誰にも知られたくない思い出に「もういい、さよなら」 本当に大切なものとは?
公開: 更新:


ロバート馬場、片栗粉を使って? 意外なアイディアに「夏にぴったり」「作り置きする」漬物やサラダなど、手軽に調理するだけで食卓を彩ってくれるキュウリ。ほぼ1年を通してスーパーマーケットに並んでいますが、実はキュウリは6月~9月頃が旬だといわれています。そこで本記事では、キュウリをもっと楽しむために、料理が得意な芸能人たちのレシピ動画をまとめました!

石田ゆり子、ベリーショートにイメチェン 「衝撃的」「雰囲気が全然違う」俳優の石田ゆり子さんが、2025年6月16日にInstagramで『イメチェン』したことを報告。髪をばっさり切りベリーショートになった石田さんの写真が大きな話題を呼んでいます。
吉元由美の『ひと・もの・こと』
作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。
たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。
思い出は自分だけのもの、だからすべて持っていく
段ボールを開けるのが苦手です。
使用済みの段ボールをPPテープでまとめて縛るのも苦手です。
段ボールにはGの卵が産み付けられていることがある…という記事を読んだら、ますます苦手になりました。
父の住んでいたマンションの一室に、私の荷物を置かせてもらっていました。
山と積まれた段ボール、著書やCD、掲載紙のファイル、会社関係の書類などが入っているのですが、中には20年近く開けたことのない箱もあります。
父が施設に入りマンションを引き払うために、私の荷物をストレージ移動することになったのです。
箱を開けて中身を確認し、処分するものは処分する。
仕分け作業をし、新たに衣装ケースにきれいに詰め直す作業。
仕事の合間にやっていたのですが、1ヶ月以上かかりました。
重いものを持ったり運んだりしていたからか、右の肩、腕が痛くて上がらない。
今、五十肩のようになってしまいました。
古い段ボール箱を開けると、中にはバラバラの写真やら、書きかけのノートや、資料などが無秩序…に入っています。
ほとんど処分なのですが、その中に15年ほど前に書いた小説の原稿がありました。
出版社の依頼で書いたもので、「これまでの吉元由美の作品とは違った世界観で」という要望があり書いたものです。
パリ、マリブ、ハワイを舞台にした一人の女性の物語。
主人公のモデルとなったのは、30代の初めに旅先で会った女性で、夜中まで語り明かしたのをよく覚えています。
それきり会うことも、連絡を取り合うこともなかったのですが、美しい影を湛えたようなその女性のことが気になっていたのです。
この小説が出版されることはありませんでした。
編集者に渡してからフィードバックがあったかどうか忘れてしまいました。
何となくボツになり、手元にあった原稿はそのまま段ボールの中でひっそりと息を潜めていたというわけです。
二度と読むことはないだろうと思っていた原稿が出てきた。
それはタイムカプセルを開けたような驚きでした。
そして少し読んで、出版されなくてよかったと、胸を撫で下ろしました。
少し手を加えたら良くなりそうな気もしますが、読み返して処分しようと思います。
もうこの頃の自分をとっておく必要はないのです。
断捨離、終活、モノにあふれた家の片付け、そして事務手続きなどきちんとする時期がいつかやってきます。
昔の写真や日記、手紙、作品などかなり処分したとは言え、その何倍、何十倍ものモノが家の中にあふれています。
思い出のものがたくさん。
誰にも知られたくないものも、箱や引き出しの奥に。
思い出は、自分だけのもの。
共通の思い出にも、自分だけの思いがあります。
だから、いつか魂の故郷へ帰るときにはすべて持って行く。
足跡をそっと消していこうと、箱の中に眠っていた昔の自分を見て思ったのでした。
(もういい、さよなら)と言う心の声に耳を傾けて、本当に大切なものだけをしまっておきたい。
その大切なものたちは、きっと形のないモノなのかもしれません。
いのちを紡ぐ言葉たち かけがえのないこの世界で
Amazon楽天市場Yahoo
※記事中の写真はすべてイメージ
作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー
[文・構成/吉元由美]
吉元由美
作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。
⇒ 吉元由美オフィシャルサイト
⇒ 吉元由美Facebookページ
⇒ 単行本「大人の結婚」