「僕が亡くなったら手紙を出して」 『BLEACH』作者の探し人、見つかる
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週刊少年ジャンプにて連載された人気漫画作品『BLEACH』の作者・久保帯人先生。
久保先生は2016年11月、Twitterにとあるメッセージを投稿しました。
「皆さんにお願いがあります」
連載を終えた久保先生の元に届いた手紙
『BLEACH』の連載終了から3か月。久保先生は「やり残したことがある」という想いを心に抱えていました。
連載開始から10年めのこと。身体を壊してしまった久保先生は、精神的にもつらい状況に陥ってしまいます。
作品を描き続けられないことに苦悩していた久保先生は、その時、1通のファンレターを手に取ります。
そのファンレターには、差出人の住所と名前がありません。久保先生は「いたずらかな?」と思い、読み始めます。
それは、重い病と戦う少年からの手紙でした。余命1年半という、残酷な宣告をされた少年は希望を失っていました。
ですが、「『BLEACH』の次の巻が読みたい」という理由で、「入院してから初めて、明日のことを考えるようになった」というのです。
「先生の思うままのBLEACHを最後まで描き切ってください。僕はそれが読みたい」
そして、手紙には書かれていました。
彼がもう、この世にいないことが…。
ファンレターは、彼が亡くなったら送るようにと、誰かに頼まれたものでした。
しかし、この1通のファンレターが、久保先生に再び作品を描き続ける力を与えたのです。
手紙の差出人を探してほしい
もう、この世にはいない少年に「お礼がいいたい」という思いにかられた久保先生。
このファンレターを読んだ経緯を漫画に描き、手紙の現物の写真とともにTwitterに投稿。「差出人を探してほしい」と訴えました。
久保先生のツイートは、たくさんの人に拡散されます。TV局からも協力の申し出がありましたが、久保先生は差出人の家族のことを思い、断ったそうです。
そして、2017年12月13日。久保先生はファンレターの差出人が明らかになったことを投稿しました。
「差出人を探してほしい」という呼びかけから1年。ついに、探していた相手が見つかったのだそうです。
手紙を投函したのは、少年と同じ病院に入院していた友人だったのです。久保先生は、詳しい話を聞き、心につかえていたものが取れたとつづっています。
この報告に対し、日本人だけでなく、世界中のファンがコメントを寄せています。
・感動しました。本当によかった。
・『BLEACH』という作品が好きでよかった。
・久保先生の次の作品、楽しみにしてます!
・亡くなった少年も、先生の作品を待っていると思います。
作品作りは、読者が想像するよりも遥かに多くのエネルギーを必要とすることなのでしょう。
力を蓄え、久保先生が次の作品を世に送り出してくれることを、ゆっくりと待ちたいですね。
天国の少年も、きっと見守っているはずです。
2016年11月の、一連の投稿はこちらの記事でご覧いただけます。
「手紙の差出人を探して」BLEACH作者・久保帯人 天国の男の子への思い
[文・構成/grape編集部]