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「旅行に行く時、部屋のカーテンは…」 防犯のプロがアドバイス

By - りょうせい  公開:  更新:

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散らかった部屋の写真

※写真はイメージ

あなたは日頃、外出時に「ちょっと家を空けるだけだから…」と油断していませんか。

最近は強盗・空き巣など『家』をターゲットにした犯罪が増えてきています。

旅行や外出で家を離れるタイミングは、空き巣やストーカーにとって絶好のチャンスになってしまうのです。

外出前後のチェックポイント

元警察官である筆者は、防犯の基本とは『犯罪者の視点で物事を考えること』だと思っています。

本記事では、旅行など外出する際に気を付けるべきポイントを紹介します。

外出前:部屋を掃除する

あなたが空き巣だったら、どんな家に入りたくなると思いますか。

まずは自分の家、状況などを『犯罪者の視点』で客観視することから始めてみましょう。

最初に意識したいのは『出かける前はこうだった』と確認できる状態をつくること。

例えば、室内をきれいに掃除することも大切な防止策になります。「え?そんなことが防犯?」と思うかもしれませんが、犯人は『きれいな家』を嫌がるものなのです。

理由は物色された形跡が残るため。物が散乱していたら、「物色に気付かないかもしれない」という心理が働きますよね。

空き巣などの被害に遭ってしまった時、警察(鑑識課員)が足跡や指紋などを採取することがあります。

この時、部屋をきれいに掃除していることで、家族の指紋や足跡に紛れることなく、犯人の証拠を収集できる可能性が高まります。

きれいな部屋の写真

※写真はイメージ

また、車で外出する前にも、洗車をして傷の有無をチェックしておくと安心です。

旅行先の駐車場などで当て逃げされたとしても、出発前の状態を把握していれば、被害時期を絞り込みやすくなります。

外出中:『在宅感』を出す

不在だと気付かれない工夫も、防犯には効果的です。例えば旅行に出発する前、新聞を一時停止したり、ポストの中身を家族や近所の人に抜いてもらうようお願いしたりするのも1つの手。

室内の電気やエアコンを一部つけたままにして、生活感を出す方法もあります。

カーテンは、レースカーテンのみ閉めておくとよいでしょう。カーテンや雨戸を完全に閉めると、不在であることに気付かれてしまいますし、逆にカーテンを開けっ放しにしても、家の中の情報が丸見えに…。

レースカーテンがない場合は観葉植物を置くなど『在宅感』を演出しつつ、外から見えないようにすることを心がけましょう。

カーテンの写真

※写真はイメージ

ほかには、自転車を自宅敷地内の見える場所に置いておくだけでも、空き巣に「室内に誰かいるかも…」と思わせる抑止力になります。

もちろん、二重ロックなどの盗難対策は忘れないでください。

帰宅後:家の周りと室内を確認する

旅行や外出から帰ってきたら、一番最初に家の周りや室内に異変がないかを確認しましょう。

玄関や窓、ポスト周りに不審な痕跡がないか、室内では貴重品や家電の位置が変わっていないかをチェック。インターホンに録画機能がある場合は、不在中に訪問者の有無を確認してください。

不審者が映り込んでいたなど、異変を感じたことがあれば、迷わず警察へ通報しましょう。

インターホンの写真

※写真はイメージ

事件の解決は、いかに早く、警察が認知するかが大きな鍵を握ります。証拠が事件を立証する力、すなわち『証拠能力』は時間が経過すればするほど低下するもの。

指紋を例に考えればイメージしやすいでしょう。指紋は時間が経つほど劣化してしまいますよね。

どんな小さな異変でもかまいません。その情報が自身を守るだけでなく、ほかの事件の『重要な手がかり』となるかもしれません。

都心部・地方に関わらず、全国的に個人宅を標的にした犯罪が増加しています。

旅行前の対策はもちろん大切ですが、日頃から少しだけ防犯を意識してみませんか。少しの意識と行動が、大切な人と家を守ることにつながります。

「被害に遭ってからでは遅い」というのが犯罪。まずはできるところから『自宅の防犯チェック』を始めてみましょう!

筆者のSNSでは、ほかにも防犯にまつわる情報を発信しているので、気になった人は覗いてみてください。


[文・構成/grape編集部]

りょうせいさんの顔写真

りょうせい

元警察官。警察歴10年。
交番勤務を経て、生活安全課の捜査員として勤務。
行方不明やDVなどの「人身関連事案」を対応しつつ、防犯の広報・企画業務を兼務。
現在は警察の経験を生かし、Xや音声配信(StandFM)にて、防犯情報を発信中。

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