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授業で聞いた単語が忘れられず… 男の子が辞書で調べた言葉、実は?

By - grape編集部  公開:  更新:

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羊の目。さんの漫画

幼い子供の好奇心には、目を見張るものがあります。

分からない言葉があれば、すぐに親や先生に聞いたり、自分で調べたりするでしょう。

時には、大人ですらも首をかしげてしまうような言葉について、「もっと知りたい」と思うことがあるかもしれません。

男の子が辞書で調べた三文字、実は…

漫画家の羊の目。さんは、ある一家の何気ない日常のひとコマを描きました。

1人の男の子が、学校から帰ってきた時のことです。

授業で聞いた、ある三文字が強く印象に残ったのか、机の上で辞書を開いて…。

漫画の画像
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授業で得た知識をもとに、男の子がさらに深く知りたくなったのは、『可塑性(かそせい)』という言葉の意味でした。

なんでも、教師いわく「食品ラップなどの軟らかい『塩ビ製品』には『可塑性』がある」とのこと。

『塩ビ』『可塑性』という言葉にまったくピンときていない姉も、弟に影響されて、次第に興味を持ち始めます…。

姉がきょとんとした『塩ビ』とは?

『塩ビ』とは、『ポリ塩化ビニル』または『塩化ビニル樹脂』と呼ばれるプラスチックの一種。

もともと無色透明の硬いプラスチックである『塩ビ』は、実は身近な製品に多く使われているそうです。

『塩ビ』を使った製品の中には、パイプや窓サッシなどの硬いものがある一方で、電源コードに使われる電線被覆材や消しゴム、塩ビレザー、壁紙などの軟らかい製品もあります。

これには、いわゆる『可塑性』と呼ばれる性質が関係しているのです。

塩ビ製品の写真

塩ビを使った製品の例

『塩ビ』は熱を加えると『可塑性』が発現し、軟らかくなっていろいろな製品に加工できるようになります。これが熱可塑性と呼ばれるものです。

一方、『可塑剤』という液体を混合することで、成形後の『塩ビ製品』は室温でも『可塑性』を発現するようになり、軟らかくなります。

『可塑剤』を『塩ビ』に使うと…

『可塑剤』とは、主に塩ビを中心としたプラスチックを軟らかくするために加える液体のこと。

『塩ビ』に加える『可塑剤』の量を変えることで、好みの硬さに調整でき、手袋やラップフィルムなど、非常に軟らかい製品も生み出せます。

ほかのプラスチック素材と比べて、『可塑剤』との相性がよく、柔軟性に富んだ加工製品を作れるようになるのが、『塩ビ』の持つ大きな特長です。

ラップの写真

※写真はイメージ

『塩ビ』に『可塑剤』を混合して作られる製品の1つが、軟質の塩ビシート。

活躍する先は多岐にわたりますが、例えば、工事現場で使われる防音シートが挙げられます。

工事現場の防音シートの写真

※写真はイメージ

日常生活でよく耳にする工事現場の作業音が、間接的に『可塑剤』のおかげで緩和されていると知れば、より身近に感じられそうですね。

暮らしのあらゆるシーンで活躍する『可塑剤』はまさに、『魔法の液体』といっても過言ではないでしょう。

私たちの生活の中にあふれている『塩ビ』を使った製品。その理由は『可塑性』によって、さまざまな形に姿を変えられるからでした。

今後、『塩ビ』を使った製品を目にしたら「『可塑剤』がどのくらい使われているんだろう…」と気になってしまうかもしれませんね!


[文・構成/grape編集部]

塩ビ

羊の目。

漫画家、イラストレーター。Xにて漫画を発信し始めると、独特なストーリー展開とほんわかしたイラストが話題となり、2025年6月現在、SNSの総フォロワーは90万人を越えている。
書籍に『スキありオムライス』、『1%ORANGE sideA sideB』、『アウトサイダーズ』、『おひさまとえんぴつ』。
X:@odorukodomo8910 Instagram:hitsujinome

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