物を減らしたいと思った時 『いとしきもの』と向き合う時間

By - 吉元由美  公開:  更新:

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吉元由美

作詞家、作家。作詞家として1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛けた。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。

吉元由美の『ひと・もの・こと』

作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。

たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。

『いとしきもの』を数えてみると

ミニマリスト宣言をした友人の家を訪れました。

終活の一つとして、生活に必要なものだけを身の回りに置き、できるだけシンプルに生きたい、ということでした。

なるほど、それは私もいずれは考えなければならないこと。

友人の家はモデルルームのようにすっきりと片付いていました。

モノが表に出ていない。掃除も簡単で、風通しが良さそうです。

食器棚も必要なものだけ。洗い物を少なくするためにビジネスホテルの朝食会場にありそうな仕切り皿を使うことが多いと。

徹底するとはこういうことなのだと、何も徹底できない我が身を振り返ります。

食器棚の写真

ミニマリストを実践した友人は達成感にあふれていました。

半ば憧れの思いと、少し淋しい思いで友人宅を後にしたのでした。

ミニマリストとまではいかなくても、いずれ自分が何を手放し、何を手元に置いておくかを考える時期はきます。

『いずれ』は『今』でもあるのです。

手元に残すのなら、『いとしきもの』と一緒にいたい。

そこで、『いとしきもの』を数えてみました。

最初に浮かんだのは、娘が小さい時にくれた手紙や、日記です。

一つの箱に収めている手紙たちは老後の楽しみで読み返したい。

小学生のときの先生との連絡日記や文集も老後の楽しみです。

娘へのいとしさと共に、あたたかい気持ちとぷっと笑ってしまうエピソードは、心を豊かに満たしてくれると思うのです。

手紙の写真

そして4年前に亡くなった愛犬のラニが、アニマルコミュニケーターのYさんに託した『赤い靴』です。

亡くなったわんちゃんは、お守りとして何かを託すそうです。

アヒルのおもちゃだったり、椿の盆栽というのもあったとか。

Yさんは会話の中で託されたものを探し、飼い主にプレゼントしてくれるのです。

ラニの気持ちがこもっている小さな赤い靴は、確かにママの大切な『子ども』だったことを伝えているようで、私にとっていとしさそのものなのです。

これは、私だけの『物語』なのですが。

トイプードルの写真

母が好んだ染め付けの器、初めて買った古伊万里のお皿、骨董たち。

一つ一つに思い出があります。日々、使うたびに思い出す。

それも日常を丁寧に、豊かなものにしてくれます。

食器の写真

まだまだ『いとしきもの』は家の中にあふれています。

コンマリさんの片づけ基準、「ときめくか、ときめかないか」のように、いずれ「いとしいか、いとしくないか」で手放していくのか。

いや、『いとしい』というのは『ときめく』とは違う次元のような。

『いとしきもの』は、確かにそこに愛があり、思い出がある。

それらを抱きしめるように生きていく。

『いとしきもの』を数えてみると胸の奥が熱くなります。

心は満たされながら、手放すものは手放していく。それは次なるチャレンジなのです。

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※記事中の写真はすべてイメージ


[文/吉元由美 構成/grape編集部]

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