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贈っていないイチゴが届いた… その偶然に込められたやさしいメッセージ

By - 吉元 由美  公開:  更新:

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女性の写真
吉元由美の写真

作詞家

吉元由美

作詞家、作家。作詞家として1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛けた。

吉元由美の『ひと・もの・こと』

作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。

たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。

世界は不思議なことにあふれている 〜シンクロニシティからのメッセージ?

奇跡のような不思議なことがありました。

「由美ちゃん、苺をどうもありがとう。由美ちゃんからの苺かあ、と主人はうれしそうに一個、食べることができました」

親しく心を寄せている友人からのLINEです。ご主人は末期の癌で入院されていて、すでに点滴だけの状態でした。

イチゴの写真

私は、苺を贈っていないのです。

この数ヶ月前にお見舞いで『紅まどんな』というゼリーのような柑橘を、フルーツを扱う商社を経営している友人から送ってもらいました。

次は苺を贈ろうかと思っていた矢先のことでした。そのことを告げると、

「でも、送り主が由美ちゃんになっているのよ。送ったこと忘れちゃったんじゃない?」

と、友人からの返信がありました。

結局、ご主人が最後に口にしたのが「由美ちゃんからの苺」でした。

それだけでご家族はとても喜んでくださったそうです。

綿毛の写真

数日後、『紅まどんな』をお願いした友人から慌てて連絡がありました。

「うちの社員が間違って○○様に苺を送ってしまったの。申し訳ありません!」

「間違って?」こんなこと、あるでしょうか。

発注を受けていないものを、どんな勘違いがあって送るのでしょうか。

この手違いはただの手違いではなく、神様の配慮としか思えませんでした。

何も食べられなくなっていたご主人が、最後に苺を一つ食べられたのです。

思いがけない奇跡のような不思議な出来事でしたが、見えない何かが働いたような気がしてなりません。

意味のある偶然の一致、シンクロニシティには人が共通して持つ集合的無意識が作用していると言われています。

「次は苺を贈ろうか」と思っていた私の思いが大きな集合的無意識にアクセスし、それがフルーツ商社の社員の人の無意識につながったのでしょうか。

インターネットで人と人が思わぬ形でつながるように、無意識が働いたのでしょうか。

私たちの日常の中で、科学では解明しきれないシンクロニシティが起こることがあります。

会いたいなと思っていた人から連絡があったり、同じ数字を目にすることが多くなったり。

部屋の番号の写真

何かいいことが起こりそうな予感がします。

また反対に、何かしようとしたときに邪魔が入ったり、歯車が噛み合わないようなことが次々と起こり、思うように進まないこともある。

いい予感がするときも、悪い予感がするときも、そこには何か自分へのメッセージがあるのかもしれません。

人生は選択の連続。その受け取り方によって、次の展開が変わることがあると思います。

もちろん、シンクロニシティに一喜一憂することなく、です。

不思議なことが起こると、その神秘性にばかり意味を求めてしまいます。

この苺の出来事には、「会いたい人には会いにいく」「思ったことは行動に移そう」「限られたこの人生という時間を、愛で満たしていく」というメッセージがこめられているように思います。

たくさんの手紙の写真

荒井由実の『やさしさに包まれたなら』の歌詞の中にあるように、世界はメッセージにあふれている。

そうそう、先日仕事部屋で突然オルゴールが鳴ったこと。

そこにどんなメッセージがあったのでしょうか。

仕事部屋にオルゴールは無いのですが……。

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※記事中の写真はすべてイメージ


[文/吉元由美 構成/grape編集部]

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