【恋です!〜ヤンキー君と白杖ガール〜 第2話】 「あなたには分からない」そう言われて森生が取った行動は…?
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第1話から「勉強になる」「二人の恋を応援したくなる」と好評だったテレビドラマ『恋です!〜ヤンキー君と白杖ガール〜』。
前回、ユキコ(杉咲花)が森生(杉野遥亮)に心を開いたかに見えたのですが、「知らなかった世界」の住人同士、そう簡単に距離を縮めることは出来ないようです。
2021年10月13日に放送された第2話では、住む世界が違いすぎる二人のすれ違いが描かれました。序盤、ひょんなことからユキコと森生が二人で映画を観に行くという、楽しい展開になります。
観に行ったのはゾンビ映画。そこで森生は初めて「スマホアプリで映画の音声ガイドが聞ける」ということを知ります。筆者も森生と同じく、初めて知りました。本当に勉強になるドラマです。
映画館では、森生がポップコーンをユキコの手に乗せてあげたり、お返しにユキコがチュロスを森生の口に突っ込んだり、ユキコに顔を近づけられた森生が「キスをされる」と勘違いしたり。
※写真はイメージ
微笑ましいシーンの連続にニヤニヤとしながら、ゾンビに怯えてユキコにすがりつく森生の姿に「黒ヒョウじゃなくて子猫だな」なんて思って笑っていたのも束の間。
着実に親密さを増していた二人の間に、亀裂が生じる出来事が起きるのです。
あなたには分からない
二人の間に亀裂を生じさせたのは、森生に恋心を寄せる幼馴染・ハチ子(生見愛瑠)。
彼女はヤキモチから、ユキコに心ない言葉を浴びせます。
「森生は困ってる人を放っておけないタチだからユキコの事も放っておけない」と話し、「私も白杖を持ちたい」などと軽率な発言をして、ユキコの逆鱗に触れてしまいました。
ハチ子の言葉に傷ついたユキコは、自分に優しく接する森生に「私の気持ちなんて分かるわけない」と言って突き放し、それ以降、彼と会うのを避けるようになります。
ユキコにとって白杖を持つことは「自分は障害者だ」と認めることであり、辛い覚悟を強いられることでした。
ユキコの相棒である白杖に、そんな意味と覚悟があったとは。
失言をしてしまったハチ子にも、おそらく森生にも、想像できなかったことでしょう。
もちろん筆者も衝撃を受けました。言われて初めて「そうか」と気が付けることであり、経験した人にしか分からない、まさに「あなたには分からない」本音であると言えます。
※写真はイメージ
ユキコから突き放された森生は、ユキコの姉・イズミ(奈緒)からも「見えない世界にいるユキコの気持ちは、あなたには分からない」と言われ、さらに追い討ちをかけられます。
ユキコだけならまだしも、イズミにまで「あなたには分からない」と責められる森生が、不憫で仕方ありませんでした。
「あなたには分からない」というのは、相手の理解を拒んで距離を置くための、とても寂しい言葉に感じます。
「そもそも違う世界に住んでいたのだから、分からないのはお互い様なのに…」と、筆者はイズミの発言に腹を立てました。
しかし、森生は、そんなことで諦めるようなヤワな男ではなかったのです。
分からないなら、分かるための努力を
森生と会わない日々が続いたユキコでしたが、父親との何気ない会話でこれまでの森生との時間を思い出し、それを「楽しかった」と感じます、ユキコは、森生に会いに行く決心をしました。
森生の住む町までバスで行くのですが、知らない場所に一人で行くのは、ユキコにとってはリスクを伴う行為です。
勇気を出してバスに乗って、乗り間違えて、知らない場所で降りて途方に暮れて…と一波乱ありますが、たまたま通りかかった森生のライバル・獅子王(鈴木伸之)に送ってもらい、無事に辿り着けたユキコ。
※写真はイメージ
そこで彼女が遭遇したのは、タオルで目隠しをして階段から転げ落ちる森生でした。
なんと森生は、ユキコを理解するために、目隠しをして歩いてみたりカップラーメンを作ってみたり、日常生活の様々なことにチャレンジしていたのです。
「あなたには分からない」と言われて「そんなのお互い様よ」と、そこでイジケて思考を止めてしまう筆者のような人間には、全く思いも寄らない行動でした。
もしも森生が筆者のような思考の持ち主であれば、この恋はとっくに終わっていたに違いありません。
「分からないなら分かるために努力をする」そんな森生の純真さと無邪気さに心を打たれました。
目隠し体験から、今まで目で見ても気付かなかったことに気が付けて、「ユキコに近づけた気がした」と話す森生。そんな森生に「会いたいから来た」と素直な気持ちを伝えるユキコ。
ユキコは森生の優しさに触れて少しずつ心を開き、森生はユキコに寄り添うことで成長している気がします。
※写真はイメージ
違う世界の住人だった二人の間には、まだまだ高い壁がありそうです。
それは、二人の気持ちのすれ違いだったり、あるいはラストで二人の前に立ちはだかった姉・イズミの存在だったりするのでしょう。
今回、森生が投げかけられた「あなたには分からない」という言葉に象徴されるように、人の背負った苦しみを他人が理解するのは難しいのかもしれません。
それは「幸せの形」が人によって違うのと似ていますね。
目の不自由なユキコ、顔に傷があって不良として偏見を持たれる森生、好きな人に全く相手にしてもらえないハチ子。
誰がどのくらい辛くて不幸せなのか、ある程度想像はできても、本当のところは本人にしか分からないことです。
ユキコも言っていましたが、生きていれば、嬉しいことも悲しいこともラッキーもアンラッキーも日常の中には訪れて、それを繰り返して人生は進んでいきます。
その中で何を不幸と思い、何を幸せと思うかは自分次第。
そして森生という青年は、ユキコの苦しみも喜びも共有できるキャパシティを持っていると感じます。
これまでのストーリーを通して見えてきた、森生の素直さと一生懸命さ。これだけ視聴者に届いているのだから、きっといつかイズミにも届いてくれると信じて。
第3話も楽しみに待ちたいと思います。
[文・構成/grape編集部]