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愛らしく力強く咲く椿 その花に春を迎えた喜びを感じて

By - 押阪 忍  作成:  更新:

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こんにちは、フリーアナウンサーの押阪忍です。

ご縁を頂きまして、『美しいことば』『残しておきたい日本語』をテーマに、連載をしております。宜しければ、シニアアナウンサーの『独言』にお付き合いください。

春日和、木偏に春の椿かな… アナウンサー押阪忍の『美しいことば』

2月の花は梅、4月は桜、では3月の花は?と問われれば、ボク流に答えますと、それは『椿』ではないかと…。光沢のある濃い緑葉の中で、愛らしく また力強く咲く椿の花は、春を迎えた喜びを表現しているかのように思えます。

椿には、赤 白 ピンクがありますが、中国では天然記念物となっている『金花茶きんかちゃ』と呼ばれる黄金の椿もあるそうです。一度見たいものですね。

金花茶

私は緑樹の花の少ないこの時季に、際立った美しさで咲く椿が大好きなのですが、戦国時代の武士の家では、椿を植えることを嫌ったそうです。それは椿の花が少し色あせた頃、まだ花そのものはしっかりしているのですが、そのままの花の形で、ポトリと落ちるからです。「首が落ちる」と言われたりして、椿の花は武士にとっては あまり評判はよくなかったようです。

拙宅にも椿は数本あり、その中に、花の直径が10.2㎝ほどの大椿があるのですが、その椿の花が音もなく、ボトリと落ちる様は、そんな言い伝えを思い出すことがあります。

ところで、こんな話ばかりしていますと、椿の花の印象が悪くなりそうですが、椿は可憐な『恋の花』なのです。花言葉は、慎み深さ、控えめな愛、謙虚な美徳などがあり この花言葉通りの歌もあるのですよ。作詞家の大御所、星野哲郎さんの作詞、都はるみさんの大ヒット曲『♪アンコ椿は恋の花』です。

昭和時代、星野さんとは何度もご一緒しましたが、「椿は恋の花だからね…」とおっしゃっていらっしゃいました。 星野さんは椿の花言葉をちゃんとご存知だったのです。

2月の梅から4月の桜までのひと月をつなぎ、弥生3月を可憐に彩る『恋の花 椿』。どうか皆さん、木偏に春の〝椿〞を愛でて頂きたいと思います。

<2019年3月>

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フリーアナウンサー 押阪 忍

1958年に現テレビ朝日へ第一期生として入社。東京オリンピックでは、金メダルの女子バレーボール、東洋の魔女の実況を担当。1965年には民放TV初のフリーアナウンサーとなる。以降TVやラジオで活躍し、皇太子殿下のご成婚祝賀式典、東京都庁落成式典等の総合司会も行う。2019年現在、アナウンサー生活61年。
日本に数多くある美しい言葉。それを若者に伝え、しっかりとした『ことば』を使える若者を育てていきたいと思っています。

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