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一日を何で生きる?  『ここを生きている自分』を意識してみると…

By - 吉元 由美  公開:  更新:

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吉元由美の『ひと・もの・こと』

作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。

たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。

一日を『何』で生きる?

日付の大きい

カレンダーにする

一日、一日が

よく見えるように

大切にできるように

これは、3歳で筋ジストロフィーを発症し、経管栄養と人工呼吸器で24時間介助ヘルパーを受けながら生活している詩人の岩崎航さんの五行詩です。

詩とは、すさまじいものです。たった五行の中に天国と地獄があり、地獄を天国に変えていく魂の高貴さがある。嵐の去った翌朝の光景のようでもあり。嵐であろうと、青空が広がる日であろうと、その一日には何物にも変えられない尊さがある。岩崎航さんの詩集『点滴ポール 生き抜くという旗印』(ナナロク社)を開いて目に飛び込んできたこの詩に、「今のままでいいの?」と問われている気がしました。

一日という感覚、それは人それぞれで違います。与えられた同じ24時間、子供は長く感じるかもしれない、時間に追われるように忙しくしている人にとってはあっという間でしょう。たくさんの予定が入っていることがすばらしいことでもなく、何も予定が入っていないからといって劣っているわけでもない。日々の実りは、目に見えるものばかりではありません。

取りこぼしてしまったような一日を送ることがあります。考えがまとまらずに過ごしてしまったこの夏、もっとできることがあったと、絵日記を書き損なってしまった小学生のような自分に、この詩は『一日』の尊さを考えさせられました。

私たちは、明日という日が来るものだと、あたりまえのように思っています。スケジュール帳には、この先の予定がどんどん入ってくる。その予定を追いかけるように過ごしていることもあります。でも、明日がくる保証など、どこにない。もしかしたら次の瞬間に、私たちの時間は終わってしまうかもしれないのです。

この詩の作者である岩崎航さんにとっての『一日』は、予定をこなすための一日ではない。おそらく、自分の命と向き合い、生き抜くための一日なのではないかと思います。だから、凄みがある。お金のためでもない、名声のためでもない、命のための、命の時間。

その時間は、あたりまえのように日常を送っている私たちの想像を超えますが、この人生の中の『一日』をもっと広げ、いま、ここを生きている自分を意識してみる。すると、本当に大切なことが見えてくるのではないでしょうか。

そして、もう一つ。五行の詩が、誰かの心を動かし、人生を変えることがある。言葉の力、言葉の可能性は詩や名言の中だけにではなく、いま、ここで発している言葉の中にもあるのです。

※記事中の写真はすべてイメージ

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[文・構成/吉元由美]

吉元由美

作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。
吉元由美オフィシャルサイト
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