梅干しのカビが発生した際の対処法とは?種類や発生原因も解説
公開: 更新:

※写真はイメージ

レモンの砂糖漬けは何日持つ?日持ちさせるポイントをご紹介レモンの砂糖漬けを作った後、どのくらい日持ちするのか気になった人もいるでしょう。そこで本記事では、レモンの砂糖漬けが日持ちする期間の目安や、長持ちさせるためのポイント、食べないほうがよいサインなどをまとめました。

【男女別】スクワットの平均重量や回数を解説!正しいフォームも紹介スクワットの平均重量や平均回数は、性別やレベルによって異なります。本記事では、スクワットの平均重量や回数を、性別、レベル別に解説します。正しいやり方も紹介していますので参考にしてください。
「梅干しを漬け始めたけど、白いものが出てきた」
「カビが生えてしまったけれど、どうすればよいのか分からない」
このように、梅干しのカビで悩んでいる人もいるでしょう。
梅干しには白カビが発生するリスクがありますが、白い物質でもカビとは限らないため十分な見極めが重要です。
本記事では、カビが発生しやすいとされる手作りの梅干しをメインに、カビの種類や間違えやすい物質を紹介します。発生原因や対処法も解説するので、ぜひ参考にしてください。
梅干しのカビの原因とは
※写真はイメージ
梅干しにはなぜカビが生えるのか、その原因を紹介します。
カビの原因を理解することで、未然にカビを防げるでしょう。
水分が切れていない
梅や容器に水分が残っていると湿度が上がるため、カビが発生するリスクが高まります。
漬ける前の梅は、キッチンペーパーや清潔な布でしっかりと水分を拭き取りましょう。
特に、ヘタを取ったくぼみ部分は水が溜まりやすくなります。ヘタを取ったら、くぼみ部分の水を拭き取るようにしましょう。
塩分濃度が低い
塩分濃度が低いのも、カビが発生する原因の1つといえます。塩分が少ないと、雑菌が繁殖しやすくなるためです。
具体的には、塩分濃度が15%を下回るとカビが発生しやすくなるといわれています。塩分濃度20%を目安に調整すると、カビ予防の効果が期待できるでしょう。
消毒が足りない
消毒が足りない場合も、カビが発生するおそれがあるとされています。梅干しを作るうえで使用する道具はすべてしっかりと除菌し、雑菌を残さないことが重要です。
道具だけではなく、梅の実にも雑菌が付着している可能性があります。ホワイトリカーなどを吹きかけておきましょう。
なお、ホワイトリカーとは『甲類』の焼酎のことで、何度も蒸留を繰り返すことで生まれる癖のない味わいが特徴です。素材の味を損なわないため、梅干しや果実酒などを作る際に使われることが多いとされています。
梅干しに生えるカビの種類
※写真はイメージ
基本的に、梅干しにカビが発生すると食べられません。ここでは、梅干しに発生するカビの種類を紹介します。
白カビ
白カビとは、食品全般に生える可能性がある綿のようなカビを指します。口に入れても害がないものが多いとされていますが、なかには毒性を持つものもあるようです。
毒性があるかどうかの見極めは難しいため、少量であっても口に入れることは避けましょう。
また、白カビと間違えやすいものに塩分やミネラルの結晶などがあります。後ほど詳しく解説するので、ぜひ参考にしてください。
青カビ
青カビとは、食品によって青っぽかったり緑っぽかったり見えるものですが、梅干しの場合は黒っぽい斑点のような形状で発生するカビを指します。
例えば、ゴルゴンゾーラチーズの発酵に使われるのも青カビの一種です。
身体への害は少ないとされていますが、食べると腹痛や下痢など食中毒の症状が出るものもあるため、食べずに破棄しましょう。
赤カビ
赤カビとは、食品を腐らす可能性のある赤い斑点状のカビです。ピンク色に近いものもあり、塩分濃度の低い梅干しを常温で放置すると発生する可能性があります。
毒性を持っているケースでは、食べると下痢や嘔吐などの症状が出る可能性があるため、赤カビを発見した場合は破棄してください。
梅干しの白カビと間違えやすい物質
※写真はイメージ
前述の通り、梅干しはカビが発生するリスクがありますが、中には『白カビ』と誤認してしまう白い物質もあります。
ここでは、梅干しに発生する白カビと間違えやすい物質を紹介するので参考にしてください。
硬い白い斑点:ミネラルの結晶
ボツボツとした硬い白い斑点は、塩分やミネラルの結晶の可能性があります。天然塩のミネラルや塩分が水分に溶けて、再度結晶化すると白い塊になるようです。
梅干しが乾燥して水分が抜けると、塩が結晶化しやすくなるとされています。具体的には、梅の実のクエン酸と天然塩に含まれるカルシウムが結合すると『クエン酸カルシウム』となり結晶化するのだとか。
天然塩にこだわった梅干しに発生しやすく、ミネラルの結晶化は自然現象のため食べても問題ありません。綿のようなふわふわではなく、硬い塩のようなものであればカビ以外の可能性があるといえるでしょう。
容器の底に溜まる白いもの:澱(おり)
梅干し容器の底に溜まる白い物質は、澱(おり)かもしれません。
澱とは、梅の成分が時間とともに固まってできたもので、梅の実に由来するポリフェノールやタンパク質などが主な成分なのだとか。空気が触れないところで発生するといわれています。
ほかに目立った異常がなく、容器の底に白い物質があるケースでは澱の可能性が高いようです。
しかし、容器全体が白っぽくなっていたり、梅酢が白く変色していたりすると、澱以外の可能性があるため注意しましょう。
梅酢の表面に張る白い膜:濁り
梅酢の表面にできる白い膜は『濁り』と呼ばれています。濁りとは、産膜酵母(さんまくこうぼ)という酵母菌の一種です。
梅干しを漬けてから数日間は梅がしっかりと液に浸っていないケースもあり、そのまま放置すると液に触れていない部分に産膜酵母が発生する場合もあります。
産膜酵母自体は一般的に人体に無害だといわれていますが、放置するとカビ発生のおそれがあるため、発見したら取り除きましょう。
消毒したスプーンで白い膜を取り除き、白い膜が付いた梅はすべて取り出します。処置できたら、容器を涼しい場所で保存して様子を見るとよいでしょう。
梅干しにカビが生えた時の対処法
※写真はイメージ
梅干しにカビが生えても、慌てずに適切な対処法を取ることで回復できるかもしれません。
ここで紹介する以下の手順で梅酢の煮沸消毒を行い、冷めた状態で再度容器に入れて様子を見てください。
しかし、青カビや赤カビが見られる場合やカビの量が多い時には、身体への影響を考えて破棄したほうがよいでしょう。
カビを取り除く
まずは、目に見えるカビをすべて取り除きます。容器内にホコリやゴミが入っている時は、カビと一緒にきれいに取り除きましょう。
この時、カビの被害が出ている梅だけでなく、状態の悪い梅も取り出すことがポイント。菌が付いた梅が残っていると、再度カビが発生するリスクがあるためです。
カビの発生がひどい場合には、すべての梅を取り出して、ホワイトリカーなどアルコール度数の高い焼酎類を吹きかけて消毒しましょう。
梅酢の煮沸消毒を行う
梅酢の煮沸消毒は、以下の手順で行ってください。
梅酢を鍋でしばらく加熱すると、滅菌できます。強火で沸かすと、梅酢の香りや風味まで飛んでしまう可能性があるため、ぐつぐつ煮るのではなく、軽く沸騰させるくらいの火加減がよいでしょう。
カビの胞子が生きている可能性があるため、きれいな状態に見えても必ずろ過してください。
保存容器を消毒する
保存容器もしっかりと消毒しましょう。中性洗剤で十分に洗浄し、煮沸やアルコールなどで消毒します。
取り外せるパーツはすべて分解して、容器の隅々まで消毒しましょう。また、再度カビを発生させないためには、容器の水分を残さないことも重要です。
煮沸消毒では、耐熱容器ではないと割れたり変形したりするケースもあります。煮沸に対応していない容器を使う時は、アルコールでしっかりと除菌しましょう。
梅を容器に戻す際には、梅の水分を十分に切ります。『塩』を追加して塩分濃度を上げることで、カビを生えにくくできるため試してみましょう。
梅干しにカビが生えると不吉なことが起こる?
『梅干しにカビが生えると不吉なことが起こる』といった昔からの言い伝えがあるようです。
『梅干しにカビが生える』ということは、生活空間が不衛生ということになり『そこで暮らす人は健康を害する』警告だとされていた説があるのだとか。
また『梅干しなしで1年を過ごすと病気になる』という言い伝えもあるようです。
昔の人にとっては梅干しが薬の役割を果たしており、梅干しがダメになることで薬がなくなるため『病気になる』という表現になったと考えられています。
実際、梅干しにカビが生えただけで不吉なことが起こるわけではありません。
しかし、カビが生えた梅干しを食べると、体調を崩すおそれがあるため食べないようにしましょう。
梅干しにカビが発生したら正しい方法で対処しよう
梅干しは、水分が残っていたり消毒が足りなかったりするとカビが発生するケースがあります。
カビの種類は白カビや青カビ、赤カビなどです。白カビであれば生えた梅干しを取り除き、消毒を行うことで回復できるかもしれません。
また、梅干しはミネラルの結晶や澱(おり)、濁りなどカビ以外のものが発生する場合もあります。カビかどうかをしっかりと見極め、適切な処置を行うことで、梅干しをおいしく食べられるでしょう。
[文・構成/grape編集部]