弁護士が解説! 親子で買い物中、子供が商品を触ってしまったら…?
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休みの日になると、子供たちと一緒に買い物に出かける親は多いでしょう。
急に走り出したり、迷子になったりしないよう注意していても、ふと目を離したすきに子供が『ヒヤリ』とするような行動をとることがあります。
特に、スーパーマーケットやコンビニエンスストアなどでは、子供が勝手に商品に触ってしまうケースもあるようです。
子供が触った商品は買い取るべき?
以前、「子供が触ったパンを買い取るべきか」といった趣旨の投稿がSNSで賛否を呼び、たびたび話題になってきました。
では実際に、子供が触った商品は買い取らなければならないという法的な決まりがあるのでしょうか。
大阪府大阪市で、まこと法律事務所を運営する北村真一弁護士にうかがいました。
――子供が触った商品は買い取らないといけないのでしょうか。
買い取りの義務が発生するかどうかのカギは、お店にとって売り物にならなくなってしまったかどうかです。
袋詰めされたスナック菓子や、箱に入ったオモチャであれば、子供が触った程度では商品価値は変わらないといえます。
一方で、指で押すと跡が残る豆腐やバナナなどは、衛生上の問題や傷によって商品価値が失われるため、買い取る義務が発生する可能性が高いでしょう。
また、触っているうちに、落として瓶が割れたり、容器がへこんだりした場合も同様です。
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――もし、子供が触ってしまったらどうしたらいいのでしょうか?
大切なのは、見て見ぬふりをせずに、正直にお店の人に伝えることです。
その上で、お店側の判断に従うのがもっともスムーズな対応といえます。
事情を話せば「大丈夫ですよ」と許してくれる場合もありますが、その善意に甘えるのではなく、感謝の気持ちをしっかり伝えたいものですね。
マナーと法律の、その先にあるもの
この問題は、法律で白黒つける以上に、親としての姿勢が問われているのかもしれません。
SNS上には、親と思われる人から「子供には『商品を触ったら全部買い取らないといけない』と伝えている」という投稿や、店側から「買い取りをお願いしたら不満そうな顔をされた」という声も寄せられています。
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もちろん、子供の行動を100%コントロールするのは不可能です。
ですが、もしものことがあった時に、きちんと謝り、責任ある行動をとる姿を見せることも、大切な教育の1つかもしれません。
子育て中の『ヒヤリ』はつきものだからこそ、お互いを思いやる気持ちを忘れずにいたいですね。
監修・取材協力 北村真一
まこと法律事務所 代表弁護士。
「きたべん」の愛称で大阪府茨木市で知らない人がいないという声もあがる大人気ローカル弁護士。
猫探しからM&Aまで幅広く取り扱う。
[文・構成・取材/grape編集部]