人生の『走馬灯』 旅立つ日、母はどんな光景を見たのだろう
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吉元由美の『ひと・もの・こと』
作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。
たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。
旅立つ日の『走馬灯』
人は死ぬときに、これまでの人生の走馬灯を見ると言われます。
瀕死の状態から生還した人の体験からしか窺い知ることはできませんが、カナダの研究チームが死の間際の脳波の変化から『走馬灯』の可能性があるのでは、という論文を発表しました。
80代のてんかん患者の男性の脳波を測定している際、患者が心臓発作を起こして死亡しました。
死へ移行するまでの30秒間、脳波は夢を見たり、記憶を呼び覚ますための高度な認識作業をしているときと同じパターンになり、それは心停止後も30秒間続いたそうです。
この『高度な認識作業』が夢なのか、フラッシュバックのようなものなのかは判別できません。夢のようなヴィジョンが、好ましいものなのか悪夢なのか。
生きている私たちが体験していない『死』について、医学的、科学的に説明することには限界がありそうです。それでも、死に及んだときに自分たちに何が起きるのか、その後はどうなるのか。
これは生きている私たちの最も関心のあることだと思います。誰も体験したことのない死は哲学、宗教の中で語られ、それを受け入れるかどうかは人それぞれです。
そこで『物語』が必要になります。親しい人たちの旅立ちを見送ること。それは、ひとつの死の体験です。
7年前のクリスマスイブの朝、母が脳梗塞で倒れました。病院に駆けつけ、意識のない母を見たとき、こんなシナリオになっていたのか……と呆然としました。
でも、しばらくすると母が光っているように見えてきたのです。
(最後まで生ききるのを見なさいね)
と言っているような。その姿は、愛そのものでした。
これは私の心に浮かんできた『物語』です。本当に光っているように見えたのですから私にとっての『本当のこと』なのですが、こう思うことによって私は自分を納得させ、受け入れ、母の人生の物語を見守る心の準備をしたのです。
『物語』は妄想などではなく、挫けそうな心を守るための、心の作用なのです。
急性期病院から療養病院へ。そして、もう手を尽くしたとの判断で老人病院に転院した翌日、母は旅立ちました。
その病院にだけは入りたくないと強く思っていた病院に移ったとき、何も言えなくなった母は心の中で(もういいわ)と旅立つことを決めたのだと思います。
無理やり連れて行かれたのではない。自分で決めて逝ったのでしょう。最後に母はどんな走馬灯を見たのでしょうか。幸せな光景であったらいいなと思います。
※記事中の写真はすべてイメージ
作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー
[文・構成/吉元由美]
吉元由美
作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。
⇒ 吉元由美オフィシャルサイト
⇒ 吉元由美Facebookページ
⇒ 単行本「大人の結婚」