなどを詳しく紹介します。

鬼滅・伊黒小芭内は実在した!? クオリティが高すぎるコスプレに「これは本物」2025年7月18日に公開された、漫画『鬼滅の刃』を原作とするアニメ映画『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』。同映画にも登場し、原作を通じてひときわ大きい存在感を放つのが、『柱』と呼ばれる最高位の剣士たちです。同年8月5日、ビスケ(@his_ke)さんは、そんな『柱』の1人にふんしました。






テレビシリーズから引き続き、作中の音楽を担当した牛尾さん。
制作面で異なる点を問われると、このように明かしました。
テレビシリーズとは違って、映画では『フィルムスコアリング』と呼ばれるやり方で、映像に合わせて音楽を作ります。尺にぴったり合わせるのはもちろんですが、重要なのは視聴環境です。
例えば、ラストでデンジとレゼが海辺にいるシーン。実は、流れているバイオリンの音は、かなり繊細な現代奏法なので、テレビだと聞こえないんですよ。
劇場は静かで、良いスピーカーで集中して聞けるので、映画ならではの表現ができました。『レゼ篇』が映画化されることを聞いた時点で、小さい音から大きい音まで使えるオーケストラの演出をやろうと思っていました。
特に、デンジとレゼが触れ合うプールのシーンでは、それがうまく作用して、やっていて楽しかったですよ。
牛尾さん(撮影:grape編集部)
牛尾さんが入念な計算があった上で表現された、作中の音楽。
デンジとレゼがプールで仲を深めるシーンは、美しい音楽の力も相まって、ロマンチックな場面の魅力が引き立てられたようですね。
デンジとマキマのデートシーン 店内の小さなBGMの秘密
途中、牛尾さんから中園さんに質問が投げかけられる場面も。話題に上がったのは、序盤のデンジとマキマのデートシーンです。
映画を観てはカフェに戻るという、同じ行動を繰り返す中で、店内でかすかに流れ続けるBGMについてでした。
中園:デンジとマキマのデートシーンでは、朝から夜まで4つの時間帯が出てきていました。
利用しているカフェは同じなので、基本的に同じような曲が流れているとは思うんですが、短い時間でも「一緒の音だ」とは感じてほしくないんです。
おそらく実際の店でも、少なくとも有線で流れていると、なにかしらかけられる音楽のパターンはありそうだなと。
時間の経過を絵だけでなく、音楽でもさらっと表現して、「このデートいいな」と思ってほしかったんです。
撮影:grape編集部
レゼがロシア語で歌う『ジェーンは教会で眠った』 制作時の苦労とは
レゼが劇中で歌うロシア語の楽曲『ジェーンは教会で眠った』が印象的な人も多いでしょう。
藤本さんが描いた原作の歌詞を実際に音にした牛尾さんが、特別な制作背景を語りました。
まずロシア語が分からず、どこで言葉を区切ればいいのか分からなかったので、翻訳家の方と重ねたやり取りは実務的にかなり大変でした。
後は、原作の歌詞を過不足なく使っているんですが、歌詞の文量が一般的なものと比べてすごく多いんです。そのまま間奏を入れてしまうと、2分以上の長い曲になってします。
ですが、映画として90秒ほどしか尺がないのが分かっていたので、途中で変拍子を入れるなどして、すごく切り詰めました。歌う際にブレスを入れるタイミングがなくなってしまうので、声優の上田さんに「人力で頑張ってもらうしかない」という感じでした。
映画ならではの美しい曲は、牛尾さんの柔軟なアイディアと、スタッフの力が結集して作り上げられたのですね。
迫力満点のバトルシーン 映像と音楽がかみ合う瞬間
終盤の迫力あるバトルシーンについての、映像と音楽の緻密な設計についても語られました。
牛尾:もともと私はダンスミュージックを作っていたんですが、音楽がずっとピークのように盛り上がっている状態だと疲れるんですよね。
なので、デンジとビームがビルに飛び込んだシーンでは、音が1回終わる構造にしています。展開のピークを後ろにしつつ、要所で見ても、盛り上がっている構成になったのではないでしょうか。
アニメのサウンドトラックをダンスミュージックにアレンジするライブを担当した経験も生きたと思います。
中園:ロックバンドの『マキシマム ザ ホルモン』さんの『刃渡り2億センチ』が、デンジがチェンソーマンに変身して車の上に乗る場面に流れますよね。音楽を流すシーンは、当初の想定とは違う位置になりました。
別のスタッフから「ここに当てた方がハマるのでは」という意見が出て、それを採用しています。
担当の垣根を越えて自由にアイディアを出し合った結果、迫力あるシーンが完成したようです。
また、事前にSNSで募集したファンからの質問に、制作陣が直接答える場面もありましたよ。