文鳥の寿命はどのくらい？長生きのコツやかかりやすい病気を解説

文鳥の寿命は、性別や種類によって多少の違いはありますが、８〜１０年程といわれています。ただし、飼い方次第では、さらに寿命が延びる可能性もあるようです。

当記事では、文鳥の平均寿命や、かかりやすい病気、長生きさせるために気を付けてほしいポイントについて解説します。文鳥と、長く一緒に過ごしたいと考えている人は、ぜひ参考にしてください。

文鳥の平均寿命はどのくらい？

文鳥の寿命は、８〜１０年程といわれています。これまでに、１８年間生きた個体もいたそうですが、ギネスブックなどの公式記録には残されていないようです。

文鳥は、性別によって寿命の長さが異なります。メスとオスでは、どちらかというとオスのほうが長生きする傾向にあるようです。

メスは産卵のたびに体力を消耗するほか、卵詰まりや卵管脱など、生殖器系の病気にかかることが多いため、オスよりも短命な傾向にあるのかもしれません。

文鳥の種類ごとの特徴と平均寿命

文鳥はさまざまな種類に分かれており、模様や習性など、それぞれに異なる特徴を持っている点が魅力です。ここでは文鳥の種類ごとの特徴や違い、平均寿命について解説します。

ノーマル文鳥（並文鳥）

ノーマル文鳥は、文鳥の中で、もっとも一般的な種類です。

『並文鳥』とも呼ばれ、古くから親しまれています。丈夫で飼いやすいため、ペット初心者にも人気があるようです。

寿命は、８〜１０年程といわれています。黒い顔に、白い頬、赤いくちばしが目印となっています。胸から腹にかけて見られる、灰色と薄茶色のグラデーションが特徴です。

桜文鳥

桜文鳥は、ノーマル文鳥と白文鳥の交配種で、寿命は８〜１０年程とされています。ほかの品種より丈夫だといわれており、初心者でも飼いやすい点が人気の理由です。

ノーマル文鳥と似ていますが、背中や翼にあるまだら模様が『桜の花びら』のように見えるため、この名前が付けられました。

白文鳥

白文鳥は、全身が白く、くちばしがピンク色で人気の高い品種です。全身が白いですがアルビノではなく、遺伝的なものだとされています。

寿命は、後述するシナモン文鳥、シルバー文鳥、クリーム文鳥などに比べて長い傾向にあり、一般的には８〜１０年とされているようです。

シナモン文鳥

シナモン文鳥は、ノーマル文鳥と似ていますが、全体的に淡い茶色なのが特徴です。頭部と尾羽が濃い茶色で、胸や腹は薄い茶色になっています。

改良種のため寿命が短い傾向にあるものの、他種と大きな差は見られません。桜文鳥や白文鳥に比べるとやや繊細な性質で、タフではないといわれています。

シルバー文鳥

シルバー文鳥は、ノーマル文鳥よりも薄めのカラーなのが特徴です。黒やグレーの色合いが薄く、全体的に銀色に見えることから、シルバー文鳥という名前が付きました。

文鳥の中でも人気の品種ですが、価格はやや高い傾向にあります。

ノーマル文鳥や桜文鳥、白文鳥と比べると、健康面では若干弱いようです。そのため、ノーマル文鳥などに比べると、寿命が長くはない傾向にあります。

クリーム文鳥

クリーム文鳥は、複数の品種を掛け合わせて生まれた品種で、シナモン文鳥に色合いが似ています。

全体的に白みが強く、淡いパステルカラーなのが特徴です。独特の柔らかい色合いが、多くの人を魅了しています。

クリーム文鳥は１９９０年代にイギリスで品種改良された新しい種類の文鳥で、体質が強くないといわれており、平均寿命もやや短い傾向にあるようです。

文鳥の寿命を延ばすための４つのポイント

文鳥は、環境や栄養面を整えることで、寿命が延びる可能性が高くなります。文鳥の寿命を延ばすために、飼い主が注意すべき４つのポイントを紹介しますので、参考にしてください。

適切な飼育環境や栄養を心がける

文鳥の健康を守るためには、適温を維持し、強い香りや煙、光などの刺激を避けてください。新鮮な水とエサを用意し、自由に動けるスペースや羽繕いができる環境を与えるとよいでしょう。

総合栄養食のペレットは、栄養のバランスに優れていますが食い付きが悪いため、幼鳥の頃から慣らしたほうがよさそうです。

混合シードや野菜で栄養を補うことも可能ですが、避けたほうがよい野菜もあるため、事前に確認してから与えましょう。

定期的に健康をチェックする

文鳥の健康を守るには、日常的に観察し、メンテナンスをする必要があります。例えば爪が伸びていると、止まり木にうまくつかまれないため処置が必要です。

放鳥中にもスキンシップを取りながら、体調の変化を確認してください。フンの様子やくちばしの色、目の周りをチェックすることで健康観察ができます。

文鳥の健康チェックを習慣にして、異変があれば早めに対処しましょう。

ストレスを与えない

文鳥は強いストレスを受けると、毛を抜く『毛引き症』や、皮膚を噛む『自咬症（じこうしょう）』を引き起こすようです。また複数飼いの場合は、仲間を失うことで『後追い』し、残された文鳥が亡くなるケースも見られます。

文鳥はさびしがり屋の性質を持つ傾向にあるため、日頃からストレスの解消に努めましょう。

自由に飛び回れる時間を作ったり、スキンシップをはかったりすることが大切です。退屈や孤独を避けて、ストレスのない環境づくりを心がけてください。

異常に気付いたら病院に連れて行く

文鳥は体が小さいため、ちょっとした不調でも命に関わる危険性があります。食欲低下や動きの鈍さなどの異変に気付いたら、速やかに病院へ連れて行きましょう。

鳥類を診察できる獣医は、犬や猫の専門医に比べると多くはありません。そのため、文鳥を診てくれる病院を事前に見つけておくと安心です。

日頃から文鳥の健康状態を観察し、異常があれば早めに受診しましょう。

文鳥がかかりやすい６つの病気と予防方法

ここからは、文鳥がかかりやすい６つの病気と予防方法について解説します。

気道炎

文鳥が気道炎にかかると、くしゃみや咳などの症状が見られるようです。気道炎は、寒暖差によって体力が低下した際に発症しやすいといわれています。

軽度の場合は室温を上げ、体を温めることで回復する可能性もあるようです。ただし、放置すると重症化し命に関わる恐れもあるため、異変に気付いたら早めに診察を受けてください。

はばき

『はばき』を発症すると、脚の表面が乾燥のために硬くカサカサな状態になり、剥がれやすくなります。人間の乾燥肌に似ており、特に高齢の文鳥に多い症状です。

新陳代謝の低下や、ミネラル、ビタミンの不足が原因といわれています。日頃から脚の状態をチェックし、食べられる青菜類を与えて適切な栄養を心がけましょう。

甲状腺機能低下症

甲状腺機能低下症は、甲状腺の働きが弱まり、新陳代謝が衰える病気として知られています。『羽が抜けやすくなる』『脚の皮膚が乾燥して白くなる』『体重が増加する』などの症状が見られるようです。

甲状腺ホルモンの成分となるミネラルである『ヨード（ヨウ素）』が、不足することが原因と考えられており、治療の際には、甲状腺ホルモン製剤やヨード剤の投与が行われます。

予防するためには、食事管理を適切に行い、ヨードを含む栄養剤を水に混ぜるなどの対策を取るとよいでしょう。

コクシジウム症

コクシジウム症とは、腸管内にいる寄生虫が炎症を起こすことで、下痢などの症状が見られる病気です。感染した文鳥の便を介して経口感染する傾向にあり、特に免疫が低下した個体が発症しやすいといわれています。

放置すると衰弱し命に関わる恐れがあるため、発症した個体は早急に隔離し、治療を受けさせましょう。

感染を防ぐためにも、日頃からケージ内をこまめに清掃し、衛生管理の徹底を心がけてください。

栄養性脚弱症

栄養性脚弱症は、巣立ち期の幼鳥に多く見られる病気で、ビタミンやカルシウム不足が原因だといわれています。脚に力が入らず、ふらつきや歩行異常の症状が見られるようです。

幼い文鳥の健康を守るために、栄養バランスの取れた食事を意識し、成長期に必要なビタミンやミネラルを十分に補給しましょう。

卵詰まり・卵管脱・総排泄腔脱

文鳥を含む鳥類のメスは、排泄と産卵を総排泄腔で行います。総排泄腔が詰まると、卵が出せなくなる『卵詰まり』や、卵管や総排泄腔が飛び出す『卵管脱・総排泄腔脱』を発症する恐れがあるようです。

卵詰まり、卵管脱、総排泄腔脱を放置すると命に関わる恐れがあるため、異常を感じたら早急に受診しましょう。

発情を抑え、産卵回数を減らすことによっても、リスクを軽減できます。

寿命を迎えた文鳥のために飼い主ができること

寿命を迎えた文鳥が穏やかに過ごすためには、ストレスの軽減と丁寧な見守りが必要です。残された時間を大切にし、これまで以上に触れ合うことで、文鳥は深い安心感を得られるでしょう。

また、複数飼育の場合は、ほかの文鳥が『後追い』しないように、寿命を迎えた文鳥と距離を取る配慮が必要です。

体調の変化を注意深く観察しながら、最期の時間を穏やかに過ごせるよう環境を整えてください。

文鳥の寿命は８〜１０年！家族として大切に育てよう

文鳥の寿命は、一般的に８〜１０年程です。ただし、適切な飼育環境と健康管理によって、寿命を延ばせる可能性はあります。

長生きさせるためには、バランスの取れた食事や快適な環境づくり、日々の健康観察が欠かせません。

さびしがり屋といわれる文鳥ですが、スキンシップによって家族としての絆を深められます。文鳥とのかけがえのない時間を大切にし、最期まで愛情深く寄り添いましょう。

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[文・構成／grape編集部]