「なんて雑な応援、名前言ってるだけ」 その思いが感謝に変わった日 楽天・茂木英五郎選手
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フリーアナウンサーの松本秀夫です。野球実況歴30年、このコーナーでは喜怒哀楽、さまざまな心に響く球界よもやま話をご紹介します。
「モギッ、モギッ、モギエイゴロッ!」
楽天対巨人の取材で訪れたkoboパーク宮城、太鼓の音とともにスタンドを揺るがす独特のコールが耳に残りました。
声援を送られている主は、パ・リーグの首位を独走する東北楽天の一番打者としてチームを引っ張る茂木栄五郎選手(23)。戦国武将のような勇ましい名前ですよね。
早稲田大学から15年のドラフト3位で楽天に入団した男がいまちょっとした旋風を巻き起こしています。彼のすごいところは10ホーマーと長打を放ちながら.329(数字はいずれも2017年5月31日現在)の高打率を残していること。
池山打撃コーチは「パ・リーグは球の速いピッチャーが多いから、まずは振り負けないように強いスィングをすることが基本なんだけど、茂木はその上で、振りながらしっかりミートできる。天性のものですよ」と絶賛。
茂木選手本人は「強く振るのは小さい頃からずっと心がけてきました。誰かの真似ではなく父に言われたことを信じてやり続けたんです」と言います。
ルーキーイヤーはバットが当たらず、ある時期振りが小さくなりかけたそうですが、「飛距離が落ちる」と、すぐに初心に帰りました。
一方、守りにかんしては当初、ショートはできないだろうとも言われましたが、真喜志内野守備コーチの指導で急成長。
「彼は打球から逃げない。だから上手くなるのも早いんです。送球に難があるかなと心配しましたが、それもしっかり克服しました」とは同コーチ談。
「もちろん打球が怖いと思うこともあるし、強い打球に当たれば痛い。でも打球から逃げて後ろにそらせばチームはもっと痛いわけですから」と茂木選手。母校早稲田大学で、飛田穂洲先生(1886〜1965年)の時代から受け継がれる"一球入魂"の伝統を感じさせるコメントです。
ユニークな『もぎえいごろうコール』についても訊いてみました。
「最初はなんて雑な応援なんだろうと思いましたよ、だって名前を言ってるだけですからね(笑)でもあれで名前を覚えてもらった。ファンのみなさんと、いい名前をつけてくれた親に感謝です」
楽天の切り込み隊長はあくまで孝行息子なのです。
折しも私が取材した日の練習では、親子以上に年の違う茂木選手と梨田監督(64)がキャッチボールをしている光景が見られました。明るいチームの雰囲気の象徴です。
「モギッ、モギッ、モギエイゴロッ!」
交流戦、いままで聞いたことのなかった方もどこかの球場で耳にするかもしれません。
1度聞いたら耳から離れませんよ(笑)
スポーツアナウンサー 松本秀夫
松本秀夫 元ニッポン放送アナウンサー。17年4月よりフリーランスに。野球の実況を中心にバラエティー番組、執筆、イベント制作まで活動の幅を拡げている。趣味は釣りと、釣魚でやる一杯。