【持続可能な恋ですか? 第2話 感想】言葉の裏に隠された『優しい嘘』
公開: 更新:
GACKT「キミは誰かから嫌われてない」 続く言葉に「腑に落ちた」「心が軽くなった」の声GACKTさんが、心のバランスを崩しそうな人へ送った言葉は?ネット上で反響が上がっています。
成田凌「嫌な感じだった」 仲の悪かった同い年の俳優を実名告白仲が悪かったという成田凌さんと、間宮祥太朗さん、今では仲が良く、現場での対応にいじめを疑った成田さんが、間宮さんに相談すると?
grape [グレイプ] entertainment
Twitterで人気ドラマの感想をつづり注目を集める、まっち棒(@ma_dr__817125)さんのドラマコラム。
2022年4月スタートのテレビドラマ『持続可能な恋ですか?〜父と娘の結婚行進曲〜』(TBS系)の見どころや考察を連載していきます。
「ご縁がありませんでした」「相性が良い」「友達以上、恋人未満」…これらの言葉には、『嘘』が隠れている。
婚活パーティー後、父と娘に届いた正反対のメール
父と娘のダブル婚活がスタートした沢田杏花(上野樹里)と父・林太郎(松重豊)だったが、婚活パーティーに参加した後日、メールが届く。
林太郎には「もう一度会いたいという女性がいる」との報告があったものの、杏花には「ご縁は今回、残念ながら…」という断り文句だった。
この「ご縁がありませんでした」というのは、私たちもよく目にする言葉である。
これが日本語らしい婉曲表現として用いられていたとしても、相手を傷つけない優しい嘘だとしても、つい「初めから縁なんてないんだから…」と傷ついてしまいがちだ。
杏花も、婚活自体乗り気ではなかったものの、自分の縁とは結局何なのか、考えてしまった様子だ。
そんな杏花に構わず、ノリノリな林太郎は「二人で入会しよう」と言い出し、杏花も渋々入会するはめに。
寂しさを埋めるために別の男性と会うも?
訪れた結婚相談所で、杏花は『友達』の晴太(田中圭)と再会する。
そこで、幼馴染の不破颯(磯村勇斗)から、「連絡先を教えてほしい」と聞かれたことを伝えられた杏花は、結婚カウンセラーとして紹介されているように感じ、複雑に思うのだった。
杏花は既に晴太に心惹かれていたのだ。
友達以上、恋人未満を意味する『サム』な関係…。寂しい思いをした杏花は『お見合いAI』でマッチングした、趣味が合うという男性・瀬川(じろう)とお見合いすることに…。
現代の最新の婚活は、AIでのマッチングも主流になってきており、その約83%が成功しているそう。
瀬川と杏花も、旅行が好き、和菓子が好き…。林太郎に会いたいと訪れた女性との間でも、読書という共通の趣味があった。
しかし二人は、相手との会話の中で少しずつズレを感じていく。
杏花は一人で旅行をすることが好きで、和菓子が好きというのも、あん団子とみたらし団子で食い違い、読書が好きというのも、林太郎の読書のレベルが高すぎて…。
趣味が合うというだけで、相性が良いということにはならないのである。
長年連れ添ってきた夫婦が突然離婚してしまう理由にも、ほんの小さなズレが積み重なって、本当は…というのもよく聞く話だ。
父と娘の価値観のズレ
結局マッチングは上手くいかず、自分のことでキャパーオーバーだと退会を決めた杏花だったが、林太郎にそのことがバレてしまう。
ただ娘に幸せになって欲しいと願う父に対し、『好きな人と結婚する=幸せ』とは考えられない娘。
林太郎は、自分がそうだったからという理論を押し付けているし、杏花もつい意地になって反論してしまっている。
しかし、どうでもいいことで喧嘩になってしまう二人には良い時間だと思う。
傾き始めた太陽の淡い光が差すリビングで、『結婚=幸せ』かどうかを真正面から話し合い、互いの価値観をぶつけ合う時間というのも必要なのだ。
そんな、ただぶつかり合うだけだった二人は、結婚、そしてこれからの人生に真剣に向き合おうとしたからこそ繋がれた人達の価値観を知り、お互いを認め合えるようになっていく。
婚活パーティーで職業を偽っていた女性・明里
林太郎は婚活パーティーで気になっていた日向明里(井川遥)と再会する。
明里はあの場では司書と嘘をついていたが、本当の職業は医者であった。
医者ならば求められる存在だと思われがちであるが、この年まで結婚していないのは何故かというバイアスがかかってしまうものだ。
明里は、学歴、年収、職業…相手の持ち物に期待せず、好きという気持ちだけで結婚がしたい。
必要な時期に、必要な出会いがあるって奇跡を信じてみたい。そんな思いで嘘という努力をしていたのだ。
林太郎は、結婚が当たり前ではない時代にもある奇跡を信じる思いに触れた。
ハッとさせられる晴太の言葉
杏花も相性が良いとは何なのかを考えていた。晴太と意気投合したのはお互いに結婚願望がないことだった。
だが、杏花が好きなにんじんも、団子も晴太は嫌いなのだ。
生活の部分でも考え方ももっと違うことがあるとするならば、相性は良くないともいえてしまう。
しかし、本当は趣味や価値観の違いとは関係なく、惹かれるものであり、それと結婚は違うものなのだ。相性が良いというのは、価値観が合うということではない。
「そういう違いも認めて、ちょっと諦めて、受け入れられるのが夫婦で親子で家族なんかじゃないかって」
晴太の言葉にハッとさせられる。
お互いの欠点を助けていきたいと思える人との出会いがご縁であり、相手の好きなものも嫌いなものも認め、そして時に優しい嘘をつきながら、生きていく…これが本当の相性が良いということなのではないだろうか。
言葉の裏に隠された『優しい嘘』
お互いの好きも嫌いも知ろうとする二人から感じられるのは、友達以上な恋人未満の『サム』な関係だ。
友達になるには嘘になるほどはみ出した友愛と、恋人になるには嘘にはなるほど、心もとない恋心が成立させる、曖昧で幸福な関係。
まだ友達だからと自分に嘘をつきながら、密かに惹かれあう二人。これも、相手や、自分を傷つけないための優しい嘘なのだ。
「ご縁がありませんでした」「相性が良い」「サム」…ここには確かに『優しい嘘』が隠れている。
第二話で、杏花を取り巻く関係も進展した。颯は杏花のヨガ教室に入会し、積極的にアプローチをするなど強気だ。そんな中、迎えるラストで杏花が目にしたのは、女性と待ち合わせする晴太だった…!
ますます加速する親子の恋愛模様、そして杏花、晴太、颯の三角関係にも注目だ。
この記事の画像(全18枚)
持続可能な恋ですか?〜父と娘の結婚行進曲〜/TBS系で毎週火曜・夜10時~放送
ドラマコラムの一覧はこちら
[文・構成/grape編集部]