言葉はその人を表す 大切なのは、そこにあたたかい気持ちがあるかどうか
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吉元由美の『ひと・もの・こと』
作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。
たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。
『罰』(ばち)と『お天道様』
言葉の使い方は、オセロのチップのようなもの。同じことを伝えるのにも、表現の仕方でその言葉にこもっている温度、エネルギーはガラッと変わってしまいます。
例えば、子どもが何かいたずら、悪いことをしたとします。そのときに、
「そんなことをしたら罰(ばち)が当たるよ」
と注意するのと、
「お天道様が見ているよ」
と注意するのとではどうでしょうか。言われた子どもはどのように受け止めるでしょう?
「罰(ばち)が当たる」と言われた子どもには、おそらく恐怖が植えつけられます。罰が当たったらどうしよう。どんな罰が当たるのだろう。
それが抑止力になるのかもしれませんが、そこにはネガティブなエネルギーがあります。
一方「お天道様が見ているよ」は、単に諫める言葉ではありません。太陽のことを『お天道様』と呼ぶところに、重要な意味があります。
日本人にとって太陽は天照大神につながります。日本人は八百万の神、森羅万象の中に神を見出し、その恩恵に感謝しながら生きてきました。
お天道様、つまり神様が見ているのですから、悪いことをせず、良いことをしようと思うようになるのです。
「お天道様は見ている」は、ポジティブで、人生をより良い方向へ導く創造的な言葉であり、精神なのです。
ものの言い方というのは、とても繊細です。このように、同じようなことを言うにも表現の違いによって、まったく印象が変わってしまう。
ですから、まずは言葉の意味をしっかりと理解すること、そして想像力が大切なのです。多くの言葉に触れる。本を読む。言葉に触れる多くの体験をする。
そして、こんなことを言われたら、相手はどう思うだろうかと、自分の言葉の正確性や影響力について想像をめぐらせる。そこに思いやりが生まれます。
言葉はその人を表します。言葉遣いの良い悪いではなく、どんな言葉遣いであれ、そこにあたたかい気持ちがあるかどうかです。
言葉のあたたかさと同じくらい、正確性も大切なのです。それとともに、ひとつひとつの言葉にこもっているエネルギーを感じてみましょう。
「罰が当たる」と「お天道様が見ている」同じようなことを伝えながら、言葉の温度も方向性もまったく違う。これも日本語の奥深さであり、ユニークなところなのかもしれません。
言葉は自分を語る。そんなユニークさも正確に表現したいものです。
いのちを紡ぐ言葉たち かけがえのないこの世界で
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※記事中の写真はすべてイメージ
作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー
[文・構成/吉元由美]
吉元由美
作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。
⇒ 吉元由美オフィシャルサイト
⇒ 吉元由美Facebookページ
⇒ 単行本「大人の結婚」