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【持続可能な恋ですか? 第8話 感想】自分にとっての人生の優先順位とは?

By - grape編集部  公開:  更新:

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Twitterで人気ドラマの感想をつづり注目を集める、まっち棒(@ma_dr__817125)さんのドラマコラム。

2022年4月スタートのテレビドラマ『持続可能な恋ですか?〜父と娘の結婚行進曲〜』(TBS系)の見どころや考察を連載していきます。

「自分にとっての人生の優先順位って…?」

『持続可能な恋ですか?〜父と娘の結婚行進曲〜』第8話は、独立をサポートにするにあたり、コンサルタントの安奈(瀧内公美)から人生の優先順位を聞かれ、杏花(上野樹里)は「今は仕事、独立が一番」ということを伝えるところから始まる。

仕事、お金、恋愛、結婚…。『自分らしく』生きていくために、どれも大切だからと全てを取りにいけるような人生を歩むには難しい。

何か一つ選べば、何かを諦めることになるのが今の厳しい世の中だ。

第8話は、杏花と晴太(田中圭)が決めた持続可能な恋のためのルールが波乱を巻き起こしていく。

晴太の元妻・安奈が抱える不安

杏花は自分らしさが何かわからないままであるものの、仕事ファースト、晴太とはお互い無理なく付き合うことを心に決めていた。

安奈は杏花の思いを汲み取り、仕事相手として独立へのプランを提案する。

しかしその裏で、杏花と晴太が交際していることに気づいている安奈。

恋を持続させるための、結婚しない交際。この無理のない付き合いが無意識に無理をさせているのではないかと心配していた。

「再婚しても構わない、ちゃんと覚悟があるなら」

安奈は結婚する気がない杏花を虹朗にむやみに会わせたくなかった。

杏奈の願いは虹朗(鈴木楽)の母親になってくれること。

恋愛も再婚も自由と言いながら、大阪での仕事で3年もこの場所を離れる決断を迫られている中、虹朗を残していくのが杏奈にとって、何より不安なのだ。

林太郎に『お見合い』を申し込んだ明里の衝撃のひと言

一方、林太郎(松重豊)は明里(井川遥)からお見合いを申し込まれる。

真意が分からず混乱する林太郎だったが、明里は前回のデートで抱いた林太郎への感情が何か確かめたいのだった。

林太郎は練習だと自分を納得させて臨んだお見合い当日、明里から予想外の言葉が返ってくる。

「違います、練習じゃないです。私と交際していただけませんか?」

腰痛持ちで歳が離れていて、介護が視野に入った自分に『恋』の感情を抱いているという明里に驚きを隠せない。

杏花からも「お父さんと婚活するメリットある?」と言われたくらいだ。

しかしそれでも明里は、林太郎を思う満たされない気持ちこそが恋と呼ぶべきものだと感じていた。

恋=会いたい、そばにいたいと思う、満たされない気持ち。

そして同時に『満たされた気持ちにもなる』のだ。

明里はこの辞書以上の意味をどう伝えるべきなのか悩んでいた。

林太郎はそれに「伝わりました」とだけ言い、一旦保留として立ち去ってしまい、お見合いは終了した。

そんな中、フランスから帰国した颯(磯村勇斗)は杏花へお土産を渡しに沢田家に帰ってきていた。

杏花がお土産を開けていると、突然、颯は杏花の左手を取り、跪く。

その左手にはめられたのは…まさかのスマホリングだった。

「これは婚約指輪でプロポーズの流れでしょ!?」と思いつつ、すぐスマホを無くす杏花のことを、颯は一番に考えて選んだのだ。

杏花に思いは届かないままの颯だが、「杏花が一番」と何の迷いもなく真っ直ぐ伝えてくれるところについ惹かれてしまう。

そんな颯は、「身寄りのない子供たちの学校を作ることが夢だ」と語る。

幼い頃、杏花の家で笑いの絶えない日々を過ごしたことを思ってのことだ。

颯は、杏花と出会ったことで、新しく世界が広がり、自分の夢を見つけることができたのである。

キーワードとなるこの『新しい世界』。

前回でも、晴太と杏花の出会いが二人の世界を広げていると強く感じたが、誰かと関わることで知らなかった自分を知ることになる。

出会いは、自分らしさを知るきっかけにもなるのだ。

しかし、自分らしさが何かを探し続けていると、やがて『自分』という檻を無意識に作ってしまい、その中でもがき、行く先を見失ってしまうこともあるのだ。

MIKAKO(ゆりやんレトリィバァ)が言う「自分らしさなんて探してたら、不幸になる」の不幸とは、まさに行く果てだ。

杏花も、仕事を優先させて、恋もする…自分らしく生きるのなら、結婚は難しいと考えたからこそ、「お互い二番で」という晴太とのルールを決めた。

しかし、無理をしない日々の中には『無理』が隠されている。

持続を追い求めるあまり、持続させるのに疲れるという矛盾が起きている。

二人はどうでもいい話題でも沢山笑い合っていたが、いつしか仕事の邪魔か、虹朗の世話で大変か…と考え、気軽に話せなくなっていた。

2人で決めたルールが破られた出来事

ある日、独立へ向けた話し合いをしていた杏花のもとに晴太から電話がかかる。

「熱を出した虹朗を仕事で遠い場所にいる自分に代わって迎えに行ってほしい」ということだった。

仕事ファーストの杏花に、お迎えを頼むことは二人が決めたルールに反していた。

そして晴太も、虹朗を一番に考えたいと思いつつも、生活を守るための仕事は結局外すことはできなかった。

杏花は迎えに行くと返事をする。しかし仕事相手からは「成功したいなら優先順位を考えろ」と言われ、一度は颯に頼んだものの、どうしても気になって杏花は仕事を抜けて晴太宅に向かった。

人の事情も知らずに、優先順位を勝手に決めるなと思うところだが、問題の背景にある原因や何に悩んでいるのかは、他人には知る由もない。

何を優先させるのか、全ては自分次第だ。

初めてそろって顔を合わせた晴太、杏花、安奈

そして同じ頃、晴太達のもとに安奈も駆けつけ、初めて三人が顔を合わせる。

「母親になる気がないなら、中途半端に虹朗にかかわらないでほしい」

安奈は、二人の結婚を前提にせぬまま、家庭にどんどん介入してしまえば、まだ幼い虹朗も、杏花もお互いを切り離せなくなることを懸念していた。

今以上に無理することを頑張らなきゃならなくなる。

全部任せっきりだった晴太に代わり、安奈は家庭の全てを背負い、無理をして、限界を迎えたのだ。

「全部選んで進むのは、相当覚悟がないと。私には…できなかったから」

自分ができなかったからと生き方を押し付けることこそ間違っていることではあるが、ここで杏花を縛り付けることになる。

自分らしくいるためにお互い無理をしないというルールは、相手を無理させないように気遣わせるだけの足枷にしかならなかった。

「無理することを頑張る」なんていう、言葉がおかしいと笑えるような社会には、まだ遠いのだ。

その夜、杏花は電気もつけない部屋の中で晴太のことを考え、一人、涙を流していた。

「私が本当に見つけたい新たな自分って、何なんだろうって」

杏花は「晴太との恋を祝福してほしい、林太郎のことも祝福するから」と伝える。

林太郎は「どんな人との将来でも、新しい世界が広がるから祝福したい」と言ってくれていたからだ。

林太郎は「ああ」と言うだけだった。電気もつけず、ただ一人で泣く杏花を見て、父として心から祝福はできなかった。

次回、沢田夫婦の秘密が明かされる?

そして杏花と晴太、林太郎と明里はそれぞれの関係がまた動き出す。

「結婚を前提にお付き合いしてくれませんか」と告白した杏花だったが、晴太からは「もう終わりにしましょう」と別れを告げられ、林太郎は明里からの交際の申し込みを断ってしまう。

父娘揃って失恋してしまった二人。

そして沢田夫婦が抱えていた秘密とは…?それぞれの決断、恋もクライマックスへ加速していく。

持続可能な恋ですか?〜父と娘の結婚行進曲〜/TBS系で毎週火曜・夜10時~放送

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[文・構成/grape編集部]

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