廃棄される予定の5万個を救った? パンを焼かない『夜のパン屋さん』の活動とは
公開: 更新:


夏に増える『エアコンの発火事故』 その予兆に「気を付ける」「我が家のやばいかも…」地域によっては40℃を超すこともある、日本の猛暑。夏を乗り切るには、エアコンが必要不可欠といえます。 今や、各家庭に1台はあるのが当たり前。ライフスタイルによっては、夏は常に稼働させている家もあるでしょう。 生活に欠かせ...

弁護士「禁止する法律はありません、しかし…」 意外と知らない交通違反とは本記事では、意外と知られていないサンダルでの運転について、違反になり得るケースやサンダルの種類について、解説しています。
優しく、甘い香りをただよわせる、ベーカリー。
ベーカリーには、焼き立てのおいしいパンをすぐに客に食べてもらえるという魅力があります。
一方で、売れ残ってしまったら、廃棄せざるを得ないという問題も抱えているとか。
そんな問題を解決するために、立ち上がったのが、『夜のパン屋さん』でした。
『夜のパン屋さん』って?
2020年10月に東京都を中心に営業を開始した『夜のパン屋さん』。
街のベーカリーが焼いたパンで、売れ残りそうな商品を預かり、夜に代理販売しています。
いわば、さまざまなベーカリーのパンが集まるセレクトショップで、『パンを焼かないベーカリー』ともいわれているとか。
2025年6月某日、パンが好きな筆者は、早速行ってみることにしました!
売れ残ったパンを露店で?
昔ながらの街並みとモダンな雰囲気が融合する、東京都新宿区の神楽坂。
学校や仕事を終えた人たちが行き交う18時45分頃、ブックカフェ『かもめブックス』の前で開店準備が始まりました。
大きなカゴにパンを置き、『夜のパン屋さん』の看板を掲げたら、準備は完了。19時になると、店は営業開始です。
カゴの前にある札を見ると…パンの紹介や値段に加えて、『ピストリーナディオ』や『茜パン工房』といったベーカリーの店名がずらり。
店頭に並ぶパンの量や提供してくれるベーカリーの数は、その日によります。
取材日は、嬉しいことに、各店舗で廃棄されるパンが少なかったのだとか。『夜のパン屋さん』に並ぶパンを、筆者も1つ購入しました!
同日は都内のベーカリー2店舗のパンのみでしたが、北海道や静岡県などから、パンが届くこともあるとか。
ベーカリーにとって、廃棄されそうなパンが、おいしく食べてもらえる人の元に届くなんて、嬉しい限りでしょう。
『夜のパン屋さん』の1日
『夜のパン屋さん』事務局の光枝萌美さんに、フードロスを減らす活動について詳しく話を聞きました。
事務局スタッフ・光枝さん
2025年現在、『夜のパン屋さん』の活動に賛同している、ベーカリーはなんと29店舗!
都内近郊の店舗とは、『夜のパン屋さん』の営業日には連日コンタクトを取り、それぞれの店舗の売れ行きを確認するところから、夜が始まるそうです。
15時くらいから、各店舗へ「売れ残りそうなパンがありますか?」という電話をかけていきます。
ベーカリーが閉店するのは、大体16~18時頃。
時間になったら、『夜のパン屋さん』のスタッフが集荷に行くという流れですね。
『夜のパン屋さん』の営業日には、スタッフが1~3店舗のベーカリーを回り、その日に販売するパンを集めているそうです。
また、都内近郊ではない地域のベーカリーからは、パンを冷凍して送ってもらうのだとか。
『夜のパン屋さん』の事務所の冷凍庫で保管した後、解凍して店頭に並べているといいます。
たくさんのベーカリーに協力いただいていますが、『夜のパン屋さん』に並ぶパンの量やラインナップは、直前にならないと決まりません。
集荷するパンが分かった後は、売れ行きを予測してから、遠方から届いたパンを解凍するなど、ロスがないように販売しています。
取材日は1時間でパンが完売!
売れ残っていたパンを預かって売ることで、フードロス削減に貢献している、『夜のパン屋さん』。
ベーカリーはパンを預ける際に、『夜のパン屋さん』で売るためにラッピングをしてくれるなど、日々の活動にとても協力的だといいます。
フードロスを削減したいという思いと、ベーカリーとの信頼関係を感じられますね。
光枝さんに取材を進めていくと、『夜のパン屋さん』誕生にかかわる意外な出発点が明らかになりました…!