愛らしく力強く咲く椿 その花に春を迎えた喜びを感じて By - 押阪 忍 公開:2019-03-14 更新:2019-03-14 エッセイ押阪忍 Share Post LINE はてな コメント こんにちは、フリーアナウンサーの押阪忍です。 ご縁を頂きまして、『美しいことば』『残しておきたい日本語』をテーマに、連載をしております。宜しければ、シニアアナウンサーの『独言』にお付き合いください。 春日和、木偏に春の椿かな… アナウンサー押阪忍の『美しいことば』 2月の花は梅、4月は桜、では3月の花は?と問われれば、ボク流に答えますと、それは『椿』ではないかと…。光沢のある濃い緑葉の中で、愛らしく また力強く咲く椿の花は、春を迎えた喜びを表現しているかのように思えます。 椿には、赤 白 ピンクがありますが、中国では天然記念物となっている『金花茶(きんかちゃ)』と呼ばれる黄金の椿もあるそうです。一度見たいものですね。 金花茶 私は緑樹の花の少ないこの時季に、際立った美しさで咲く椿が大好きなのですが、戦国時代の武士の家では、椿を植えることを嫌ったそうです。それは椿の花が少し色あせた頃、まだ花そのものはしっかりしているのですが、そのままの花の形で、ポトリと落ちるからです。「首が落ちる」と言われたりして、椿の花は武士にとっては あまり評判はよくなかったようです。 拙宅にも椿は数本あり、その中に、花の直径が10.2㎝ほどの大椿があるのですが、その椿の花が音もなく、ボトリと落ちる様は、そんな言い伝えを思い出すことがあります。 ところで、こんな話ばかりしていますと、椿の花の印象が悪くなりそうですが、椿は可憐な『恋の花』なのです。花言葉は、慎み深さ、控えめな愛、謙虚な美徳などがあり この花言葉通りの歌もあるのですよ。作詞家の大御所、星野哲郎さんの作詞、都はるみさんの大ヒット曲『♪アンコ椿は恋の花』です。 昭和時代、星野さんとは何度もご一緒しましたが、「椿は恋の花だからね…」とおっしゃっていらっしゃいました。 星野さんは椿の花言葉をちゃんとご存知だったのです。 2月の梅から4月の桜までのひと月をつなぎ、弥生3月を可憐に彩る『恋の花 椿』。どうか皆さん、木偏に春の〝椿〞を愛でて頂きたいと思います。 <2019年3月> フリーアナウンサー 押阪 忍 1958年に現テレビ朝日へ第一期生として入社。東京オリンピックでは、金メダルの女子バレーボール、東洋の魔女の実況を担当。1965年には民放TV初のフリーアナウンサーとなる。以降TVやラジオで活躍し、皇太子殿下のご成婚祝賀式典、東京都庁落成式典等の総合司会も行う。2019年現在、アナウンサー生活61年。 日本に数多くある美しい言葉。それを若者に伝え、しっかりとした『ことば』を使える若者を育てていきたいと思っています。 GACKT「キミは誰かから嫌われてない」 続く言葉に「腑に落ちた」「心が軽くなった」の声GACKTさんが、心のバランスを崩しそうな人へ送った言葉は?ネット上で反響が上がっています。 DAIGO、娘にハロウィン仕様のおにぎりを作ったら… 娘の発言に「#笑」DAIGOさんが、4歳長女のためにハロウィン用おにぎりを作ったら?切ない言葉が返ってきたようです。 Share Post LINE はてな コメント
こんにちは、フリーアナウンサーの押阪忍です。
ご縁を頂きまして、『美しいことば』『残しておきたい日本語』をテーマに、連載をしております。宜しければ、シニアアナウンサーの『独言』にお付き合いください。
春日和、木偏に春の椿かな… アナウンサー押阪忍の『美しいことば』
2月の花は梅、4月は桜、では3月の花は?と問われれば、ボク流に答えますと、それは『椿』ではないかと…。光沢のある濃い緑葉の中で、愛らしく また力強く咲く椿の花は、春を迎えた喜びを表現しているかのように思えます。
椿には、赤 白 ピンクがありますが、中国では天然記念物となっている『金花茶』と呼ばれる黄金の椿もあるそうです。一度見たいものですね。
金花茶
私は緑樹の花の少ないこの時季に、際立った美しさで咲く椿が大好きなのですが、戦国時代の武士の家では、椿を植えることを嫌ったそうです。それは椿の花が少し色あせた頃、まだ花そのものはしっかりしているのですが、そのままの花の形で、ポトリと落ちるからです。「首が落ちる」と言われたりして、椿の花は武士にとっては あまり評判はよくなかったようです。
拙宅にも椿は数本あり、その中に、花の直径が10.2㎝ほどの大椿があるのですが、その椿の花が音もなく、ボトリと落ちる様は、そんな言い伝えを思い出すことがあります。
ところで、こんな話ばかりしていますと、椿の花の印象が悪くなりそうですが、椿は可憐な『恋の花』なのです。花言葉は、慎み深さ、控えめな愛、謙虚な美徳などがあり この花言葉通りの歌もあるのですよ。作詞家の大御所、星野哲郎さんの作詞、都はるみさんの大ヒット曲『♪アンコ椿は恋の花』です。
昭和時代、星野さんとは何度もご一緒しましたが、「椿は恋の花だからね…」とおっしゃっていらっしゃいました。 星野さんは椿の花言葉をちゃんとご存知だったのです。
2月の梅から4月の桜までのひと月をつなぎ、弥生3月を可憐に彩る『恋の花 椿』。どうか皆さん、木偏に春の〝椿〞を愛でて頂きたいと思います。
<2019年3月>
フリーアナウンサー 押阪 忍
1958年に現テレビ朝日へ第一期生として入社。東京オリンピックでは、金メダルの女子バレーボール、東洋の魔女の実況を担当。1965年には民放TV初のフリーアナウンサーとなる。以降TVやラジオで活躍し、皇太子殿下のご成婚祝賀式典、東京都庁落成式典等の総合司会も行う。2019年現在、アナウンサー生活61年。
日本に数多くある美しい言葉。それを若者に伝え、しっかりとした『ことば』を使える若者を育てていきたいと思っています。