今の自分を表現すること そこに、人生を豊かにする流れがある By - 吉元 由美 公開:2020-12-20 更新:2020-12-20 エッセイ吉元由美 Share Post LINE はてな コメント 吉元由美の『ひと・もの・こと』 作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。 たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。 アウトプット=表現のすすめ 表現し続けること。これは、人間にとってとても大切なことではないかと、最近とみに感じています。表現というと難しく聞こえるかもしれませんが、自分の思い、意見、今の自分を世の中に表していくことです。 そこには素直な吐露があり、率直な意見があり、クリエイションがあります。SNSの広がりで公の場での発言、発表しやすくなってきましたが、だからこそ、その質を高めていくことが大切です。 音楽大学で作詞研究という授業を受け持っています。学生たちはクラシック、ポップス、邦楽など、さまざまなジャンルの音楽を専攻しています。 テクニックだけでは芸術とは言えない。そこには、さまざまな体験や学んだことの熟成と、内面を見つめる目が重要です。 作詞のクラスで何を伝えていくのか。作詞における約束事はもちろんのこと、感性を磨いていく数々のワーク、そしてこれまでの歌の歴史、変遷についても伝えます。 作品の質を高めていくためには、ただひたすら書く。そしてできたら添削。歌詞を書くことについてさまざまな角度から伝えていきますが、最終的には、「どう生きていくか」ということになるのです。 その「どう」が、内面を磨き上げ、深い作品を書く動機に繋がります。そのためには体験することが大切なのです。その体験を通して自分の中で熟成させていったものが、作品やパフォーマンスという『真実』になりうるのです。 音楽大学の学生たちはインプット、アウトプットを重ね、表現を進化させていく。常にその二つがそれぞれの中で対流し、エネルギーになり、日々新しい自分と出会っているのだと思います。 そう、アウトプットしていくことは自身に進化をもたらし、エネルギーを生み出します。インプットしたものを熟成し、自分の感性を通してアウトプット=表現する。ささやかでも形にしていく。 それはSNSで言いたいことを言いたいままに書く、ということではありません。『形』『作品』にすることで、それまで答えの出ていなかった思いに『答え』が出るのです。 気づきがある、と言ったほうがいいでしょうか。表現することは、内なる声に耳を傾け、掬い取っていくことなのです。学び、体験し、そして表現する。そこに、人生を豊かにする流れがあるのです。 ※記事中の写真はすべてイメージ 作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー [文・構成/吉元由美] 吉元由美 作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。 ⇒ 吉元由美オフィシャルサイト ⇒ 吉元由美Facebookページ ⇒ 単行本「大人の結婚」 快挙を成し遂げた狩野英孝、帰国便の搭乗券をよく見ると… 「さすがJAL」の声ホノルルマラソンから帰国する狩野英孝さんに、JALが用意したサプライズとは…。 ロケで出会う人を「お母さん」と呼ぶのは気になる ウイカが決めている呼び方とは?タレントがロケで街中の人を呼ぶ時の「お母さん」「お父さん」に違和感…。ファーストサマーウイカさんが実践している呼び方とは。 Share Post LINE はてな コメント
吉元由美の『ひと・もの・こと』
作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。
たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。
アウトプット=表現のすすめ
表現し続けること。これは、人間にとってとても大切なことではないかと、最近とみに感じています。表現というと難しく聞こえるかもしれませんが、自分の思い、意見、今の自分を世の中に表していくことです。
そこには素直な吐露があり、率直な意見があり、クリエイションがあります。SNSの広がりで公の場での発言、発表しやすくなってきましたが、だからこそ、その質を高めていくことが大切です。
音楽大学で作詞研究という授業を受け持っています。学生たちはクラシック、ポップス、邦楽など、さまざまなジャンルの音楽を専攻しています。
テクニックだけでは芸術とは言えない。そこには、さまざまな体験や学んだことの熟成と、内面を見つめる目が重要です。
作詞のクラスで何を伝えていくのか。作詞における約束事はもちろんのこと、感性を磨いていく数々のワーク、そしてこれまでの歌の歴史、変遷についても伝えます。
作品の質を高めていくためには、ただひたすら書く。そしてできたら添削。歌詞を書くことについてさまざまな角度から伝えていきますが、最終的には、「どう生きていくか」ということになるのです。
その「どう」が、内面を磨き上げ、深い作品を書く動機に繋がります。そのためには体験することが大切なのです。その体験を通して自分の中で熟成させていったものが、作品やパフォーマンスという『真実』になりうるのです。
音楽大学の学生たちはインプット、アウトプットを重ね、表現を進化させていく。常にその二つがそれぞれの中で対流し、エネルギーになり、日々新しい自分と出会っているのだと思います。
そう、アウトプットしていくことは自身に進化をもたらし、エネルギーを生み出します。インプットしたものを熟成し、自分の感性を通してアウトプット=表現する。ささやかでも形にしていく。
それはSNSで言いたいことを言いたいままに書く、ということではありません。『形』『作品』にすることで、それまで答えの出ていなかった思いに『答え』が出るのです。
気づきがある、と言ったほうがいいでしょうか。表現することは、内なる声に耳を傾け、掬い取っていくことなのです。学び、体験し、そして表現する。そこに、人生を豊かにする流れがあるのです。
※記事中の写真はすべてイメージ
作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー
[文・構成/吉元由美]
吉元由美
作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。
⇒ 吉元由美オフィシャルサイト
⇒ 吉元由美Facebookページ
⇒ 単行本「大人の結婚」