不安に襲われたときは「やれる!」と、強く思う 自分が本来持っている野性を発動させてみる
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吉元由美の『ひと・もの・こと』
作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。
たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。
自分の中の野性を奮い立たせる
大学を卒業し、広告代理店に勤めながら作詞家修行をしていたとき、何度も噛み締めながら読んだ本があります。
作詞家になれる保証など一つもない。なれたとしても、それで生きていけるかどうかなんてわからない。ふっと不安になるたびに、(できる!)という根拠のない自信を後押ししてくれたのは、この一冊。
矢沢永吉の『成り上がり』。極貧生活をしていた子ども時代、そして「BIGになる」と決意し、レジェンドたるアーティストに。
そこには驚くべき精神力と行動力があり、人生や運命を引き受けて、達成したい自分を実現するために突き進む矢沢さんの生き様があります。
お金持ちの子どもが「永吉、こんなもの食べられないだろう?食べたいか?」と言ってきた。「食べたい、食べたい」と言うオレの顔にクリスマスケーキを投げつけた。「オレは、テメエ、コノヤローってそいつに殴りかかったんじゃない、オレはケーキを舐めたんだ」
泣けますよね。相手に卑しめられたのではない。自分で自分を卑しめたこの体験が「成り上がる」決心をさせたのだと言います。
自分を信じて、努力する。そして自分の力で生きていく。「お前はできる!」「お前はやれる!」と矢沢さんは自分自身に言い聞かせた……。
「成り上がり」を何度も読み、私は自分の中の野性を奮い立たせました。自分にポジティブな暗示をかけ、不安に襲われたときは「やれる!」と、強く思う。
それが「成し遂げる」と覚悟をした人の運を強めていく。諦めなければ終わらない。何度も何度も、そう自分に言い聞かせたことをよく覚えています。
私の中の中に眠っている野性。『成り上がり』を読んでから、40年という年月が流れ、この『野性の力』を長いこと意識していなかったことに気づきました。
たとえば、狙った獲物にがむしゃらに向かっていく本能。生き抜こうとするワイルドな力。それには五感、第六感、直感力を研ぎ澄ますこと。
動物たちが身の危険を感じて逃げるように、獲物の居場所を突き止められるように。テクノロジーを介さなくても、人と人はつながり合うことはできたのですね。
発達したテクノロジーを得たからこそ、自分が本来持っている野性を発動させてみましょう。「できる。できる!」静かに、がむしゃらに。
いのちを紡ぐ言葉たち かけがえのないこの世界で
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※記事中の写真はすべてイメージ
作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー
[文・構成/吉元由美]
吉元由美
作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。
⇒ 吉元由美オフィシャルサイト
⇒ 吉元由美Facebookページ
⇒ 単行本「大人の結婚」