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ついに発見!? スパゲッティをピッタリ半分に折る方法

By - 土屋 夏彦  公開:  更新:

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ニッポン放送で『タモリのオールナイトニッポン』などのディレクターなどを務め、現在はBayFMでITコメンテーターとしても出演中の土屋夏彦が、最近のIT・科学・経済のニュースを独自の目線で切り取ります。

ついに発見!スパゲッティをピッタリ半分に折る方法!!?

スパゲッティの茹でる前の麺を両手で曲げるてポキっと折ると、なぜか3つ以上に割れてしまうのをご存知でしょうか。

そんなスパゲッティの麺の特性を研究して、なんときれいに2つに折る方法をアメリカのマサチューセッツ工科大学とコーネル大学の研究チームが発見し、話題になっています。

このスパゲッティが3つ以上に割れてしまうという特性に世界で初めて着目したのは、驚くなかれ、ノーベル賞学者のリチャード・P・ファインマンという物理学者だったそうです。そのため、この現象は『ファイマン博士のキッチン実験』と呼ばれています。そんな名前まで付いているにもかかわらず、当時はファイマン博士でもその理由を明らかにできませんでした。

2005年になってようやくその原因を、フランスの物理学者バジル・オードリー氏とセバスチャン・ノイキルヒ氏が解明します。3つ以上になってしまう原因は、2つに割れた時点で、折れた部分がもとに戻ろうとして波が発生し、その波動『スナップバック効果』で、細いスパゲッティはもう1度割れてしまうのだそうです。

翌年の2006年には、オードリー博士とノイキル博士は、「人々を笑わせ、そして考えさせてくれる研究」に対して与えられる『イグノーベル賞』を受賞しました。

ここでこの問題は解決したかのように見えましたが、コーネル大学の大学院生のロナルド・ハイザー氏(Ronald Heisser)と、マサチューセッツ工科大学の数学大学院生のビシャル・パティル氏(Vishal Patil)は、その年から新たに研究を始めます。

この2人は以前から『ファインマン博士のキッチン実験』についての資料を読んだことがあり、スパゲッティが何とか「2つに割れる方法はないものか」と考えたのだそうです。

そこでハイザー氏は、スパゲッティの麺を制御して、ねじったり曲げたりすることができる機械装置を作りました。この装置は、いずれか一方のクランプでスパゲッティの端を掴むと、もう一方のクランプでスパゲッティを回転させて様々な角度にねじることができます。他方のクランプをスライドさせれば、スパゲッティを湾曲させて折ることもできます。

Courtesy of the researchers.

Courtesy of the researchers.

並行してパティル氏は、ねじれがどのように2つのスパゲッティを折り曲げられるかを説明する数学的モデルを開発。ここにはフランスの物理学者バジル・オードリー氏とセバスチャン・ノイキルヒ氏が解明した『スナップバック効果』が参考になったといいます。

ハイザー氏とパティル氏はこのデバイスを使って数百のスパゲッティを曲げてねじり、1秒間に最大100万フレーム撮影できるカメラで断片化のプロセスを記録していったそうです。

そして13年の歳月がすぎ、ついに先日、その方法を見つけたと発表があったんです。

スパゲッティを曲げた時に反対方向に跳ね返る『スナップバック効果』は、ねじれがあると弱くなることが分かりました。さらに、スパゲッティがねじれた状態から元のまっすぐな状態に戻る『ツイスト・バック効果』は、スパゲッティからエネルギーを放出するため、折れるのを防止する効果があることが分かったんです。

そこで、その『スナップバック効果』と『ツイスト・バック効果』をうまく組み合わせることで3つ以上ではなく、2つにきれいに折れることを証明しました。

その方法とは

「スパゲッティを270度ねじりつつ、秒速3ミリメートルで折り曲げていく」

言葉で言い表すとなんだそれだけかと思いますが、これを解明するために13年かけたという学者魂に感動の意を評したいと思います。


[文・構成 土屋夏彦]

土屋夏彦

上智大学理工学部電気電子工学科卒業。 1980年ニッポン放送入社。「三宅裕司のヤングパラダイス」「タモリのオールナイトニッポン」などのディレクターを務める傍ら、「十回クイズ」「恐怖のやっちゃん」「究極の選択」などベストセラーも生み出す。2002年ソニーコミュニケーションネットワーク(現ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社)に転職。コンテンツ担当ジェネラルプロデューサーとして衛星放送 「ソネットチャンネル749」(現アジアドラマチックTV★So-net)で韓国ドラマブームを仕掛け、オンライン育成キャラ「Livly Island」では日本初の女性向けオンラインで100万人突破、2010年以降はエグゼクティブプロデューサー・リサーチャーとして新規事業調査を中心に活動。2015年早期退職を機にフリーランス。記事を寄稿する傍ら、BayFMでITコメンテーターとしても出演中、ラジオに22年、ネットに10年以上、ソーシャルメディア作りに携わるメディアクリエイター。

出典
MIT News

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