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お正月風景 二態 アナウンサー押阪忍の『美しいことば』

By - 押阪 忍  公開:  更新:

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こんにちは、フリーアナウンサーの元祖!?などと言われている押阪忍です。

ご縁を頂きまして、この欄で、お喋りをさせていただくことになりました。お目に留まれば、シニアアナウンサー(花ウンサー)の『独り言』にお付き合いいただければ幸いです。

新年明けましておめでとうございます。先ずはgrape読者の皆さんのご健康とご多幸をお祈り致します。

さて、新年を迎えたビル街や町並みは、各ビルや町内が門松に飾られて一年で一番人通りも少なく静まり返っていますね。その雰囲気や空気にも、年改まった凛としたものを感じます。

それとは反対に、大勢の人達でごった返すのが、神社、寺院の初詣ですね。人気の高い神社やお寺さんは、元旦から押し合い圧し合いの行列です。ヒールの高い靴が脱げてコケて、人込みの中で足を骨折した…。着飾った着物姿の草履が脱げて怪我をした知人がいます。

一年の幸せを願う筈の初詣がこれでは台無しになってしまいますよね。どうか初詣はゆったりとした気持ちでお出かけ下さい。

お正月のデパートで、やはりコケて怪我をした婦人もいます。昨今では元旦から人気の「福袋大売出し」です。あの売り場は女性陣で戦争のような様相を呈していますが、正に福袋の“争奪戦”ですね。その方の話によりますと、押しくら饅頭の中で、狙った福袋の紐を握ったまま押し倒されて、手首を骨折したといいます。

テレビのニュースで、あの売場のシーンを見ても、お正月ですからオシャレをした女性が多く、ジーンズにスニーカーという雰囲気ではありません。デパートの話によると、福袋争奪戦の跡は、スマホやキーホルダーのような小物の落とし物も多いとか…。しかしあの場の女性のパワーには、正直我々男性は改めて敬意を表したいと思います。

新春の初詣の凛として華やかな風景、一方デパートの福袋の熱気ある争奪戦、いずれもお正月の風景ですが、酉年だからといって余り飛び過ぎないよう…先ずはお怪我のない穏やかな新年でありますようにお祈り致しております。

『鐘ひとつ 売れぬ日はなし 江戸の春』 基角

<2017年1月>

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フリーアナウンサー 押阪 忍

1958年に現テレビ朝日へ第一期生として入社。1965年には民放テレビ初のフリーアナウンサーとなる。以降テレビやラジオで活躍し、皇太子殿下のご成婚祝賀式典なども行う。2016年現在、アナウンサー生活58年。
日本に数多くある美しい言葉。それを若者に伝え、しっかりとした『ことば』を使える若者を育てていきたいと思っています。

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