見たことのないものを見たい、という好奇心がある限り、人生を変えるチャンスはいくらでもあるはず
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吉元由美の『ひと・もの・こと』
作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。
たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。
人生を変えたい…そんなときには
八ヶ岳へ、軽井沢へ、友人たちが相次いで移住しました。また海の近くに部屋を借り、週の半分はそちらで過ごすことにした友人もいます。
今の社会状況の中で、東京にいることが息苦しくなったこと。リモートでも仕事ができ、東京への日帰りも楽なこと。自然の中でゆったり暮らすこと。
その理由はさまざまですが、都会でのライフスタイルと、自分の年齢と『思い』の間に溝が出来たのだと思います。その溝を解消するために迷いなく行動できたのは、素晴らしいです。
人生を変えたい。もっと違う人生があるのではないかと可能性を考えること。30代の初めの頃、仕事も順調で人から見えれば何の不足もないように見えたであろう頃、私の中では(このままの生き方でいいのだろうか)という思いがつのりました。
今のこの生き方、やり方が、果たして自分の心の成長につながるのか。そこにどうしても確証を持てなくなっていたのです。
何かが違う。そんな違和感の『何か』がわからなかった。その『何か』がわからない限り、先に進めない気がしたのです。
本を読み、講演会を聴きに行き、セミナーを受け、アートセラピー、ドリームセラピーを学びました。
その答えは自分の外にあるのではなく、自分の中にある。すでに自分はその答えを知っている、と信じていたので、ひたすら自分を掘り下げる日々。
そして、あるきっかけではっと気づいたのは、「自分に必要な学びは誰かに委ねられるようになること」ということでした。
それは、誰にも頼ってはいけない、すべて自分でしなければならない、という無意識で決めて生きてきた私にとっては、大きなチャレンジです。
そしてそんな人生を変え、人として成長するために結婚しようと決めたのでした。誰かに頼る、委ねるためには、結婚することだと思ったのです。
結婚して25年が過ぎました。二人とも60歳を過ぎ、それぞれの仕事を忙しくこなしています。そろそろ、変化を求めたい気が湧き始めました。
元気なうちに……というのも正直なところです。暮らし方を変えたときに、自分の中にどんな変化があり、世界をどんなふうに感じるのか。どんな作品を書くのか。
見たことのないものを見たい、という好奇心がある限り、人生を変えるチャンスはいくらでもあるはずです。
移住だけでない、意識を変える、ものの見方を変えるだけでも、新しい扉を開けることができると信じて。
※記事中の写真はすべてイメージ
作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー
[文・構成/吉元由美]
吉元由美
作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。
⇒ 吉元由美オフィシャルサイト
⇒ 吉元由美Facebookページ
⇒ 単行本「大人の結婚」